【感想・ネタバレ】まにまに道草 分冊版（１）のレビュー

大町テラス

昨日、娘が家を出た。主婦のハルコは「子育ての終わり」と「娘の独り立ち」をうれしく思うと同時に、ちょっぴり寂しいとも感じる。夫は仕事中。さて、何をしよう。ひさしぶりに訪れた自由な時間をまえに、ハルコは戸惑いながらも、少しずつ新しい生活へと踏み出していく――。【第1話～第4話、おまけ1、2収録】

[匿名 · ★★★★☆]

自分の時間

主婦のハルコはその日掃除機をかけていた。
昨日大学進学のために娘が家を出たからだった。
がらんとした部屋に思わず寂しさを感じてしまうがそんな時に限って夫は外出中だった。
自分も好きに過ごそうと街に出かけたハルコはクレープ屋を発見し思わず購入してしまうが……。

夕飯のためにカレーを作っているハルコだが浮かない顔をしていた。
きっかけは娘の好物であるさくらんぼが親戚からたくさん送られてきたので送ろうかとメッセージを入れたものの煮え切らない返事だったのでどうするか催促したらいらない、ほっといてと言ってきたからだった。

娘が生まれてくるまではデザイナーをしていたハルコ。
アナログからパソコンへの移行が進み始めた時期に仕事を離れた彼女が昔の同僚に頼まれて短期のバイトに入ったが最新のデジタル事情に疎いこともあり年下の女の子に教えてもらう有り様だった。

子供の独り立ちによってできる時間と心の隙間をどう生きていくかという楽しみが見える作品だった。