【感想・ネタバレ】「身軽」の哲学(新潮選書)のレビュー

あらすじ

人は、後半生になると重荷を下ろしたくなるものだ。西行、親鸞、芭蕉、良寛に共通するのは、人生の折返し点を過ぎ、歌や句に傾倒していったこと。肩にのしかかった責務や思想、人間関係などから解き放たれ、旅に出て「うた」をつくった。孤独を楽しみ、軽やかな自由の世界にあそんだ。『「ひとり」の哲学』に続く、心にしみる人生論。

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Posted by ブクログ

病を経ての本書で、山折先生は、西行、親鸞、芭蕉、良寛を追い、身軽になっていったその足跡を綴るもの。いま、90歳を越えておられると思いますが、身軽な暮らしをなさっているでしょうか。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

山折老師の「哲学」というか、エッセイに近い人生の「終末期」に関する考察である。簡潔にして平明な名文が、そのように感じさせるのだろう。インドでは古来、人生では「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」の四住期を経るのが理想とされるが、日本で特に「林住期」「遊行期」に特徴的な業績(?)を残した4人・・・西行・親鸞・芭蕉・良寛・・・を取り上げて、それぞれの業績とそれに至るまでの葛藤を描き、またそれぞれの思想の関連性を考察している。本書の冒頭で、著者が老境を迎えて処分を進めてきた書籍のうち、どうしても処分に踏み切きれなかった全集類を最近手放して、意外にも「身軽」さを感じた、と述べている。そしてそれが本書の題名の「身軽」となっているのであって、前記4人が老境になっていかに「身軽」(ニルバーナ)を迎えたか、が主テーマとなっているのでだ。それにしても、著者も触れているが、この本を書くに当たって資料を大量に入手したであろうから、著者は再度「身重」になってしまったのではなかろうか。

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2019年07月21日

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