【感想・ネタバレ】二人がいた食卓のレビュー

あらすじ

良かれと思ったことが、押しつけがましさに。理想を追い求めるあまり、頑なになる。相手への気遣いが、裏目に出る。一番わかってほしい相手に限って自分の努力が伝わらない……。そんな夫婦関係の迷宮に迷いこんだ泉と旺介、きっかけはまさか、食の好みの違い……!
ドリア、生姜焼き、ハンバーグ、キッシュ……出てくる料理は、「食の検定」1級を持つ著者だからこそ表現できる、読むだけで美味しそうなものばかり。だからこそ、夫婦のすれ違いのきっかけとして、鋭く鮮やかな物悲しさを湛えています。
おいしさは恋で栄養は愛? 家族として、好きを越えた関係を築いていく覚悟を持てるのか。泉と旺介、二人の選択とは。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

作者の他の作品が好きで読みました。
個人的には主人公にあまり感情移入はできず、そんな縛ったり戦略的に外堀から埋めていくようなことしてたらそりゃ旺介は嫌になるよ〜と思いつつ、先が気になり一気に読みました。
食の好みが違うのは楽しい時間にならないからしんどいし、そこを制限されたり作った方も食べてもらえないのはストレスだし、救いがないのが読んでいてつらかったです。

途中途中で旺介が料理を作って歩み寄ろうとしてたのに結局味付けをしたりして自分の料理にしてしまったり、友人の子どもの食事のシーンで泉が言った言葉に対して嫌悪感を示しているのに気付かない泉にはもやもやしました。
相手の気持ちを考えず、自分の気持ちを優先していることが多いシーンが見られ、結婚生活はなおさら難しいだろうなと思いました。
自分も今の生活を続けられるよう、相手の気持ちを大事にして気をつけなければと思った作品でした。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真綿で首を絞めるというのはこういうことか。
すれ違いの話ではあるんですが、普通のすれ違いと違って、主人公が夫のことを対等な人として見ていなかったのが別れの根本的な原因であるように思います。徹頭徹尾、自分の正解にこだわって相手の希望をほぼ聞かないことが麻生サチのエピソードから分かって恐ろしかったです。外堀の埋め方も、日常的に正論で逃げ道が潰されていたところもぞっとしました。夫はそんな風に表面を取り繕われて、自分の心情は妻を含めてだれも知らないなんて孤独だったんだろうな。

行間を変に深読みしただけかも知れませんが、個人的に夫は、お互いダメなところも愛し合っていけたらいいなと考えているタイプだと思うので、読んでいて辛いシーンがいくつもありました。主人公の、目の前の人より、理想の目の前の人を求めてしまう気持ちは痛いほどよく分かるけど。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み進めるのが苦しくなる話だった。
夫のために、良かれと思って食事に一つも二つも工夫を凝らす妻。初めの方は、妻もやりすぎだなとは思うけど、捨てるほど?家に帰りたくなくなるほど?と夫の行動が不思議だった。

しかし、帰り道に何か食べてきたのではないかとキスして夫の口の中の風味(?)を確かめる妻の姿は、なかなか恐怖だった。

だからといって、職場の女の子と浮気しなくてもいいのに…。しかも最後の最後は、その女の子は二人と全然関係ない男性と結婚して寿退社するって。えー!となった。

一番ショックだったのは、最後の夫への復讐として、美味しい料理を作って、あえて既製品のようにカモフラージュして夫に食べさせ、実は妻の手作りだったと気づかせるシーン。気づいた瞬間、夫が食べられなくなる…そんなに?という衝撃。

主人公二人が職場結婚で、自分と重ね合わせて読んでしまうところがあって、話にのめり込んでしまった。面白かったし考えさせられたけど、苦しかったから星3。

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2021年05月19日

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