【感想・ネタバレ】サンギータ-Sogen SF Short Story Prize Edition-のレビュー

あらすじ

ネパールで永く信仰を集める、生きた女神クマリ。代替わりに集められた幼女のうちから一人だけが選ばれる。辺鄙な町に暮らす青年シッダルタは、きつい性格の新人クマリの警護に抜擢された。若者のあいだで人体改造が流行する近未来のカトマンズを舞台に、「ゲンロンSF新人賞」と「創元SF短編賞」を連続受賞した新鋭がパンキッシュに紡ぎ出す、神話的バイオSF。イラスト=鈴木康士*本電子書籍は、『年刊日本SF傑作選 おうむの夢と操り人形』(創元SF文庫版 2019年8月30日初版発行)に掲載の「サンギータ」のみを電子書籍化したものです。『年刊日本SF傑作選 おうむの夢と操り人形』全ての電子書籍版ではございませんのでご注意ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

友人から薦められた話が収録されているので借りた本
個人的には玉石混合
大きな肉塊の一部を削ぎ落としたのが短編で、しっかり地を作れていないと面白くない
作り込む必要はないと思うんだけど作り込んである方が面白い

わたしとワタシ
 p32 わたしは、今の自分を否定する過去の自分と仲良くするつもりはない。
 これに尽きる話だった。
 ヲチが続きを想起させるし、この設定でいろんな人に連作させても面白そうだなとは思った。

リヴァイアさん
 わかる。
 一人称小説の場合、声に多少出してないと話が進まない(本人の自己完結で済んでしまうため)のは。
 けどこのヒロインはダメだ。
 合わない。
 小説の登場人物としても嫌いだしリアルだと面倒でしかない。
 頭がおかしい。

サンギータ
 友人評「悪趣味の趣味が良い」
 多いに賛成。
 物語中盤まで今がいつなのかわからない
 物語が動き出すと未来なんだけど読後はなんかもう訳がわからない
 やったことないけど上質なクスリをキメるとこんな感じなんだろうか

0
2020年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SF。短編集。
好きな作品は「おうむの夢と操り人形」「大熊座」「幻字」。
好み的には「大熊座」がベスト。ビッスン「熊が火を発見する」リスペクト。
自分が円城塔さんの作品を気に入るのは珍しい。
マンガは、道満晴明「応為」が印象的。まさかのエロマンガ業界からの収録。著者のことばも含め、普通に面白かった。まあ、SF小説業界にも森奈津子さんとかいますしね…。
このシリーズも今作で終わり。
今後は『Genesis』と『NOVA』を読むことにしましょう。

0
2020年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

創元SF文庫の年刊日本SF傑作選シリーズは今年で終了らしいが、個人的には読むのはこれがまだ1冊目。
長編の一部とか、スピンオフとか案外多くて、その手のものはどうしても盛り上がりに欠ける。その点、書き下ろし短編アンソロジーシリーズには劣るかなあと思ったり。『サンギータ』はすごかった。

P659「最小のSF設定で、最大の効果を」(宮内悠介)



宮部みゆき「わたしとワタシ」★★★☆☆
- タイムトラベルしてきた若い頃の自分に出会う。

斉藤直子「リヴァイアさん」★★★☆☆
- スカイフィッシュのやつ。

日高トモキチ「レオノーラの卵」★★★☆☆
- 僕:駄菓子屋兼市長。
- レオノーラ:卵を産んだ。エレンディラの娘。駄菓子屋に育てられた。
- 工場長の甥:エレンディラの息子を工場長が引き取った。
- チェロ弾き:父はピアノ弾き。駄菓子屋に育てられた。
- やまね=ネズミ。
- 時計屋の首:首だけが浮いてる。

肋骨凹介「永世中立棋星」★★☆☆☆
- AI将棋の漫画。連載の第一話な感じで、特に何も起きない。

柴田勝家「検疫官」★★★★★

- 物語を病気として扱う国。ディストピアもの。入国を厳しく取り締まる検疫官ジョン。物語を創造する人間を止めることはできない。

藤井太洋「おうむの夢と操り人形」★★★★★
- ロボットとAIをテーマにしたリアリティあるSF。藤井太洋はこういうのがうまい。ペッパーいじってる感じウケる。

西崎憲「東京の鈴木」★★★☆☆
- とても面白そうな長編作品のプロローグという感じ。

水見稜「アルモニカ」★★★★☆
- 史実に基づいた話なので、これをSF(フィクション)と言うべきなのか疑問ではあるけど、逆に史実だからこそ、一連のこの不思議な出来事は面白い。アルモニカは病を治す楽器か、はたまた人を狂わせる楽器か。Wikipediaを読みながら。

古橋秀之「四つのリング」★☆☆☆☆
- スペースオペラもの。連作ショートショートの最終話らしいが、記念で(おまけで)収録された感。

田中啓文「三蔵法師殺人事件」★☆☆☆☆
- 西遊記アニメのパロディだそうで。この年刊日本SF傑作選が今回で最後だからと、無理やりこの作者の作品を押し込んだ感じ。

三方行成「スノーホワイト/ホワイトアウト」★★★☆☆
- 白雪姫インスパイア系。

道満晴明「応為」★★★☆☆
- マンガ。

宮内悠介「クローム再襲撃」
- 記録漏れ

坂永雄一「大熊座」★★☆☆☆
- 自称(?)歴史改変モノらしいが、熊が火を手に入れて、人間は火を恐れているという世界。で?って言いたくなる。

飛浩隆「「方霊船」始末」★★★☆☆
- 『零號琴』のスピンオフ短編。美ショクという国では、カ面を被ったカ劇が行われている。
- ワンダ・フェアフーフェン:女傑。富豪の娘。ワンダの回想で物語は進行する。
- 美鷺:美ショクという国出身、鳥のような仮面を付けている。

円城塔「幻字」★★★★★
- 文章が理解できるだけ、円城塔にしては易しい話だったかなと。難解ではないけど、しかし設定は相変わらず奇妙。でも楽しいコミカルなSF純文学。
- 境部さん:探偵。殺字事件であるワクワク事件に挑む。
- ツーさん:ふくさ家が、香港から呼び寄せた探偵。
- ふくさ家:事件の現場
- どう家:ふくさ家と親密な家系

長谷敏司「1カップの世界」★★★★☆
- こちらもまた長編のスピンオフらしく、不完全燃焼感があったものの、設定が面白くて本編『BEATLESS』を読んでみたくなる内容だった。
- エリカ・バロウズ:世界屈指の富豪の娘。不治の病の治療法が将来発見されることに賭けて、冷凍睡眠に入る。80年後の未来で目覚めて、浦島太郎状態に苦しみーの、部下に命狙われーの。

高野史緒「グラーフ・ツェペリン 夏の飛行」★★★☆☆
- 夏紀
- 登志夫:夏紀の従兄。優秀な量子コンピュータの研究者。
- 夏紀や登志夫、登志夫の母、祖母など、複数の人が共通に持つ、飛行船グラーフ・ツェペリン号が墜落した記憶。その謎を追う。パラレルワールド的思考で、別の世界ではツェペリン号は墜落していて、その記憶が流れ込んできている…?というような不思議な体験をした夏紀であった。

アマサワトキオ「サンギータ」★★★★★
- シッダルタ・カミ:下位カーストの鍛冶屋。剣の腕が立つ。女神の護衛になる。
- カール・ヴァジュラチャリヤ:バラモンカースト。ネパール仏教界ナンバー2
- マヘシュ・バウン:ネパール仏教界ナンバー1
- サンギータ(クマリ):女神となる。感情がない小娘。

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2020年11月01日

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