【感想・ネタバレ】処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな(新潮文庫nex)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルで少し読むのを躊躇うけれど、読んでみるととても良かった。
「ロックミュージシャンは何故か早死することが多い。ロックな生き方ができるような人間は、そもそもロックな生き方をつづけていけるほどに図太くはできていないのだろう。」
この文に感銘を受けた。私自身、藤田ほどロックな生き方はしてないけれど、いつも全力疾走で走り続けられるほどに私は強くできていない。

絶望の淵を歩いていてもまだ生きてみようと思える程の彼女の愛は大きく、新しくできた友人たちが救ってくれた世界は淡くて儚くて素晴らしい世界だと感じた。皆しあわせになってほしいです

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2021年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルにつられて読んでみた作品ですが
カート・コバーンの名言から取った言葉だったんですね。
タイトルと序盤の物語の内容がしっくりこなかったのですが
途中で種明かしがあったのでスッキリしました。

内容としては学園青春モノで40手前のオッサンが読むには
少しくすぐったいところが沢山ありましたが面白く読むことが出来ました。
というのも主人公の両親の言葉や悲劇のヒロインである砂羽の両親の言葉が
青春真っ只中のTeenagerに贈る言葉としてとても秀逸だったからです。
自分の息子・娘が同じような状況になった時に果たして自分は
こんな言葉をかけることが出来るだろうかとそんな視点で読んでしまいました。

読後感もとても良く爽やかな気持ちになれました。

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2021年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごいタイトルだな、というのが初めの印象。
ただ、読んでいくにつれて惹き込まれて泣きながら一気に読んでしまった。

主人公の佐藤晃が二回目の高校三年生として教室にいくところから本編は始まる。
晃が二回目の高校三年生を送ることになったのは、昔付き合っていた砂羽のお見舞いに通い続け、出席日数が足りなくなったから。そしてその砂羽はもうこの世にはいない。
クラスの輪に入れず浮いた3人と、4人でクラスに対抗する同盟を組み、モンキーズというバンドを組む。

晃の過去は、モンキーズとしての活動が進んでいくにつれて少しずつモノローグの形で明らかになっていく。
砂羽の死への恐怖、晃の生きることへの執着が自覚なしに薄れていく描写が読んでいて苦しくなる。
柿ケ原はよくクラスに1人いる”いい子ちゃん”で晃たちと敵対するような存在かと思いきや、最後にはモンキーズを助けてくれる。そしてその理由が”流れに逆らう覚悟を持つきみたちを邪魔させたくなかった”であり、とても明確で読者としても納得できた。

一点だけ、晃と御堂はいい感じになるが、砂羽を亡くしてあれだけ苦しんでいたのに次に行くのが早くないか…?とは思った。もちろん1年は経っているという話ではあるが、そこだけ少し疑問。
和久井もなんとなく憎めないキャラで応援したくなる。

第三章で、砂羽からの手紙が明確になっていく。恋人を亡くしても学校にこれていたり、初めて話しかけた白波瀬とちゃんと会話していたのは砂羽との約束だったから、というのがわかった時は思わず読み返してしまった。
そして親友の砂羽が亡くなっても飄々と日々過ごしていたように見えた藤田だが、彼女自身も本当は深く傷ついていたことが最後の手紙の描写でとても伝わった。

何より、ご両親や砂羽の親御さん、そして小菅さんという素敵なしっかりした大人が周りにいて晃は本当によかったと思う。

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

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Nobody dies a virgin… Life f*cks us all
タイトルがとっつき難い。でも感動の青春ストーリー。
ニルヴァーナですか、CDパッケージしか出てこない。詳しくないです、すみません。

死んでも愛した人を支える、なぜならその人も愛し支えてくれたから。でも死んでいるので、支えるには生きている人を使うしかない。愛される人には、よき出会いがあり、その人たちからも愛される。

タダでは死なんぞ、死んでも嫌がらせしたるで、みたいな訳ですかね。

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2021年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新潮文庫nex、「ラノベですか?珍しい!」
と思わず言ってしまった。「読んでみて」と貸してくれたのは50代の上司。

何やら彼女が亡くなる話で…
主人公・佐藤晃(あきら)は彼女・砂羽(さわ)が亡くなるまで高校を休学して側にいる…
しんみりと悲しい話は苦手だなぁと思いながら読み進めた。

ただ、特徴的なこのタイトル。
27歳で自殺したニルヴァーナのギターヴォーカル、カート・コバーンの名言の一つである。
晃も砂羽もバンドを組んでいたこともあり、カート・コバーンは神のような存在。
二人の間に同じバンド仲間だった藤田有紀がいて、現実主義で私は個人的に好きだった。
最後にも出てくるが「死人は無敵」という言葉。カート・コバーンも砂羽も早く亡くなるから生きている人たちには神格化される。
つまり遺した言葉も名言と言われ続けるのだろう。
ただ作者の葵遼太さんは砂羽を神格化して終わらせなかった、そこがポイント。

話は砂羽の死後、晃が復学してからのことも同時に語られ、晃と砂羽が病室にいて聞こえてきた謎の歌声(レッド・ツェッペリンの「天国への階段」を歌っていた)の正体が判明する。…そこはニルヴァーナの曲じゃないんかい!!と思ったけど。

砂羽は亡くなり時間は止まるが晃の時間は動く。そこで新しく知り合う仲間。
白波瀬、御堂、和久井。
四人でバンドを組む。
もう楽しいこともないんだろうと思っていた晃の青春が再び動き出す。

そこで御堂の歌声にピンとくる晃。
個人的によかったのは美人で華がありいかにもヒロイン風の白波瀬がその役ではなかったこと。御堂ちゃんがスポットライトを浴びたというところがよかった。
遺された人たち、生き続ける人たちが罪悪感を持たずに光を見つけて生きていけること。
それをもたらすのは新しい出会いでもあるとこうこと。

カート・コバーンの名言の一つ「他の誰かになりたがることは自分らしさの無駄遣い」

解釈は個人的な私の勝手なものだけど…
亡くなった砂羽は晃にとって神格化されてずっと忘れられない憧れの存在になりうるけれど、御堂ちゃんは御堂ちゃんのままでいて欲しい。それは砂羽の願いなのかも知れないと思った。
亡くなった後のことまで考えていた砂羽の愛を感じた。

レビューを読むと中高年男性が特にグッときている物語なよう。上司世代の心を掴んでる。ピュアな気持ちはいくつになっても蘇るのね。

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2020年07月20日

Posted by ブクログ

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大切な人が死ぬ・主人公が死ぬストーリーは好きではないけど、それがラストでお涙頂戴で終わる流れでなくてよかった。

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2020年07月04日

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