あらすじ
「昇格請負人」として関東リーグのチームに移籍したベテランDFの田丸。担当エージェントとして昇格レースの行方が気になる安田だが…。
新人&敏腕代理人、それぞれが選ぶサッカーの未来とは──!?
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Posted by ブクログ
サッカー界には付き物の、しかし意外に実情が知られていない「代理人業」を描いたシリーズの完結巻である。
帯にある
>「選手の人生を背負うのも代理人の仕事だ――。」
という印象的な言葉にもあるように、今回はサッカー人生の酸いも甘いも描きながら完結を迎えている。
Jリーグ入りを目指すチームたちが鎬を削る地域リーグの険しさ。
そこで戦った一人の偉大な選手の去就。
海外リーグを夢見る選手の決断。
色々な形で描かれた物語の結末は、しかし次の物語への門出でもある。
引退しても、夢破れても、彼らの人生は続くのである。
そして代理人は、そんな彼らに常に付き添い続ける存在である、とこの物語は描いている。
悪役として描かれやすく、実際にまあまあ阿漕な振る舞いで存在感を示すサッカー界の代理人。
とはいえ、こうして見ると、サッカー選手らが彼らに人生を委ねるのも多少わからなくもない。
勝手な放言をするだけの、自チーム優先のファンとは違った立場なのは確かなことだろう。
4巻での完結はいささか寂しく、中国市場に関する伏線が消化されなかったのもやや惜しい。
だが、綺麗に終わった完結だっただろう。
シリーズ全体に対する評価も含めて、星五つで評価したい。
興味深いシリーズをありがとうございました。面白かったです!