【感想・ネタバレ】スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件のレビュー

あらすじ

不正融資は返済せず!前例なき奇跡の決着!

2018年に世間を騒がせた「スルガ銀行不正融資事件」は、被害者約250名が抱える不動産担保ローン合計残高約440億円をスルガ銀行(沼津市)が「帳消し」にするという、金融史上前例のない解決となった。
事件の裏にあったのは、スルガ銀行と不動産業者や仲介業者が共謀して土地代や建築費を水増しした上、不正融資でシェアハウス「かぼちゃの馬車」を購入させるという構図。そして業者が経営難に陥った結果、オーナーはひとりにつき1億円以上の債務を負わされたのだ。

自己破産する者、自殺する者もいるなか、生きる道を探そうとひとりの被害者が立ち上がった。「おれたちはすでに経済的に死んでいる。これ以上何を恐れることがある?」彼は仲間を集めて被害者同盟をつくり、凄腕弁護士・河合弘之氏に依頼、スルガ銀行を相手に闘う決意をする。

河合弁護士の発案・指示のもと、同盟のメンバーによる本店・支店前でのデモや株主総会での直談判などが行われ、次第に揺らいでくるスルガ銀行の牙城。勝てる見込みがないと言われた地銀の雄・スルガ銀行を相手に、代物弁済という借金帳消しを勝ち取った男たちのノンフィクション!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

かぼちゃの馬車事件について詳しく書かれている本。
1番悪いのはスマートデイズだが、ここは確信的に詐欺行為をやっている。
今更この会社を訴えて数百万を回収できたとしてもオーナー達のローンは残ってしまう。
それならいっそのことグルであったスルガ銀行にターゲットを絞ろうと判断した河合弁護士は流石だと思う。
しかも、弁護士なのに訴訟にすることはせず、白兵戦を挑んだというのは、反原発の経験からだろうか。

確かに訴訟はお金も時間もかかるわりに結果が伴わないことが多い。
それなら手っ取り早くマスコミや世論に訴えてやろうという発想はなかなか弁護士でも思いつかない。

この件は被害者側にももちろん落ち度はあったが、銀行だからといって安易に信用してはいけないということが白日のもとに晒された。
しかし、こういった投資詐欺は今後もなくならないのだろうと改めて感じた。

河合弁護士が凄い先生なのは間違いないが、著者が河合弁護士の友人ということで、大絶賛する姿勢にはちょっと違和感を覚えた。
特にこの問題に取り組んでいた他の弁護士を名指しで批判するのはいかがなものか。
結果的に河合弁護士の戦法はうまくいったから言えることであって、同業者を名指して批判するのは業界のタブー。

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2022年07月01日

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