【感想・ネタバレ】ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

アメリカの奴隷制度について私は概要は知っていても真実や現実を知らないのだと思い知らされた。奴隷には逃げ場がない。人権がない。奴隷の子もまた奴隷であり、商品になるのだと。リンダは生き延びた。相当な精神的、肉体的なダメージを負いながらも生き延びた。言葉にならない。

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2022年04月02日

ネタバレ 購入済み

課題図書にして欲しい

夜寝る前に漫画の広告を気になって数話読み、本書に飛んで一気に読んだ。最初に思ったのは「ムラート」「母親に付帯する身分を引き継ぐ」この2点は高校の世界史で学んだが、本書を読むまで言葉の暗記でしかなかったと気づいたということだ。いかに白人男性にとって都合の良いことなのかへの気づき、その"都合の良さ"は現代日本でも多く見られるという気づきである。訳者の言うように、もっと早くに会ったならやりたかった夢への後押しをしてくれたとも思う。しかしそれだけでなく、今も日々行なっている”女性らしさ、女性なんて"という固定観念と不自由さに対しての改善を求める個人の戦いへの後押しにもなる本であり、その固定観念のもたらす男性への影響に対する個人レベルでの改善運動も後押しする本当だと思う。
Black lives matter だけでなく現代に連綿と続くあらゆる固定観念や不自由に対して少しでも関心を持つすべての人に是非読んで欲しい。

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2020年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これが本当に起こった出来事なのだと思うと…。主人公リンダの7年もの屋根裏での潜伏、あまりにも壮絶だ。肉体的にも精神的にも自分なら耐えられないと思う。南部から北部へ向かう船での描写が心に迫った。北部へ行くのは悲願だ。夕日や頬を撫でる風に喜びを感じる。だけど愛する家族や世話になった人々は今去ろうとしている南部にいて、きっと二度と会えない。それでも進む。
旅行でアメリカを訪れたことがあるけど、その時のアメリカの印象とこの本に描かれるアメリカは別の国のようだ。かつてはあの土地でも同じような奴隷少女たちがいたのだろうか。

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2023年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

きっと次のページでは、良いことが起こるとずっと思いながら、最後まで来てしまった…

理不尽…あり得ない…そう思わざるを得ないけれど、これが現実であったことは知っておくべき歴史なのだろう。

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2022年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

奴隷制の奴隷女として生まれてきたことは不運であるが、暴力的な主人から逃れる策として他の白人の子を宿したり、主人のいかなる言葉にも否定したり、自己主張の強さとそれに伴う行動力が凄まじい。勿論、辛い日々が鍛えたのもあるだろうが、自由黒人である父の影響も強そうだ。
主人が恐らく嘘であろう優しい言葉や、偽りの手紙は優しすぎて実に滑稽で面白かった。
リンダとその子供たちは自由を手にしてハッピーエンドだが、伯母と祖母が切ない。特に伯母のエピソードは悲しい。床に寝かされて6回も流産してようやく部屋で寝ることが許され、2回出産するがどちらもしばらくして死ぬ。子を持てぬのもあり、リンダらに対して我が子のように接する、悲しい。
最期は叔母がいてくれて良かった。それでも悲しい。

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2022年07月21日

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