【感想・ネタバレ】ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

あの人のことを語らせて。

パリ旅行者に話しかけてきた幽霊は、マリー・アントワネットの女官長だったランバル公妃。彼女はマリー・アントワネットの近くにいた人々から話を聞き、慕っていた王妃に再び会う時の土産話にしようと考えたのだ。そして彷徨うこと幾星霜。2018年のパリで、ランバル公妃の口から語られる、マリー・アントワネットという人のこと。

様々に王妃と関わり、王妃を愛した人たちから語られる王妃の姿。それはその人が命を終える時にランバル公妃が聴いたからか、語るその人自身についての語りでもある。あの時代を、革命を、どのように生き抜いたのか。女性として、自分として、何を求めて生きたのか。18世紀の人の感覚というよりは現代女性的な自己認識に感じるが(18世紀のジェンダー論には明るくないので)だからこそ、王妃と一緒にあのベルサイユにいた人のことが身近に感じられる。

フェルゼンからは話を聞けなかったと言うランバル公妃。彼の心のうちは、想像に任せるのが一番美しいのかもしれない。マリー・アントワネットは、愛されて、また愛した人だった。その愛のすべてが等しく、友情も恋愛も区別なく、ただの愛だったのなら、どれほど心慰められ、また寂しくなるだろう。

オタク気質のランバル公妃、話しかけた相手もガチ勢で、よい話し相手を見つけたオタクほど幸せなものはないよね、そりゃあ語るよね、と思いました。

0
2021年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ベルばら」に登場しない、マリー・アントワネットを愛するランバル公妃の幽霊が、マリー・アントワネットに関わってきた人々に素直な気持ちを聞いて回る、というストーリー。
実はデュ・バリー夫人はそんなにアントワネットが嫌いではなかったとか、娘のマリー・テレーズは割と気丈な娘だったとか、史実かどうかわからないけど、面白い!肖像画家が自分で自分を「通りを歩けばすれちがう殿方すべてが振りかえるような美少女だったんです」と言っちゃうところとか(笑)
これは是非シリーズ前作も読んでみらねば!

0
2019年12月31日

「男性向けライトノベル」ランキング