【感想・ネタバレ】行動経済学の使い方のレビュー

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Posted by ブクログ

経済学の知見を実社会に応用しようとしたら、かなりの場面で生活者の慣習と衝突したり、利害に影響を与えるので政治的決着を求められ玉虫色的になることが多い。

行動経済学は政府や生産者側が消費者側(必ずしも一方的では無いだろうが政府、生産者側からのアプローチが多いだろうと思う)にこちらの意図に沿った行動を促すための知恵を与え、上記の問題の有効な解決方法を与えてくれる。

それは厚生の向上へのコストを削減して社会全体の効用をあげることが出来るのだろうが、パレート改善に至るまでの調整過程に、人間行動の面白さを感じることができるとしたら、そこも法則が発見され理論化されていくと何か味気ないような気がする。

また権力にとっては非常に有効な武器になり得るので、市民が操作された民主主義へと移行するのではないかと一抹の不安を感じる。

ただネガティブなことを言っても仕方がない。行動経済学は制約がある資源を有効に利用、配分方法を思考すると言う経済学の理念に沿っていると思う。

消費者側からもこの理論を熟知する必要があるだろう。社会が我々にどう行動させようと動機付しているのかを理解することは政府や生産者側にとって必ずしも都合が悪い訳では無い。誠実なコミュニケーションを発生するきっかけを与え、市民社会の熟成が期待できるからだ。

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2024年06月16日

Posted by ブクログ

話題になって久しい行動経済学。何冊かこのジャンルの本は読ませていただいていますが、今回は新書にて。
新書ならではの分かりやすさが、私にとってはとてもありがたかったです。
第2章のナッジに関する記述と、第7章の医療・健康活動への応用が私にとっては特に有用な内容でした。
一連のコロナ騒動においても、おそらく随所で行動経済学の知見が取り入れられているのでしょうね。
巻末の「文献解題」が充実しており、さすが学者の方だなぁと。
付箋は24枚付きました。

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2020年07月05日

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行動経済学的知見を使って人々の行動をよりよいものに誘導しようという考え方である「ナッジ」の優れた入門書。
「バイトのシフトをどう入れるのが効率的か」、「無断キャンセルを減らすためにどのようなナッジがあるか」、「目標と行動のギャップを埋めるためにはどうすればよいか」、「臓器提供の意思表示を促すにはどんなメッセージが有効か」など、実証研究の成果に基づく豊富な事例が紹介されていて、非常に興味深かった。政策的含意に満ちた良書である。

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2020年06月02日

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行動経済学の簡単な説明と、仕事や健康や日々の生活でナッジをどのように作るかを教えてくれている本。様々な実験や研究の例を示しながら説明してくれている。言い回しが少し難しく感じる箇所もあったが全体的に面白く、実際に生活の中で使ってみようと思った。

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2023年10月30日

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大学の講義のために購入。
最初は課題として読んでいたが、読んでいくうちに行動経済学の面白さに気づくことができて楽しく読むことができた。
何気ない行動も意思と密接に関わっていることがわかった

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2022年12月16日

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自主ゼミで勧められたので購入。行動経済学って何ぞやを知るにはいい本の一つだと思います。他にも何冊かあるのでもう少し勉強して比較できたらなあと思います。

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2022年04月11日

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人間は自分達が思うほど合理的に判断を下せるわけではない。文脈や、基準点や、状況をナッジ(軽く肘でつつくという意味らしい)すれば、喫煙、がん検診、災害避難、スポーツetc...数%人々の行動をずらし、変えることが可能である。
相撲の勝ち越しとか、最近の政府広報の言い回しとか、なんとなくそんな気はしていたけど、改めて調査され、データで示されると面白いし、ほんの少し怖さもある。これを知っていると違和感に気づいて立ち止まって考えるし、自分で「参照点」を作らず最善を尽くして行こうと思える気がするので、読んで良かったです。

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2022年04月10日

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行動経済学の本を手にとってはことごとく挫折してきた私にとってはとてもありがたい存在。

非常にわかりやすく書かれており入門書として最適。これを読んだあとに、アリエリーやカーネマンに再度トライする気持ちにさせてくれた。

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2021年12月26日

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私は行動経済学に基づくナッジ理論を用いて人々の行動変容によって健康状態を改善させるスタートアップ企業で働いているので、もとより行動経済学には触れているものの、一通りの書籍には目を通すようにしている。そうした日本語で書かれた書籍の中で、もっとも分かりやすさ・実践性に富む示唆を与えてくれるのがこの著者、大竹氏であると感じている。

