あらすじ
内閣支持率の世論調査
「朝日新聞」調査)支持率38%、不支持率42%
「産経新聞」調査)支持率34.7%、不支持率56.1%
どうしてこうなる!?
調査1)回答者1万人 死刑制度廃止に賛成70%
調査2)回答者600人 死刑制度廃止に反対70%
どっちを信じる!?
市場調査、過剰広告、動員アンケート、世界大学ランキング……巷にあふれる情報に騙されるな!
「内閣支持率○○%」「顧客満足度No.1」「○○人に○人が利用」「○○ランキング第一位」……。現代人は膨大な情報に囲まれ、日々アンケート結果やランキングの数字を目にしている。しかし、そこには統計や調査手法の罠があり、真に受けると誤解するものだらけなうえ、ネット社会ではウソの言説が独り歩きしがちだ。ニュースや広告、キャンペーンなど、世の中に流布する「データに基づく話」には、どんな誤りがあるのか。実例を挙げてデータの裏にある問題点を解説し、騙されない方法を伝える。無意識にデータを過信し、「思い込み」で社会を見ないようにするための処方箋。
【目次】
まえがき
第一章 「ネット・アンケート」に潜むウソ
第二章 すべての「ランキング」は参考値
第三章 「うまい話」には裏がある
第四章 データ・リテラシーを鍛える
あとがき
参考文献
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Posted by ブクログ
本書を読んで、世の中のデータの多くは、恣意的な操作が加えられていると言っても過言ではないように感じた。
データの取り方、グラフの表示の仕方で、受け手に与える印象がだいぶ変わることが分かった。
アンケートなどもどのような人に答えてもらうかで、その割合に大きな差が出る。当たり前の話だが、阪神タイガースの上場についてのアンケートを見ると、それがものの見事に反映されていて、とても興味深かった。
デイリースポーツ、日刊スポーツ、ライブドアがそれぞれ取ったアンケート結果がある。
阪神ファンを多くの読者に持つデイリースポーツは、賛成が7%なのに対して、上場に賛意を示していた堀江氏が社長を務めていたライブドアでは、賛成が73%なのである。
このようにデータの裏側を考えなければ、歪んだ情報を信じてしまうこともあるだろう。
また、サンプリングの仕方についてはとても勉強になった。例えば、都道府県ごとにサンプルを集めてデータ化する場合は、その都道府県ごとの人口比で按分しないと偏ったデータになってしまうのだ。
データの正しい取り方を知ることも、正しい読み方をするためには必要なことだろう。
色々な角度からデータリテラシーについて解説されていてためになった。