【感想・ネタバレ】死の花の咲く家~昭和ミステリールネサンス~のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「有栖川ファンならきっと好きですよ」とお勧めしていただいて初めて手に取った仁木悦子。

なるほど文章に品があって読みやすくて、読後感も良くて、お勧めいただいた訳がわかった。文の流れる美しさに連城三紀彦っぽさも感じたけど、的外れな感想かな。あの、美文にうっとりしてる間に謎が解かれて「いつの間に!?」ってびっくりする感じが近い。

「金ぴかの鹿」 読後感良いと書いた直後だけど読後感悪い!笑 
「暗い日曜日」 はじめての仁木兄妹。可愛いけど、悦子すごい行動力!自分でスカートを縫ったりしている描写に時代を感じたな。最後、舘岡博士のために喜ぶ悦子に爽やかな気持ちにさせてもらった。
「一日先の男」 これは、小説のジャンルとしては何になるのだろう? ミステリかと思いきや……ドグラ・マグラ的な感じもするけど。こんなものも書いたのか!という作者への驚き。
「ねむい季節」 SF!1960年代に描かれた21世紀かと思うと、とても興味深かった。でもここまでで1番ミステリっぽいミステリというか、私はこれが1番好きかも。
「隠された手紙」 母子の間の秘密。爽やかでよかったな。すごくいい話だった。
「遠い絵図」 これも、母子の間の秘密の話。母子家庭の話が多い感じがするのは、時代的にそういう家庭がままあったということなのかなあ。戦後の混乱期過ぎて、夫の居なくなってしまった家庭は多かったんだろうな。「隠された手紙」といい、母子家庭の親子への暖かな眼差し、幸せになってね、という気持ちが感じられて、好き。
「死の花の咲く家」 ダイイングメッセージはちょっとなぁ…。でも面白かった。なるほど。
「穴」 子ども大活躍!これは、もう、設定が好み過ぎて、どんぴしゃり。しかも面白い。仁木さんは、子どもの気持ちがよくわかる作者なんだな。ひろきくん好みの。笑

ショートショートはどれも毒が良く効いてて面白かった。

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2020年08月10日

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