あらすじ
【内容紹介】
インドを理解する最高の教科書。
グルチャラン・ダス。インドの作家、戯曲家、歴史家、哲学者、教育者でありハーバード大卒のビジネスマン。「インドの福澤諭吉」と呼ばれる氏が今後のインド人との働き方、稼ぎ方、付き合い方を明かす。
1983年にインドに進出したスズキ。現在のシェアは50%となり、インド国民13・5億人の乗るクルマの半分はスズキ車になっている。その「インドシフト」で独走するスズキの“カリスマ”も納得のインド入門の教科書の内容とは?
【著者紹介】
[著]グルチャラン・ダス(Gurcharan Das)
著述家、経営コンサルタント(特に企業のグローバル戦略)。「タイムズ・オブ・インディア」に定期的にコラムを執筆。「ウォールストリート・ジャーナル」、「フィナンシャル・タイムズ」などに随時寄稿する世界知識人の一人。ハーバード大学哲学・政治学科卒業、ハーバード・ビジネス・スクールで学ぶ。リチャードソン・ヒンドスタンの会長兼最高経営責任者(CEO)、プロクター&ギャンブル(P&G)インディアのCEO、P&G本部の経営幹部(戦略企画担当)を務めた。小説『A Fine Family』(ペンギン)、劇作集『Three English Plays』(オックスフォード大学出版局)、エッセー集『The Elephant Paradigm』(ペンギン)などがある。ニューデリー在住。
[取材・構成]野地秩嘉(Tsuneyoshi Noji)
1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュをはじめ、ビジネス、食や美術、海外文化などの分野で活躍中。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。『キャンティ物語』『サービスの達人たち』『企画書は1行』『なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか?』『高倉健インタヴューズ』『高倉健ラストインタヴューズ』『トヨタ物語』『トヨタ現場のオヤジたち』『スバル ヒコーキ野郎が作ったクルマ』ほか著書多数。
【目次抜粋】
巻頭解説 インド人の心は変わらない 鈴木修
第一章 私にとってのインド
第二章 インドはこんな国
第三章 インドの経済改革
第四章 カーストの意味と役割
第五章 日本人とインド人
第六章 インドで成功する日本企業
第七章 インドの日本人ビジネスマン
第八章 これからの日本とインド
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Posted by ブクログ
本を開くと、スズキの鈴木社長のアップされた写真に驚かされる
インドにもっとも近い日本人は、”マルチスズキ”の鈴木修社長ですと読者にわからせてくれる
気になったことは以下です。
■鈴木社長のことば
インド人に限らず人間の心はどこへいっても変わらない 変わったのは風習であり、慣習だ
スズキは薄利多売でインド産業の技術力のレベルアップに尽くしてくれている やっと理解してもらえた
インド人もストライキをしたり暴動をしたりしましたけれど、これもまた、「はしか」だった。
当事者として入っていって、言うことは言って仕事をしたからでしょう。分け隔てはしたことがない。
モディさんは経済改革をやってインドを発展させた人で、苦労人ですよ。
インド人の心をひとつにして、インド人が豊かな生活を送ることを願って働いているのが彼です。
■三島由紀夫のことば
高度成長のスピードが速すぎたために、日本人は伝統と精神性を失ってしまった と嘆いていた
■インドとは
インドにはベジタリアンが多い
動物、食肉を扱うところはほとんどないのです
インドの憲法では正式な国名はバーラト共和国、バラタ族の国という意味です。
カースト制度はあります。ただ四つのカーストだけではなく、ジャーティと呼ばれる職業別、移民集団などのサブカーストが2000以上もあります。各コミッティは、ゴトラという家系図で記録されています。
米の生産は中国に次いで世界二位で、食料に輸出国でもあります。
