【感想・ネタバレ】あっち側の彼女、こっち側の私 ―性的虐待、非行、薬物、そして少年院をへてのレビュー

あらすじ

両親の虐待を受けて施設で育った結生。万引き、援交、薬物と十代の荒れた生活から少年院を経て、ある新聞記者の取材をきっかけに自分の過去に向き合っていく。自分を縛っていた枷から抜け出すまでの心の軌跡を追った記録。

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Posted by ブクログ

たまたま、何となく、手に取りました。

「性」と「愛」の混乱。性暴力の罪深さを思いました。

安心して過ごせる場所と、話せる人との出会いを経た先で、混乱を整理した先の、情景。

等身大のその人の姿が浮かび上がってきて、とても身近に感じられました。

支援でも、サポートでもなく、人として出会うこと。
よりよく生きていくために、私たちにできること。

どうしてこの本を取り寄せようと思ったのか自分でも思い出せないのだけれど、読めてよかったです。

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2020年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ある少女がいた。実父から性暴力を受けて児童施設へ保護。実母に引き取られるも、そこでも継父から性暴力を受け、非行に走る。あげく薬物の摂取等で少年院へ。もう、どうなってもいい、どうすべきかわからない、というのが彼女の正直なスタンスだったかと思う。
 しかし、入所中、そして退所後まで見守ってくれた保護観察官と、退所後に入居した自立支援施設の担当者との出会いが彼女をもう一度人生に向かわせる。彼女は高卒の資格認定試験を取り、さらにとある資格試験にもパスしてある職業のプロフェッショナルとして再度人生を歩み始める。
 著者は自分の十代、家庭環境と重ね合わせながら彼女の辿ってきた道をじっくりと見直していく。それぞれの場所で彼女はどう思ったのだろう、どう感じたのだろう、他の選択肢はあったのだろうか、等々。
 私自身も、彼女と大同小異の環境に育った子どもたちを身近に見ながら過ごしている。でも彼女のようなパターンを辿る子はほんとうに極少と言っていい。十代における「出会い」の重要さを、この本は改めて教えてくれる。この本から大人が学ぶべきこと、それは自分が十代の子どもたちにどう接しているか、通りすがりの他人になってしまっていないか問い直してみることだろうと思う。

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2023年12月02日

Posted by ブクログ

フォーラムの注目本として紹介されていた。
自分が今までどれだけ恵まれて育ってきたかと考えさせられる。
援助交際や薬物をしている人をいいとは思わないけど、人によってそうならざるを得ない人もいる。自分と違う人を、拒絶しない人でいたい。

結生さんを支えた多くの人たち。
してあげてる、ではない。役職として関わるのではなく、一人の人として関わるということは自分の中の葛藤もあって、迷いもあってすごく大変だと思う。
私も患者さんと、人として関わっていきたいと思った。

生きていれば思い通りにいかないことも多いけど、それら全て「やらされてる」んじゃなくて、自分で決めて「やっている」。自分で選択してるということに責任を持ちたい。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

あっち側もこっち側もないって思ってはいるけど、自分よりも苦しい辛い経験をしている人に対して、変な思いやり方をしちゃうことって、あると思う。
気兼ねというか。
対等に話をするって、鏡のように、自分の心情も滲むから、難しい。
分かったような気にもなりたくない。
簡単に共感出来ないよな。
福祉関係の仕事に就いている人は本当に凄い。

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2024年12月11日

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