【感想・ネタバレ】結婚滅亡~「オワ婚時代」のしあわせのカタチ~のレビュー

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Posted by ブクログ

よくあるトレンドウォッチャー的なひとのハナシで首を傾げることも多いが、著者の荒川和久氏は納得感の強い分析で信頼している。この本もデータも駆使してとても腑に落ちる解説。まずバブルや貧困など時代のムードで結婚の増減を語るメディアと違って、恋愛マニュアル雑誌やトレンディドラマ全盛のバブル時代から未婚化が増えことを示す。婚姻数が減ったのは、男女の求めるもののすれ違いとともに、お見合いや紹介のシステムが減り、約3割の「恋愛強者」約恋愛結婚が残る。そしてこの強者が約3割というのはいつの時代もほぼ変わらない(厳密に絞ればさらに少ないと思う)。
また9割が結婚願望を持つと言う調査眉唾で、二者択一の調査結果だから。結婚に前向きな20から34歳までの未婚男性はたったの4割しかいない。一方同じ年齢の女性でも5割。つまり実際結婚意欲があると言うのはその半分程度であり、この傾向も30年前から変わっていない。
「結婚教」の「ソロハラ」もいまだに多いが、より充実した活動を求めるための選択的ソロ活のひとも増えていて、それを歓迎しなかった店側もソロを歓迎するようになってきている。
しかし江戸時代を見るとソロ活も離婚もむしろ現在に近く、明治からの皆婚制度が特殊である。終わりにはこれからのコミュニティとの付き合い方が述べられている。

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2021年02月04日

Posted by ブクログ

本のタイトルはあえてショッキングな感じにしたのかな?
内容はしっかり時代や歴史に基づいたものなのに、そう捉えられない題名で残念に思う

日本の皆婚時代は明治以降の100 年だけ

子育ては家族だけでするものではない
日本は家族に頼りすぎ 

所属だけでなく接続するコミュニティでつながることが大事

勉強になりました
今こそこの様な情報が世に広められたらいいのにと思う

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ソロハラ(「結婚しないのか」「子供産まないのか」)わかるわ~。特に20代後半から30代半ばくらいまでは集中砲火されるよね。そして、ある程度の年齢になると諦めて何も言ってこなくなる(笑)でも、結婚した人子どもいる人のほうがそうでない人より偉いという見方は根強い。それも、既婚者の方が幸福度が高いという傾向になる一因かと思う。

独身者はフリーライダーで、子を産み育てていない人は社会に対して何の義務も果たしていない。独身者の老後を、既婚者である自分の子供が支えるのが許せないという声。
先週見た大河ドラマ「どうする家康」では、家康母である於大の方(おだいのかた・松嶋菜々子)が、家康の正室である瀬名(有村架純)に発破かけていたのを見て、これは政府の本音を代弁させてるよねwと思ったのは私だけではないはず。
「子どもをたくさん産みなはれ。子どもをたくさん産んで、よく働くのがいい女。産めなくなったら女の価値なし!」
瀬名は結婚してるし子供も2人いるけど、この言われよう。もう高齢者の集団自決もそうだけど、電車の中でも年寄りが子供や子連れ親子に席を譲らないといけない時代が来るのかなと思ったり。

p128「孤独に死ぬ」ことを心配するより、「孤立せず生きる」ように心がけることが大切です。
→たしかに、枕元に親族が集まってむせび泣く中死ねば、それが非孤独死なのか。。臨終の瞬間にそれほどの意味があるのか?どこまで家族だけに依存しているんだ?という筆者の主張に、たしかになとも思う。

ソロと既婚者の大きな違いは自己有能感と自己肯定感のギャップ。既婚者は自己有能感はさほど高くないが、自己肯定感は高い(大した能力はないかもだけど、自分のことは好き)。ソロはいい学校(会社)や高い給料など自己有能感がある人しか自己肯定感を感じられない。不幸度を感じやすいのは、この自己有能感と自己肯定感を同一視してしまうことに起因するのでは?
p118「有能でない自分は肯定できない」という呪縛にかかっている限り、いつまでたっても自己肯定感は上がりません。
筆者は自撮りを推奨。単純接触効果で自分の顔を見慣れる。好きになる必要はなくて、慣れればいいだけ。自分の意志で自分を肯定するわけじゃない。自己肯定できない人は、自己肯定を理屈でしようとするから無理がある。

高齢夫は妻唯一依存症だが、逆に妻は夫のことを頼りにも心の支えにもしていないというデータ。なんか夫、かわいそうだよな。専業主婦も多かったであろう妻や子のために社畜になって一生懸命働いてきたのに(もちろんそうでない人もいるだろうけど)。熟年離婚っていったって、夫は貯えがあったら経済的には一人で生きていけるけど、妻は?へそくり(パートやら、夫の稼ぎやら)ないと、50代60代で離婚したって、どうやって生きてくんだ。そして実際に不幸なのは、「来世ではあんたとは結婚したくない」と思われている夫じゃなくて、思ってる妻の方だよな。男見る目ないやん。好きでもない男の子供産んで育てて、何十年も無駄にして、お疲れ様っスって感じやな。と、女だが男側の目線になって考えてしまう。