本作は新書という極めてコンパクトな中に、行動経済学を実務で応用するためのエッセンスが詰まっている良書である。良い点として、
・行動経済学はなかなか理論的な全体像/ユニバースを把握するのが難しい中で、そのベースにある人間心理のバグを4つに整理して示している(1.プロスペクト理論、2.現在バイアス、3.互恵性と利他性、4.ヒューリスティクス)
・実際に行動経済学を実務に応用する際には、望ましい行動が取られていない原因が何かによって、その打ち手を変える必要が当然ながらある。そうした典型的な原因のパターンと代表的な打ち手が整理されている
が挙げられる。

コンパクトなので、手元に置いておくと便利な本でもあり、私自身も常に手に届くところに置いておくようにしている。

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2021年10月03日

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ネタバレ

表現1つで人のやる気を左右する。
良い方に誘導したいと思いつつ、ダークパターンとの違いについて考えさせられる。

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2021年05月01日

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人間の様々な意志決定には、伝統的な経済学からずれるというバイアスがあり、それを前提とした行動経済学が1980年代から発展してきた。
本書では、行動経済学的な特性を使い、人の意志決定をより合理的なものに近づけるため、主にナッジと呼ばれる知恵と工夫、その具体的な活用について解説する。
損失回避、現在バイアス、サンク(埋没)コスト、ヒューリスティックス(直感)、アンカリング(係留)効果、ピア(同僚)効果、デフォルト(初期値設定)そしてナッジといった専門用語がこれでもかと出てくるが、いずれも具体例が示され、分かりやすく説明されている。
公私両面で時々の判断や相手との折衝の場面で応用できればと思いながら読み進めたが、初心者ゆえ、そこまでいくにはもっと勉強する必要があると感じた。
しかし、より一層の興味が深まったのは確か、以下に記憶しておきたい知識をメモとして残しておく。
・株式の保有について、購入価格より株価が上昇すれば利益確定はできるが、株価下落の際は損切りできないという行動は損失回避効果で説明できる。
・「術後1カ月の生存率は90%です。」「術後1カ月の死亡率は10%です」という表現方法の違いで手術に踏み切る人の割合が異なるのは「フレーミング効果」
・現状を変更する方が望ましい場合でも、変更を損失と理解し現状維持を好むのが「現状維持バイアス」
・なかなかダイエットを実行できなかったり、夏休みの宿題を夏休み後半までしないといった現在の楽しみを優先し、計画を先延ばしするのが「現在バイアス」
・現在バイアスに対して、自分の将来の行動にあらかじめ目標を掲げたり制約をかけるのが、コミットメントー手段
・他人が自分に親切な行動をしてくれた場合にそれを返すという選好を互恵性という。
・思考費用がかかったり、計算能力に限界があったりすることで、ヒューリスティックスという直感的意志決定を取り入れがち
・取り戻せないサンクコスト(埋没費用)を回収しようと不合理な意志決定をすることがある
・最初に与えられた数字を参照点として無意識に用いてしまい、その数字に意志決定が左右されるアンカリング(係留)効果
・デフォルト(初期値設定)が大事という事例としては臓器移植に関して日本のように「提供しない」がデフォルトになっている国は「提供する」がデフォルトになっているフランスのような国に比べ提供の意思表示割合は低いということがあげられる。また、千葉市では育休を取得する際にその理由を申請させていた制度を育休取得をデフォルトにして育休を取得しない場合にその理由を申請させる制度に変更することで、育休取得率が大幅に向上した。
・健康活動は、行動経済学的なバイアスが発生しやすい分野。たとえば、デフォルトで接種日が決められていた場合の方がワクチンの接種率が高い。ただし、接種希望者が日時を選んで予約する場合は、コミットメントがより強いため、予約変更の通知をしないで接種日に来ないというようなことは少ない。
・ナッジとして公共政策に効果があるのは、多数派の行動を社会規範として示し、それから乖離している人を少数派として意識させるメッセージ
医療の現場における患者の意志決定や防災の知識や避難場所についての教育を生かした防災行動に関し、いざという時、なかなか冷静な判断ができないのが人間。その人間の特性を踏まえた上で世の中の仕組みを
考えるべきだというのが、本書の肝。

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2021年04月15日

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誰でも読めるとっつきやすい書き方で、モデルも併せて理解を促してくれました。社会に出る前に知っておきたい内容について理解を深められました。