インドの南東部では石油がでます。エネルギー消費の18%は国内算出の石油でまかなっています。
(21世紀の前半には)飢饉はなくなり、国家は穀物の備蓄ができるようになりました。平均寿命は独立前の30歳から、64歳に伸びましたし、乳幼児の死亡率は半減しました。
■インドの明治維新
IT産業を中心にインドにはニューマネーが登場した。規制緩和とデジタライゼーショーン、アドハーシステムが導入されて、給付、還付もオンラインとなった。
インドは、固有識別番号庁を創始し、アドハーを導入した
アドハーとは、指・顔・虹彩認証のマイナンバーシステムであり、5歳以上の国民はほぼ全員が登録しています。
戸籍のないインドではアドハーが戸籍であり、福祉金、補助金給付のための銀行口座になっていて、第三者が介在する余地がないため、汚職防止につながっている。
インドもまた消費税を導入していて、その種類は5種類
■モディの評価
モディがグジャラート州に導入した施策は ①インフラ整備 ②外資受け入れ ③デジタライゼーションでの州の経済成長
与党インド人民党(BJP)は、ヒンドゥ教徒寄り。これはちょっと気になる
インドの新制度 アカウントアグリゲータ これは個人の資産情報をクラウドに保管して必要に応じて参照可能とするもの
金融コングロマリット DMI コンシューマクレジット、企業向け融資、住宅ローン、投資、資産運用、債権回収などの業務執行ライセンスを伴う、金融コングロマリットサービス
インドは、キャッシュレス社会をめざすことを宣言している
インドの貸し出し金利は、平均3~4%
2030年以降は、車はすべて電気自動車とすることをすでに発表している
水力発電のおかげで、インド全体では電力は供給過剰、パキスタン、ネパール、バングラディッシュ、スリランカへ余剰電力を売電している
インドにおける貧困の原因は、分配の問題と言われている
■カースト
カーストはあくまでヒンドゥー教徒のみが対象、イスラム教、シーク教、キリスト教などには適用されない
カーストは4種+2種 バラモン、クシャトリア、バイシャ、シュードラとその下部の バイシャ、シュードラ
カーストは憲法で禁止されて、また、IT産業の普及に従って職業でも過去のものになりつつある
商人のサブカースト、ジャーティでは、若いうちは数学、会計、経理、財務を学び、18歳になった独立すべし
インドの3大財閥 タタ、ビルラ、ダルミア。タタはゾロアスター系のパルシーに属していて、ビルラとダルミアは、マルワリに属している
■日本人
日本のビジネスマンには冒険心がない
日本人は楽なところが好き
日系企業は、マルチスズキぐらい。ユニクロも無印もたかいから、関心をもたれていない
■成功するための五か条
①顧客のために一生懸命働くこと
②取引先をフェアに扱う
③従業員を尊敬する
④法律を守る
⑤地域社会に貢献する
■結論:幸せの定義
①愛する人がいること
②好きな人や親しい友達が近くにいること
③好きな仕事に就くこと
もくじ
巻頭解説 鈴木 修
はじめに
第1章 私にとってのインド
第2章 インドはこんな国
第3章 インドの経済改革
第4章 カーストの意味と役割
第5章 日本人とインド人
第6章 インドで成功する日本企業
第7章 インドの日本人ビジネス
第8章 これからの日本とインド
おわりに
ISBN:9784833423632
出版社:プレジデント社
判型:4-6
ページ数:194ページ
定価:1600円(本体)
発売日:2020年05月1日
Posted by ブクログ
インドについてアップデート。カースト制度の現状、ジャーティーという移民集団、職業別、地域別のコミュニティが発達してることを知った。ITが強い、今後も伸びていくと理由も改めて理解した。
GDPの半分はサービス業で、これかはサービス業で拡大していく。貧困ゆえに、金融サービスにアクセス出来ない人人々の課題を解決するサービスが伸びていくだろう。
インドに対しての日本人ビジネスマンや企業に対してはとても悲観的。本当は上手くやっていけるという感じ。
インド経済の成長に恩恵をえられる日本企業は今のところスズキぐらいに思える。ソフトバンクにも期待。