【感想・ネタバレ】ひきこもれ~ひとりの時間をもつということのレビュー

あらすじ

「一人でこもって誰とも顔を合わせずに長い時間を過ごす。『分断されない、ひとまとまりの時間』をもつことが必要なのだとぼくは思います。一人でこもって過ごす時間こそが『価値』を生むからです」
「『孤独』ということを、どこまで自分の中に呑み込んで、つきつめていけるか。その上で、どこまで風通しよく生きていけるか。それを目指していこう」
“思想界の巨人”が普段着のことばで語る、もうひとつの社会とのかかわり方。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ひとりの時間をもつということは実は大事なことなんだ、
と吉本隆明さんが平易な言葉で語ってくれた本。

ひきこもっていることを悪いことだとみなして、
そういった人を表に無理にひっぱりだそうとする行いを、
たとえば吉本さんはテレビで見たといいます。
それは、スーパーの店長がひきこもり傾向の人々を集めて、
その気質を矯正しようとする行いでした。
そして番組では、それを善いことだ、とする文脈で語っていたそうで。
著者はそれは違うよ、と丁寧に、中学生でもわかるような言葉で語ってくれます。
「分断されない、まとまったひとりの時間をもたないと、人は何者にもなれない」
というところから始まって、
不登校について、いじめについて、死について、自分の引きこもり気質について、
世間の風潮についてまで、おしゃべりの感覚で語ってくれています
(本書は口述を録音編集してテキスト化したものか口述執筆だったようです)。

また、生まれてから1年くらいまでの間の経験、
それは母親が健康で安定しているかどうかで、
そのひとがいじめっ子になったりいじめられっ子になったりする理由となる
心の傷を持つかが決まってくるという持論を述べておられます。
なんとなく理屈もわかって、なるほど、そうなのかな、と思って読みましたが、
そういった傷のせいで、最悪の場合には自殺してしまうことにもなるそうです。
親の心が不安定なせいで、それに暗に影響を受けて、親の代理死という意味で
自殺してしまうということでした。
著者は、そこで、三島由紀夫や太宰治を例に挙げていました。

ひきこもりの気質であっても、社会とかかわりを持たないで隔絶されたまま
ずっと生きていこうなどとは言っていません。
そういった気質であっても、社会とはかかわれると説明しています。

右ならえの価値観というか、
一つの方向性の一つの見方しか認めないというような
気持ちの持ち方をしている人って多いなと思うのです。
ともすれば、僕だってそうならないためにいろいろ考えたりもしているのですが、
盲点だったりするものもあって、なかなかうまく解きほぐして考えられなかったりもする。
そこに異を唱えてくれる吉本さんの発するような言葉はありがたいなと思います。

吉本さんは亡くなられても残された言葉たちが今も生き生きとしています。
また、彼の他の本も読んでみたいですね。

1
2015年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世間では、ひきこもりって響きは、マイナスのイメージばかり。
でも、吉本隆明さんは、かなり肯定的に捉えている。

ひきこもりの人は、明るくて社交的ではないかわりに、考えること、感じて自分で内密にふくらませることに関しては、人より余計にやっているのです。それは、毎日毎日、価値を生んでいるということなのです。

う~ん。深い。確かに、自分の考えや思考を深めたかったら、どっぷりと1人になる時間って必要。人生の一時期、どっぷりと「人生」とか「社会」とか、「自分」と向き合ってぶつぶつ考える時間って必要だよなあって最近思う。
”きのこ”の時間。大切にしたい。

1
2012年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

絶賛社会生活に馴染めず引きこもっている今、たまたま見つけて即購入。

自分にとっての人生の価値を見つめ直している、そんな時期なんだろうなと少し納得できた。

個人的に
一般社会の中で不登校的な生き方を貫くことが大事、という言葉がとても気に入っている。

嫌でも社会や人とは関わらざるを得ないので、自分なりの関わり方を模索しようと思えるきっかけになりました。

0
2021年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ぐっとくる言葉もあれば、けっきょく何をおっしゃりたいのか…?
という部分もチラホラ。
読む前の期待が多過ぎたのだろうか…

0
2012年08月15日

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