【感想・ネタバレ】友だちに話したくなる 恐怖の百物語(池田書店)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

怖い話を知ってしまった貴方。身震いするほどの怖い話を、貴方はどうしてか友だちに話したくて仕方がありません。仲の良い友だちに話したら可哀想かもしれないと思いながら、何故か話さずにはいられません……。

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数日前に読んだ1分で読み終われて怖いというコンセプトの児童書ホラーと同じ出版社から発売されているこちら。こちらは1分で読み終われる前作よりも更に短く簡潔にまとめられている一冊。
読み進めてみると、前作よりこちらの方が恐ろしく、そして登場人物たちに容赦がないと感じた。

話もちょっとグロテスクだったり、痛そうだったり、えぐかったりと、前作を読む感覚で読み始めると、ちょっとドキリとするかもしれない。同じ年齢層をターゲットにして出版されているはずなのに、この雰囲気の変わりようは驚き。そんな話が99話も載せてあって、とても楽しめた。

お気に入りの話は「駄菓子屋おばば」、「干からびた赤ちゃん」、「恐怖の動画」。
「駄菓子屋おばば」はこの本に何度も登場する、リヤカーを引きながら、通常のお店では売っていない駄菓子を販売する不思議なおばあさん。といっても、他の作品にあるような、やさしい雰囲気ではなく、怖いおばあさんだった。そんな怖いおばあさんが販売しているものは面白い商品が多いが、どれも恐ろしい目に合う商品ばかり。その中でもストローの話は一番怖かった。

「干からびた赤ちゃん」は気持ちの悪さと怖さが両方詰め込まれた作品。バスを待っている主人公の前に現れた母子に出会ってしまったがために、見舞われた恐怖体験。ページに描きこまれた挿絵が話の気味悪さを、更に増長させていた。

「恐怖の動画」はキャンプに出掛ける予定だったが行くことができなかった主人公がインスタグラムなどを通して、キャンプへ行った友人たちの様子を見ているうちに、だんだんと変なことに気が付いた時から始まる恐怖。これは気づいてしまったが為に起こってしまった出来事なのか、それともあらかじめ予定されていた結末なのか……。
最後に主人公のもとへ届いた、「恐怖の動画」がリアルタイムで起っていることを想像させて、非常に怖い。

今回お気に入りの話はといって3作品ほど紹介したが、今思い返してみると、廃屋の洋館の話も怖かったし、友人の秘密を話してしまった話も怖かった。
いろいろな怖い話が載っているので、実際に読んでみて自分のお気に入りの話を探すのも面白いかもしれない。

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2021年12月12日

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