【感想・ネタバレ】1988年のパ・リーグのレビュー

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南海・阪急の身売りと10.19が話の2本柱。有藤のあの抗議は仰木への当て付けだったと知って驚愕。有藤には有藤の理屈があるのだが、やっぱりしてはいけないことだった。

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2019年12月07日

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故近鉄ファンとして興味深く読んだ。なぜ南海、阪急が身売りをしたのか、交渉の過程を丁寧に解きほぐしている。西鉄が去った後の福岡市の官民挙げての誘致、ロッテの買収を探っていたダイエーの中内オーナー、ロッテが千葉移転を決め、関西国際空港での再開発で、大阪球場を失う南海がその話に乗ったこと、宮古島での異業種交流会で生まれた阪急からオリックスへの身売りなど。知らないエピソードが多かった。

元読売新聞記者らしく、南海の吉村オーナー宅に連日新聞記者が押しかけた様子や、身売りに当たって3条件を提示したスクープをなぜ読売新聞が書けたか、事細かに書いている。川崎球場で近鉄がロッテを相手に死力を尽くしたダブルヘッダーをしている10月19日17時、阪急の身売り会見が発表される。阪急の上田監督は「シーズンの優勝を決める試合をやっている時に、こういう球団身売りの記者会見をやらなきゃならない」と近鉄や西武、パリーグファンに謝罪し、涙したという。この本で初めて知ったが、上田は日本シリーズを戦う1972年、阪急のヘッドコーチ時代に身売り話に巻き込まれたことがあったという。西鉄が解散、東映が身売りして、パリーグの解体だという報道が出て、浮き足立った阪急が巨人に破れた。上田の涙にはそうした苦い経験があった。

近鉄とロッテの10・19については、中継したテレ朝やニュースステーションの視点から書いてあり、NS史上、歴代3位の視聴率を稼いだこと、パリーグからテレ朝に感謝状が贈られたことなどが面白かった。今よりずっと野球人気が高く、でも巨人やセリーグに偏重して、パリーグが日陰だった時代。そんな時代が変わるきっかけとなったのが、関西電鉄2球団の身売りであり、1988年という年だったのだと再確認させられた。

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2023年01月27日

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パ・リーグの暗黒時代から今の黄金期への劇的変化の1ページめを表すドキュメンタリー。
今となっては、暗黒時代も味わい深く大好きでしたがー。
パ・リーグのもっと夢のある将来への展望も楽しみ。
球団拡張、MLB加盟など、どなたか小説化してくれないかな?と、ふと思う。

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2022年02月17日

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1988年と聞くとやはり反応してしまう、パ・リーグ者としては。
テレビ朝日が「ニュースステーション」の中で放送を続けた伝説の10.19ロッテ対近鉄のダブルヘッダー第2試合だけでなく、阪急の身売り、そして南海の身売りと福岡への移転。なんでこんなことが同じ年に起きるのかと、興奮し、胸を痛めたことは今もよく覚えている。

本書で印象に残ったのは、伝説のダブルヘッダーではなく、二球団の身売りに関する章。周到に準備され、練りに練られた戦略で進められた買収劇。ひとつタイミングが違っていたら、福岡移転を果たしたのは別の球団かもしれなかったという事実。企業買収に関するビジネス本を読んでいるような錯覚に陥り、あれは紛れもなく昭和最後の大事件だった、という思いがよみがえる。嗚呼、それにしても阪急身売りの発表が10.19だったのはなんとも残念すぎる。

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2020年02月09日

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1988年のパ・リーグ。近鉄涙の10·19と南海、阪急の身売り。セパの格差がピークだった頃。ニュースステーションで異例の生中継。今にして覚えばパ・リーグ再生の萌芽となった1年。

プロ野球の球団保有チームは経済情勢を表している。地域密着の電鉄会社から流通のダイエー、リーサのオリックス。今ではネット社会の流れからソフトバンクと楽天というように。

