【感想・ネタバレ】「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都のレビュー

あらすじ

平安京=京都ではない!
清水寺、知恩院、三十三間堂、祇園、東山、鴨川……いずれも平安京の外だった。
では、今の「京都」の原型をつくったのは一体誰なのか。
壮絶な権力闘争と土地開発の知られざる物語を気鋭の歴史学者が読み解く。

【これを読めば「京都」通になれる】
●武装した強盗集団に狙われ続けた平安京
●平安京には寺を作ってはいけないルールがあった
●廷臣の邸宅を次々と移り住む天皇
●貴族も庶民も楽しんだ「晒し首」パレード
●勝手に戦争して顰蹙を買った源氏
●都のど真ん中で起こった殺し合い「保元の乱と平治の乱」
●京都駅周辺を開発したのは平家だった

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「武士の起源を解きあかす」や「平安京はいらなかった」を読んでいなかったら本書にはついていけなかったぐらい独特の視点でご自身の説を言い切るので「小気味よい」けど「本当かなぁ」と一抹の不安を覚える(失礼)
平治の乱で崇徳上皇がクーデターを企んだのではなく、後白河上皇が軍勢を集めたが故の不安から対抗して軍勢を集め、当時近衛天皇呪詛を疑われていた最悪の頼長と合流したために日本最大の悪霊になってしまった
白河院の時代から強訴=嗷訴への対抗として武力を天皇(上皇)が指揮して比叡山等を相手に武力排除する習慣が政治に寄らない武士を使った政争という背景も理解した
「京都の誕生」とは律令を楯に見えと虚構で張りぼてした都(四分の三は未使用)を使い勝手良くする為と京中仏閣禁止令の為に寺を建立する時「平安京」をはみ出した所へ、最初は道長の法勝寺に習い重要な建物が建てられる
①白川院の法勝寺周辺の仏教空間開発
②白河天皇時代からの鳥羽開発は遷都の様な大移動
③平正盛~清盛による白河仏閣へ近接する六波羅開発
と鴨川の東に飛び出た新興エリアを含めた『京都』はまさに武士が造った戦乱の都である

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2024年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
はじめに  平安京が「京都」に転生する時
第1章   武士に依存する平安京と朝廷の治安~「獄門」と凱旋パレード
第2章   「京都」誕生と「天下」の謎~秩序の平安京+君臨の鳥羽+極楽往生の白河
第3章   武士代表となる平氏~京都と院政に融合した新種の実像と虚像
第4章   京都と天皇を呪う嗷訴、守る武士~院政が生んだ反逆者と守護者
第5章   破局する京都と保元・平治の乱~武士が都を蹂躙する「武者の世」
第6章   六波羅と法住寺殿の大規模開発~後白河院・平家の二人三脚と京都拡充
第7章   平家の新都市域「八条」の開発~京都が最初の完成を迎える時
第8章   ”殿下の乗合”事件~京都の生活を支配する武士の論理
おわりに  平家が完成させ平家が破滅させた都

<内容>
一般書ということで論理は若干荒いか?「京都」の話というよりも、「武士」の院政期発展史。源氏から平氏へと武士の中心が変わっていく過程と白河・鳥羽の院政のカラクリ。平安時代後期の歴史ととらえてもよい。

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2020年04月10日

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