【感想・ネタバレ】ラストナイトのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人生は幸と不幸とちょうど半分ずつになるようにできているなんて言う人もいるけれど、到底そうだとは思えない。

明るく真面目で人の好い青年が、良き伴侶と共に夢を叶えようとしていた矢先、その性格ゆえにチンピラの行いを見過ごせずに刺してしまう。以降30年以上にわたり、刑務所とシャバを行ったり来たり。まともな暮らしに戻ろうという素振りすら見せない彼は、いったい何を考えているのか。

薬丸さんの書く「事件その後の人生」はいつもとてつもなく苦しく切ない。電車の中で読んでいたら、ラストは嗚咽しそうになりました。彼の微笑みが救い。

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2019年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

薄い本だから軽く読もうと思って手に取ったのに、すっかり引き込まれてしまった。

顔面に豹柄の刺青をいれ、犯罪を繰り返す片桐。
昔に起こした傷害事件で最愛の妻と子と別れることになり、自暴自棄になっていると誰もが思っていたが…

うわー衝撃…
なんて悲しい人生なのか。
「悪い人じゃないのに」という人が辛い思いをする本に最近やたらあたるけど、本当に胸が痛い。
人として真っ当な人生を送るためには、優しさだけではなくて強さと賢さがないといけないんだなと考えさせられる。今回の片桐に関しては相手が悪かっただけではあるけれど、相手を刺してしまったり、人生を棒に振った復讐の仕方を選んでしまったり。
生き残っている娘のことや、お世話になった弁護士や菊屋の主人など、周りの人を不幸にしない方法もあるだろうに。

そして梶原が最悪すぎて。あー頭くる。

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小さいながらも幸せをやっと掴んだと思ったら。。。罪を重ねた理由に心が痛んだ。周りから非難されてもたった一つの愛を貫き、最愛の娘も敢えて突き放し、最後まで一人だった。犯罪を犯すには色々な事情があると、加害者だけを理由もなく責めてはならなと思わされました。

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2021年09月04日

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いつものことながら、めちゃくちゃ読みやすい。すぐに世界に引き込まれてしまう、薬丸さんのうまさよ。
顔に豹柄の刺青を入れ、刑務所を出たり入ったりの生活を繰り返す片桐という男を巡る、連作短編集。
はじめに片桐が登場した時は「なんてイヤな人間…絶対近寄りたくない」と顔をしかめていたのに、まさか彼にこんな真実が隠されていたとは。娘に嫌われてでも、妻と娘への愛情のために人生の大半を費やした男。自分の手を切り落とすことも厭わない愛って、どんなものだろう。
人生のほとんどを復讐に費やし、どんなにか苦しかっただろうか。癒されることのない時間を過ごし続けた男のドラマに、なんともやりきれない気持ちになった。

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2020年06月03日

Posted by ブクログ

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顔にヒョウ柄の刺青を入れ、犯罪を繰り返す男、片桐。第一印象はただの粗暴な男で、現実にいたら嫌悪感しかないタイプ。

ですが、かつては夫婦でラーメン屋開業を目指す、ごく普通の男だったといいます。どうしてこうなった? と思い始めてからは、ラストまで一気読みでした。

読後感は、切ないというかやるせないというか…… いちおう復讐は果たせてはいますが、片桐の人生を振り返ると、先ほど書いた感情――切なさ、やるせなさ――がこみあげてくるんですよね。

変な例えですが、ペットロスに近い状態? 一気読みできたので面白いっちゃあ面白い本なのですけど、妙につらい気分にさせられて落ち込みました。

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2020年06月01日

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コンパクトなのにそれを感じさせないストーリー。
片桐の妻への愛をもっと多くの人に知ってもらいたかった。

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2020年03月18日

Posted by ブクログ

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顔に刺青を入れた男の復讐の最後までを関わる人の目線で語られながら少しづつ見えてくるその全容。人生の歯車はちょっとしたことで転落していく、、最後に娘のひかりには父親の本当の姿、人柄が『菊池』『荒木』もしくは『中村』から語られることだろう、と思いたい。そしてひかりは結婚して子供を産み幸せになって欲しい。

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2020年07月05日

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