【感想・ネタバレ】古伊万里図鑑のレビュー

あらすじ

青山二郎と親交を結び、北大路魯山人に星岡茶寮を任され、柳宗悦の蒐集に協力した稀代の目利き、秦秀雄。すべての古美術に精通したが、伊万里を鑑賞の世界に引き上げた牽引役としてつとに名が高い。本書は、その秦が満を持して刊行した、究極の古伊万里鑑賞案内だ。掲載されている品々は、今も愛好家垂涎の的となっており、蒐集のスタンダードになっている。収められているのは、代表的な染付や白磁から、希少な赤絵、鉄絵、辰砂、鉄砂、瑠璃釉まで、約340点。秦秀雄の眼が射抜いた見どころを、ぜひ味わっていただきたい。幻の名著、遂に文庫化。

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Posted by ブクログ

借りたもの。
前半には十七世紀を中心とした古伊万里の数々、後半の文章がまとめられているページに、各々に対しての解説がされている。
読み物には、伊万里の魅力を再発見するきっかけとなった、柳宗悦、1959(昭和34)年に『古伊万里染付図譜』(平安堂書店)古美術商の目利き・瀬良陽介への賛辞。
昭和の古伊万里再評価のための情熱、再発見と蒐集の熱狂を今に伝える寄稿文。
美しさを鑑賞するだけのものではなく使うためのもの(用の美)であること。ゆえに徳利や小盃、猪口を良しとする旨。
拙い絵付けにも、そのたどたどしさにも魅力を見出したり、秦秀雄の鑑賞のポイントを綴っている。
……と言っても、昨今もてはやされるような、明確なポイントというものではなく、実業家のひろゆき(西村博之)の代表的な口癖「それってあなたの感想ですよね」みたいな話ではある。だが、「本を読んで知る安易な知識は決して鑑賞の目を生彩あるものにはすまい。苦労して長い錬磨に堪えもしない概念の知識の目、そんな偽物の目に物の方がだまされたりはしない。にげてかくれて姿を見せもしなかろう(p.214)」という、寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」に通じるような言葉、泥臭くも古美術の目利きの金言だった。
「美」を見出した時の感動と興奮が伝わってくる文章。
息子・秦笑一氏による、秦秀雄や母との日用に使っていた古伊万里などの茶碗の思い出。
勝見充男氏による解説、初期伊万里の中でも、最初期を表す“初源伊万里”を秦秀雄が発見した経緯がこの『古伊万里図鑑』発刊であったことを言及している。

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2026年08月30日

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