【感想・ネタバレ】セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方のレビュー

あらすじ

□アマゾン、ツイッター、セールスフォース、マイクロソフト、SAPも実践!
■世界最先端! 勝てる営業組織の「持続可能な人材育成」の仕組み
□構築手順、企業規模別の進め方もわかりやすく解説!
■Sansan、NTTコミュニケーションズ、セールスフォース・ドットコムの事例も紹介!

本書は、営業に関わる全ての方々に向けて、次のような悩みを解決する一冊です。

・なぜ営業能力の差は縮まらないのだろう?
・やっぱり育成は「OJTだけ」だと、成果にバラツキがある。
・どうしてもエース営業に頼ってしまう。
・せっかくトレーニングや研修を実施しているのに、効果を把握・検証できていない。
・どうしたら新人営業は即戦力になるのだろう?
・さらには人事部やマーケティング部とどうすれば効果的な連携がとれるのだろう?

大半の日本企業の営業組織では「育成は現場任せ」「営業部員全体の底上げができず、いつまで経っても一部の“できる人間”に頼りっぱなし」という状況が続いています。

どの会社も営業の数字を上げることに注力しているはずなのに、そのために営業に特化した体系的なトレーニングを提供する会社は少ないというのが現実です。
逆にいうと、ここを是正すれば、営業の生産性は大きく上がるでしょう。

セールス・イネーブルメントは、近年着目されている「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」です。よくあるIT 業界のバズワードではなく、組織・人材開発のアプローチといえます。

セールス・イネーブルメントを取り入れることで、
① 育成のPDCAサイクルが出現し、
② ラーニングカルチャー(学ぶ文化)が社内に醸成され、
③ 育成の投資対効果を検証できるようになり、
筋肉質な営業組織をつくることができます。

本書では、セールス・イネーブルメントに取り組みたいと考える企業が、何をどのような手順で進めればいいのか、それを進めるうえで前提として整備すべきことが何なのか、について解説していきます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自社のプロダクトが市場の需要に合致して「毎月営業を増員しないと間に合わない!」というようなプロダクト・マーケット・フィット状態の会社向けの本と言える。

それにしても、元Salesforceの方々がデータドリブンな営業組織(営業のDX、SFA、MA、インサイドセールスなど)の文脈で活躍されるのをよく見かける。本書の山下貴宏さんの他「The Model」の福田康隆さん、「Sales Is」の今井晶也さん、上島千鶴さん、茂野明彦さんらが有名。Salesforce以外にも元KEYENCEも同じ界隈で活躍されている。その内ペイパル、P&G、リクルートみたいに「ナンチャラ・マフィア」と呼ばれるかもね。

中でも本書は「The Model」「Sales Is」と並べるとSalesforceのSFAの進化を概観することができる。「営業を科学する」系譜だ。3冊ともデータドリブンな意思決定をシステマチックにしていこうという美学というか、執念がある。それでも人間が非合理である以上、どんなにシステム化しても買い手の担当者および組織も人間なのでシステムには限界があると思う。

と、これまでは思っていたが、ChatGPT以降はこの考えが変わった。売り手も買い手もAIが自動で意思決定手前まで交渉を進める未来が見えてきたからだ。

そう考えると、仮説精度を高めるシステム開発投資し続けられるSalesforceやKEYENCEなど(あるいは元社員)から「営業AIの決定版」が登場するのかもしれない。「日本企業との交渉は面倒」と考える欧米から出る可能性も高い。当然、購買業務に特化したAIも登場してくるだろう。

自分の会社としては、そんな夢のようなサービスが出た後の展開を想定しておかないといけない。

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2023年05月31日

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