あらすじ
心の奥の「もう一人の自分」と対話する時、
直観と論理が融合した“最高の思考力”が生まれる。
あなたは自分の中に
「天才」がいることに気がついているか?
・・・
物事を論理的に考え、考え、考え抜いていくとき、
突如、直観が閃くということがしばしば起こる。
逆に、直観的に閃いたことであっても、その現実性を論理的に
検証していくということは不可欠であり、また、組織内で合意を得るためにも、
その直観を論理に落として説明できることも極めて重要な能力である。
筆者は、永年、様々な「思考のプロフェッショナル」を
見てきたが、実は、彼等は、「論理思考」にも「直観思考」にも強く、
その中間にある様々な思考法にも熟達し、
それらを混然一体として縦横に駆使しながら、思考を深めていた。
はたして、どうすれば「深く考える」ことができるのか。
いかにして直観力を身につければいいのか。
「考えが浅い」「勘が悪い」とは、いったいどういうことなのか。
すべてのビジネスパーソンに捧ぐ、思索の極意。
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【本書の主な内容】
■第1部 深く考えるための「七つの思考法」
・問題の「循環構造」を俯瞰しながら考える
・問題の「矛盾」を解決しようとしないで考える
・橋のデザインを考えるのではなく、橋の渡り方を考える
・専門知識で考えるのではなく、専門知識を横断して考える
・本で読んだ知識ではなく、体験から掴んだ智恵で考える
・自分の中に複数の人格を育て、人格を切り替えながら考える
・心の奥の「賢明なもう一人の自分」と対話しながら考える
■第2部「賢明なもう一人の自分」と対話する「七つの技法」
・まず、一度、自分の考えを「文章」に書き出してみる
・心の奥の「賢明なもう一人の自分」に「問い」を投げかける
・徹底的に考え抜いた後、一度、その「問い」を忘れる
・意図的に「賢明なもう一人の自分」を追い詰める
・ときに「賢明なもう一人の自分」と禅問答をする
・一つの「格言」を、一冊の「本」のように読む
・思索的なエッセイを「視点の転換」に注目して読む
■第3部「賢明なもう一人の自分」が現れる「七つの身体的技法」
・呼吸と整え、深い呼吸を行う
・音楽の不思議な力を活用する
・群衆の中の孤独に身を置く
・自然の浄化力の中に身を浸す
・思索のためだけに散策をする
・瞑想が自然に起こるのを待つ
・全てを託するという心境で祈る
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Posted by ブクログ
「思考のプロフェッショナル」になりたく、この本を手に取った。結論、自分が実践していることに筆者の思考法と共通するものもあり、改めて自分の思考法を見直すことができてよかった。時間を置いて再度読みたい。
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下記、2, 3, 5は自分も実践しており、中でも音楽を聴きながら散歩をするという動作は日々のルーティンでもある。
【「賢明なもう1人の自分」を呼び出す7つの方法】
- 1. 呼吸を整え、深い呼吸を行う
- 2. 音楽の不思議な力を活用する
- 3. 群衆の中の孤独に身を置く
- 4. 自然の浄化力の中に身を浸す
- 5. 思索のためだけに散策をする
- 6. 瞑想が自然に起こるのを待つ
- 7. 全てを託するという心境で祈る
Posted by ブクログ
田坂氏による思考の本。さすが。
メモ
・7つの思考法
循環論理
対立止揚
課題回帰
水平知性
体験知性
多重人格
自己対話
・循環論理の思考法
直線論理で考えるのではなく、循環論理で考える。
解決困難な問題の多くは循環構造。すなわち悪循環構造が生まれている。
循環構造への対処法
まず問題の循環構造を発見する。
循環構造の全体に働きかける
循環構造のツボを見出し、そこに働きかける
・対立止揚の思考法
矛盾を解決しようとしない。
二項対立で考えない。
・課題回帰の思考法
橋のデザインでなく川の渡り方を考える
・水平知性の思考法
専門知識でなく、専門知識を横断して考える
・深く大きな問いは磁石となって必要な知識を引き寄せる
・答えを希求しながら本を読むと必要な箇所が光る
・わかりやすい言葉にこだわると本質が掴める
・体験知性の思考法
本で読んだ知識ではなく体験から掴んだ智慧で考える
・相手の気持ちになって考えられない二つの理由
我々の心の中のエゴの強さ
我々自身が持つ経験の不足
・自己対話の思考法
心の奥の賢明なもう一人の自分と対話しながら考える。
・天才と呼ばれる人の多くは、自分の仕事や作品が大いなる何かとつながることによって、導かれるように生まれてきたという感覚を持っている。それが自己限定しないことにつながる。全能感につながる。
・賢明なもう一人の自分と対話する技法
まず、一度自分の考えを文章に書き出してみる
心の奥の賢明なもう一人の自分に問いを投げかける
徹底的に考え抜いた後、一度その問いを忘れる
意図的に賢明なもう一人の自分を追い詰める
時に賢明なもう一人の自分と禅問答をする
一つの格言を一冊の本のように読む
思索的なエッセイを視点の転換に注目して読む
・賢明なもう一人の自分が現れる7つの身体的技法
呼吸を整え、深い呼吸を行う
音楽の不思議な力を活用する
群衆の中の孤独に身を置く
自然の浄化力の中に身を浸す
思索のためだけに散策をする
瞑想が自然に起こるのを待つ
全てを託するという心境で祈る
Posted by ブクログ
企画だけでなく、日々壁にぶつかるのが当たり前の人生。
自分自身も神が舞い降りる時がたまにあるが、それが何なのか、またなぜ壁の辛さを感じるのか、そして如何に脱却するのかなどなど、いろいろな糸口を示してくれる内容で、少しアタマが楽になった。
直観を大切にこれからも進もう
Posted by ブクログ
①直線論理だけで考えない
・直線論理の思考には、しばしば、立場による主観的な利害判断が混入し、恣意的に因果関係が主張される
②二項対立構造で考えない
③個別問題だけを考えない
④狭い視野の中で考えない
⑤文献知識だけで考えない
⑥自己視点だけで考えない
⑦直観の力を用いて考える
・論理的思考はAIに置き換わる
・筆者は何を伝えたいか?→この専門知識は私の深く大きな問いにどのように貢献するか?
・多重人格を育てる
・①思想②ビジョン③志④戦略⑤戦術⑥技術⑦人間力
・自己限定の意識を持たない
「自分の可能性を信じる」のように、自分と他人を分けている限りでは比較優劣の意識が生まれ、自己限定の意識からは逃れられない
誰にでも同じように才能があると知ること
・自然によって、心が癒される=エゴが鎮まり賢明な自分が現れやすい状態