関西に集中していたパ・リーグ球団は日ハムの本拠地移転もあり今は札幌、仙台、千葉、所沢、神戸、福岡と地元密着型でファンの心を掴む。DH制などの影響もあってか実力でも人気でもセ・リーグに引けを取らない。

水面下の球団買収交渉とシーズン最終盤での近鉄と西武の優勝争い。パ・リーグの歴史の変換点となった1年を追った傑作。

ただし10·19の試合より買収交渉に多く紙面を割いているので、期待し過ぎない方が良い。

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2019年12月22日

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南海ホークスはダイエーへ、阪急ブレーブスはオリックスへそれぞれ譲渡された。10月19日、仰木監督率いる近鉄はシーズン最終戦で優勝に挑み、勝つことはかなわなかった。どれも昭和の最後の年、1988年に起こったことだ。

本書は、日本プロ野球パ・リーグにとって盆と正月が一緒に来たような1988年のドキュメント。語り尽くされた伝説の試合「10・19」はともかく、2つの球団買収劇が同時進行するのはスリリングだ。ダイエーと南海、オリックスと阪急の当事者は互いを知らずに交渉を続け、時に間接的に影響が及ぶこともあれば、福岡県やロッテ球団までもが絡み合うこともある。しかも、球団買収が同年だったことは偶然ではなかった。

そんな濃密な年を経て、時代は平成となるが、プロ野球パ・リーグにおける球団買収、移転の流れは止まらない。そして、観客動員数や売上、実力においてもセ・リーグをしのぐことになる。

1988年はパ・リーグにとって大きな起点だった。

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2019年10月25日

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ネタバレ

ホークスが福岡に行く経緯がこの本のメインかな。タイトルから10・19のダブルヘッダーのことかしらと思ったらそちらは割とボリューム少なく、買収劇の裏側を描くゴリゴリ硬派な本だった。それでも知らないことが多く興味深く読めた。
ただ、最後の章の例の10・19の近鉄対ロッテ戦の選手の名前が間違っていてそこだけもやもや。誰も気づかなかったのかなー。牛島は和彦だよ!

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2020年12月11日

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1988年、32年前、自分は中学校2年生

何かぼんやりとニュースの中でやっていた近鉄対ロッテの試合を覚えています。



それが、この年のパリーグ、またはプロ野球界で起こった激動の一つの幕だった

ということをこの本を読んで理解できました。



南海からダイエーへ

阪急からオリックスへ

ロッテの千葉への移転の動きもでき

地方にフランチャイズの目を向けたパリーグの動きは

今のセパ人気、実力ともに逆転した伏線だったようにも思いました。



色々な身売りの細かい話の積み重ねから

最後はドバっと近鉄対ロッテの手に汗握るルポ。

野球好きにはたまらない物語構成で、おもしろいです。

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2021年02月07日

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1988年、高校生だった私。近鉄の10.19はよく覚えている。
しかし、南海、阪急の身売りはあまり記憶がない。プロ野球ほど国民に根付いたスポーツはない。もしカープが身売りになったら?それは大騒ぎ、暴動が起こるかも?

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2020年10月10日

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中盤の球団売却撃破、ロッテ・ダイエー・南海・福岡の絡む福岡球団売却のじっくりとした展開と、阪急・オリエント・三和銀行の売却劇のスピード感の対比も鮮やかな経済小説風ドキュメンタリーだった。
売却後の阪急・南海の哀愁、そして10・19決戦のドキュメンタリーは濃度という観点で少々しぼんでしまった缶があるのがもったいないか。

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2019年12月14日

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ホークスとブレーブスの買収、バファローズの死闘など、あの年のパ・リーグは多くのことがあった。30年後、ここまでパ・リーグが盛り上がるとは、誰も予想できなかったのではないか。

