【感想・ネタバレ】寂寥郊野のレビュー

あらすじ

朝鮮戦争で来日したリチャードと結婚して、幸恵がルイジアナ州バトンルージュに暮らしはじめて30年。その幸恵の言動崩壊が始まり、症状は目に見えて進んでいく。夫は妻の鬱病に心あたりがないでもない。国際結婚と老いと孤立を描く、現代文学の秀作。芥川賞受賞作。1997年、「ユキエ」として、脚本・新藤兼人、監督・松井久子で映画化された、名作。

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Posted by ブクログ

1993年上半期芥川賞受賞作。ルイジアナ州のバトンルージュが舞台。その前年に日本人留学生の服部剛丈君が射殺された町だ。いわゆるディープサウスであり、農業地帯。作者の吉目木晴彦は、この街に2年間を暮らしたようだが、それも彼が9歳から11歳までの事。あのような地でのコミュニティの日本人女性(主人公の幸恵たち第1世代は「戦争花嫁」と呼ばれた)の置かれた状況を、強いリアリティを持って描き出している。しかも、その晩年において文字通りの「寂寥効野」(ソリチュード・ポイント)に立たねばならなかった幸恵の苦悩は深い。

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2013年10月21日

Posted by ブクログ

身につまされる。

年ととも言葉と記憶をなくし、ともに歩んだ足跡も消えていく…。
当事者であれ、パートナーであれ、ただそれを受け入れるしか、きっとないのだ。

タイトルの「寂寥」が実に身に染みる。

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2024年01月19日

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