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2021年04月05日

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実用例が豊富でわかりやすかったが政治経済に関する知識を持っていないと難しい内容もあった。読んだ後、ものの見方が変わった。今後情報提供者になったときにはこのナッジと呼ばれるテクニックを活用していきたい。

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2021年03月07日

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行動経済学、ナッジの実用場面が簡潔にまとめてある。
他の参考書籍を読んでからだととても繋がりやすいし、コンパクトなので参照しやすいと思う。
ここから入ってもいいけれど、どちらかというとまとめの本かなぁ、という感じ。

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2020年10月16日

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とても学術的。理解するのに頭を使う。以前、行動経済学の本である「ヘンテコノミクス」を読んでいたので、何とか理解できた。文字数が多いので当たり前だが、ヘンテコノミクスより例が多い。

初めて知ったものとしては、締め切りを細かく設定することで、現在バイアスから発生する先延ばしを防ぐ効果。

例えば、学生にタイプミスを訂正する課題を与え、
①3週間後に3枚すべてを提出
②1週間ごとに1枚ずつ提出
③締め切りを自分で設定
という3グループに分けた。

最もミスが少なく、締め切りからの遅れもなかったのは、②のグループ。次に良かったのは③。成績が最も悪かったのは①。

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2021年03月03日

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著者が又吉直樹のヘウレーカ!に出演しているのを観て行動経済学に興味を持ち購入。
特に面白かった部分は
自信過剰の男女差(文化や教育によって形成)、
リスク愛好家、
賢明な人・単純な人、
意思決定に思考費用がかかる、
平均への回帰、
長時間労働は職場で感染してしまう
といったところ。

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2020年06月19日

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行動経済学的に人間がとると予想される選択と、相手の行動を変えるためのナッジという概念は面白かった。

大衆に対するナッジと個人に対するナッジがあると思うんだけど、実際僕らが使えるのは後者で、それは"参照点"を変えて選択させるというのが良さそうだなと感じた。

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2020年05月25日

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初めての行動経済学として選んだこの本。
初心者でも読みやすく、専門用語の解説も十分であったと思う。そして言葉1つで人の行動が変化するのは不思議だなと感じ、考えさせられた。

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2020年05月24日

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プロスペクト理論=確実性効果と損失回避。
フレーミング効果。保有効果。現在バイアス=先延ばし行動=コミットメントの利用。
互恵性と利他性=社会的選好
ヒューリスティック=近道による意思決定、サンクコスト、意志力の枯渇、選択過剰負荷と情報過剰負荷、平均への回帰。
メンタルアカウンティング、利用可能性ヒューリスティックと代表性ヒューリスティック、アンカリング効果、極端回避性、社会規範と同調効果、プロジェクションバイアス。

ナッジ=軽く肘でつつく。ナッジは簡単で魅力的で社会規範を利用しタイムリーなものがよい。

稼げる日のほうが、労働時間は短い。バーディーパットはショートしやすい。ピア効果=同僚効果。

年功賃金の説明は、現在バイアスのために無駄遣いするから。
参照点=最初に提示された条件に引きずられる。
金銭より、モノで感謝を表されたほうが満足度が高い。
昇給は最初は満足するが、長続きしない=少しずつ昇給するほうがいい。

多数派の行動を強調すると、避けてほしい行動を減らせる。
現在パイアス=現在の決定は、易きに流れやすい。
実行計画を紙に書きだすと、コミットメントしやすい。
習慣化できるルールを作る。
デフォルトの利用。

所得税20%と消費税25%は同じ負担。消費税のほうが重く感じる。消費税のほうが課税時期が遅いので抵抗が少ない。
軽減税率は、補助金と同じ。高額所得者のほうが多く受け取る補助金。

保険が民間だけだと機能しない理由。
伝統的経済学では、情報の非対称性やモラルハザードが問題になる。
行動経済学的には、現在バイアスや損失回避が問題となる。

渡されたお金の名称の違い。払い戻しとボーナス所得では、払い戻し、のほうが貯蓄が増えた。

O型の人が献血が多いのは、同じ負担でもより貢献できる度合いが高いから。貢献度合いが多いという理由で、寄付が増える可能性がある。

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2020年05月12日

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ネタバレ

あらゆる組織と個人が、日々何かしらの意思決定を行っている。現況の緊急事態宣言下の政府や自治体、大学も(!)の意思決定は重大かつ、スピード感が求められる。本書は「人間の行動特性をふまえ、自由な選択を確保しつつ、より良い意思決定をうながし、より良い行動を引き出す」ナッジの作り方を解説している。第一章ではナッジの手段となる行動経済学の基礎知識を学べる。読んでて思った。ナッジは今の時代における必須知識でありスキルだと。