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2019年11月10日

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1988年のパリーグと言えば、10.19の川崎球場でのロッテ-近鉄のダブルヘッダーを思い起こす方が多いのではないでしょうか。しかし、南海ホークスがダイエーに買収され本拠地を福岡に移すという大きな動き、そして阪急ブレーブスがオリックスに買収されるという事態が発覚したのも実は1988年の秋だったのです。
本書のタイトルを見ると、ロッテ-近鉄のダブルヘッダーを主題とした本のように思えますが、本書の大部分は南海ホークスと阪急ブレーブスの2球団の買収がどのように水面下で進められたのかを描いています。
マスコミに絶対に知られないように極秘に交渉を進めて行く過程を、当時交渉の当事者であった多くの人への直接取材で明らにして行きます。実はダイエーが当初買収を働きかけていたのがロッテだったという事実は本書を読んで初めて知りました。
そして本書の最後はロッテ-近鉄のダブルヘッダーの舞台裏にも触れています。当時のロッテ有藤監督がなぜあの試合の勝利に執着したのか、あの試合の球審を務めた方の興味深い証言、野球中継を拡大し、ニュースステーションで急遽放映することを決定したテレビ局の舞台裏など、興味深い事実を詳細に描いています。
私は当時高校生で、あの試合はテレビに釘付けになった記憶もありますし、南海ホークス、阪急ブレーブスという関西の伝統ある2球団が一挙に消滅するというニュースに驚いた記憶がよみがえりました。

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2019年10月02日

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ダイエーによる南海ホークス買収、
オリックスによる阪急ブレーブス買収、
その大きな流れの中で迎えた、伝説のダブルヘッダー
10.19。
関係者への緻密な取材によるルポタージュ。
有藤監督の「後悔はない」コメントに
今にして思える男気。

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2019年09月22日

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1988年当時のパ・リーグの状況がよく分かって、面白かった。
特に10.19のロッテ対近鉄Wヘッダーは川崎球場に見に行ってたので、色々と感慨深かった。

以下、気になった点。

○球団買収について
・最初、身売りを検討してたのは南海でも阪急でもなくロッテだった。
・先に南海球団買収に動いたのはダイエーだったけど、もし逆だったらダイエーは神戸に本拠地があので、阪急の方を買収してた。

○10.19ロッテ対近鉄当日について
・阪急身売りの話は当日17時で、近鉄選手も試合終わるまで知らなかった。
・有藤監督の抗議は、とにかく試合を早く進めたい仰木監督に対する反発心だった。
 ちなみに本人はロッテの選手を守るためにやったとして、後悔は一切してないとか。

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2019年09月09日

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 1998年10月19日夜10時過ぎ、僕はニュースステーションに釘付けだった。ロッテ対近鉄のダブルヘッダーの第2戦、近鉄が勝てば優勝というゲーム。このシーズンの後半からこの日のダブルヘッダー第1戦、そして第2戦の10回表までの長い長い奇跡の物語を締めくくる残酷な結末に、釘付けだった。そのことは、今でも覚えている。
 その年、阪急ブレーブスと南海ホークスが身売りした。そしてそのことは、全く記憶に残っていなかった。30年前の、まだパ・リーグがセ・リーグの後塵を拝していた頃の、物語。

 この年のこの身売りが今のパ・リーグの隆盛の遠因となった。いろんな意味で「奇跡」の年、の舞台裏をたくさんの関係者の証言でたどる。

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2019年08月19日

Posted by ブクログ

球団の身売り!
それも2球団‼️
この内容が大半を占めており、西武、近鉄の最終戦までもつれた優勝争いなど野球の話題が乏しく、評価は星2つというのが率直な感想。

ただ、当時、阪急の上田監督が身売りを知ってからは一気に読めて、これでかろうじて星3つかな?


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2024年02月09日

Posted by ブクログ

セリーグの球団代表を務めた経験もある筆者が、いち新聞記者に立ち返って関係者に取材し、1988年秋にパリーグで起こった2球団の身売り騒動の真実について、10・19川崎球場のダブルヘッダー試合を交えながら記す。

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2019年12月23日

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