北欧=子育て・介護は政府や地方自治体が担うもの
日本=家族が担うもの→夫婦共倒れの可能性

平安時代の和歌の「あう」は会うでなくて合う=性行為
かわいい=もともと「不憫・気の毒だ」という意味で、小さいもの、弱いものに手を差し伸べたくなる気持ちを表す。中世以降転じて「愛らしい」という意味になった。
恋=万葉集の当て字は「孤悲」一方的な片思い、一人片思いの相手を思って心が失われてしまうさま。
Family=もともとはラテン語のFamilia「1つの屋根の下に暮らす使用人や召使のすべて」→最終的に主人自身、親族を含めた集団
家族=明治時代以降使われるように。もともとは家(いへ=寝る戸)人間が寝る場所。
世帯=住居及び生計を共にする者の集団
household=ギリシャ語では「主人に従う妻子や奴隷」「主人の所有物の総称」
同居するだけが家族ではない。

現在の法制度では「家族になるには結婚しないといけない」という縛りが強く、多様な結婚の形を求める人たちに追いついていけていない。
例:選択的夫婦別姓、同居しない(2016映画「家族のカタチ」)、50歳以上での高齢結婚、同性婚、ポリアモリー(結婚していても互いに公認の元、別の恋人と恋愛関係)ママレードボーイ?、結婚したくないが子どもは欲しい女性、2次元キャラとの結婚

スパイト行動…事故の取り分を減らしてまで相手の取り分を余計に減らす行為。自分が不快になることは許せないし、誰かが何もしていないのにいい思いをするのも許せないというネガティブな感情。たとえ自分が損したとしても、相手を同じ目に合わせさえすればそれでいい。

これからはグラノヴェッターの「弱いつながり」が重要(いろんな本で出てくる)。
例えば本を読んで感想を書く、一人で参加できる食事会、旅先で見知らぬ人に道を聞いてみるなど。肩書や実績など「何をやってきたか」「何ができるか」ではなく「これから何をやりたいか」から話を始める。
そもそも人とのかかわりは摩擦であり、互いに傷をつけあう行為。

☆参考文献
アダムグラント『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』→既読
エーリッヒ・フロム『愛するということ』
ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか?』
『ふつうの非婚出産 シングルマザー、新しい「かぞく」を生きる』
『FACTFULNESS』
下重暁子『極上の孤独』
五木寛之『孤独のすすめ 人生後半の生き方』

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

独身研究者を自称する著者による結婚の考察。

未婚40代男性の幸福度が一番低い。
高齢男性は配偶者依存度がすごく高い。

という所にはなるほどなぁと思った。

筆者の言うように、未婚であろうと既婚であろうと
老後のために資金を貯金することも重要であるが、人とのつながりを貯めておくことも重要というのは、その通りだとおもう。

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2022年05月24日

Posted by ブクログ

皆婚時代の終わりだからこそみえてくる幸せのカタチ〜。後20年もしたら結婚している方がマイノリティで、世界でも日本以上に結婚=オワコンになっているかも。

「自分の中の多様性」を見つけることは本当に重要だと思います。

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2022年04月29日

Posted by ブクログ

過去の恋愛や結婚に関するデータとこれからの恋愛と結婚に関する予測データをグラフや写真用いて作者が詳しく解説しています。
結婚するか一人で生きるかは個人の自由であるのは間違いないと思いましたが家族との繋がり以外のコミュニティも大切にしていきたいと思いました。
これから日本は独身が増えるので少子高齢化が進み若者がどう高齢者を支えていくかよりも支える側が生きがいを持って働きやすくなるかの環境が大切であるという事に共感しました。


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2022年03月10日

Posted by ブクログ

読んで良かった視点
・「未婚化の原因は若者の価値観の変化などではありません。」
・本質的には環境の構造上の問題が大きい

読んでイマイチだった章
第4章
「結婚コスパ悪い説」というのを著書『結婚しない男たち』で唱えたが、これが既婚者だけではなく未婚の女性からもすこぶる評判が悪いようです。 のくだり

悪評コメントの筆頭「結婚をコスパとかいう時点でクズ」に1票。 クズという攻撃的な表現を使わなくてよいが、コスパ(お金の損得)のまな板に載せた時点で
見落としがあるんよ。

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

結婚が減ってきたということと新たなつながりが必要という本
あまり新しいことは言えてないからよくある本のレベルを脱してない

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2022年02月05日

Posted by ブクログ

タイトルのインパクトとは違った読後感。
良い本だったなぁ、、と心が温かくなった。

前半は定量的な分析と結果(流し読み)、後半は定性的な多様化社会の幸せな生き方、コミュニティとの繋がり方、精神的な自立がもたらす幸福なあり方などが説かれていて、後半、特に6章が好きだった。

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2021年08月04日

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