【感想・ネタバレ】そこに工場があるかぎりのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

小川洋子の工場見学記。
ネット記事やテレビの特番などで良く出てくる施設見学とは一味も二味も違うのは、小川洋子の教養と知性に根差す視線の面白さと優しさ、それに言わずもながの文章力。

グリコにしても北星鉛筆にしても、小川洋子じゃなければ「はいはい、知ってます。もう観たことあります」で素通りしていると思う。ある程度の大人になれば、経験とか知識とかが邪魔して、見知った(と思い込んでいる)ことを改めて知りなおそうとしない。所謂「擦れた」大人になってしまうのだ。

この本を読んでみると、擦れることの勿体なさを痛感する。出てくる職人さんは毎日毎日何十年も同じ仕事を繰り返す、その中で少しずつ修正改善を繰り返し、理解のレベルから無意識のレベルで作業を行い、やがて神業と至るようになる。競技でいう「フロー」の状態を毎日維持し続けることができるまで当たり前の仕事をやり続ける。

飽きることもあるだろうし、目新しいことに心奪われることもあるだろうし、他人の芝生の青さに嫉妬することもあるだろうけど、そこに甘んじて「擦れる」ようにはならなかった職人各位、著者の小川洋子だって何年も何文字もとてつもない数の文章を書き続けた人である。そういう人々が層をなしている社会こそ、成熟した過ごしやすい世の中なのかもしれない。

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「作家小川洋子氏による、おとなの工場見学エッセイ」
とある
大好きな小川洋子さん
こんなエッセイも魅力的です
流石に洗練された文章
余韻を残します

見学された工場6社
それぞれすごい

物づくりの衰退した国は滅びます
この国は大丈夫かなあ

根っこがぐらついているような

こんな工場があるのは心強いです
職人さんたちに拍手です

カバーの小川洋子さんがかわいいな

≪ つくりだす 小さな一部 心込め ≫

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2021年09月15日

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