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2020年05月03日

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ナッジの活用方法を知るために読んでみた。前半は類書で見聞きした内容で、後半は仕事や医療、防災での活用事例等は参考になったが、事例の紹介に留まっており少し物足りない。アンカリング、参照点を変えることで行動を変化させる手法が印象的だった。

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2024年01月03日

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著者は経済学者でコロナ禍の時に「分科会」にも所属していた人。行動経済学の基礎を初学者向けに書いた本で、読んでいて大学一年生向けの基礎講座を受講したような気分になった。巻末に詳細な参考文献一覧があるのも嬉しい。行動経済学について学ぶ時のとっかかりとして、最適となる一冊であるように思う。

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2023年12月30日

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読もう読もうで積読でやっと読んだ本。聞いたことあることも多いけど、わかりやすく定義の説明がされてる。

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2023年04月10日

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大学の勉強内容に行動経済学があったので、興味本位で読んだ。まず、第一に感じたことは、人間の何気ない行動1つ1つ全てに、なんらかの因果関係があり、その多くは言語化が可能なことに驚いた。様々なバイアスやナッジによって人間がその行動を取るということを知った。
まだ行動経済学の基本を知っただけだが、行動経済学は様々な場面で役に立つと感じた。本の中で挙げられていた実例のように、社会の中や自分の行動を制御することに大きな可能性を感じた。
行動経済学について、少し興味が湧いた。

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2022年10月12日

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とても社会心理学的な性格を持った内容なので
人の行動原理を臨床的に検証するのに有効なのではないかと感じる

大きなポイントは
☆☆メッセージにより選択は変わる☆☆
という点だ

例えば 「消費税を上げる必要がある」と書かれた本を読んでそれだけを信じてしまうような人はいる。多様な価値観の中で、どう行動すれば より良い選択行動なのかは自分の頭で考える訓練をしてからでないと盲目的で危険なヒューリスティックの渦に巻き込まれてしまいます とでも怖いです

キーワードは ナッジ

医療への活用もあって実用性が注目されているので読んでおきたいと思って お勉強
人間の行動パターンを理解するのに、心理学と併せて理解を深めたいと考えさせられる

リチャード・セイラー の提示した

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2022年07月14日

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行動経済学におけるナッジの作り方が分かった。
ただ、文と文の繋がりが分かりづらかったり、おかしなところで改行されていたりにて、文章としては読みにくかった。

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2021年01月12日

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行動経済学2冊目。1冊目と同様、著者は大竹文雄氏。

感想。行動経済学は偉大だ。ナッジの研究はとても大事だ。私は研究結果を知り、活用をする側で十分だと思った。以前読んだ本を思い出した。

備忘録。
・従来の経済学では合理的経済人。行動経済学ではプロスペクト理論と呼ばれる考え方で、従来型の確率論がそのまま適用できない特徴あり。

・確実性効果。例えば100%もらえる3万円と、確率80%で貰える4万円は、所謂期待値で言うと後者の方が大きくなるが、確実な貰える前者を選ぶケースが多い。

・その他、損失回避、保有効果、現在バイアス(先延ばし)とかとか。


・ナッジ。行動経済学的手段を用いて、選択の自由を確保しながら、金銭的なインセンティブを用いないで、行動変容を引き起こすこと。人々の行動特性を考えてナッジを設計する。

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2020年12月14日

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経済学として活かせるかと言われると、それはまた別の能力が必要な気がするけど、心理学としてはなるほどね〜と感じる事が書いてあると思います。

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2020年09月10日

Posted by ブクログ

ナッジについて知りたいと思って読んだ。本書は行動経済学の考え方やその応用ともいえるナッジについて簡潔に書かれているが、元々の行動経済学の考え方がそう単純ではないためか、必ずしも各概念・要素が頭に残らず、また、自分でナッジを考えるのも難しそうという印象が残った。
他方、様々な経済事象に対する伝統的経済学の考え方と行動経済学の見方の対比は中々面白くて、人間の非合理性とか、合理的経済人を前提とする伝統的経済学の限界なども見えてくる。
それにしても、こういう人間行動の非合理性が心理学や社会学ではなく、経済学から出てくるのが不思議でもある。

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2020年05月24日

Posted by ブクログ

行動経済学の観点で行動を促すナッジを我々の生活の中に応用する視点を提供する。今までに見たこともないような突拍子もないアイデアではなく、実験による裏付けのある実践的な例が示される。

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2020年04月26日

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