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Posted by ブクログ
プロテスタント系クリスチャンです。
とても良かった。こういう本が読みたかった。
母方がクリスチャンで父方は一般的な日本人家庭、キリスト教と一般的な日本の文化のミックスの中で育ってきた。キリスト教は宗教ではあるが、私の中では宗教というより文化。自分はキリスト教と日本文化のハーフだという感覚だ。世間で考えられているキリスト教のイメージで見られるのはすごく抵抗がある。
一般的イメージのクリスチャンと実際のクリスチャンとの間には多少なりともギャップがあり、そのギャップにモヤモヤしてきたし、苦しんだりもした。そのギャップがなぜ起こるのかの考察を日本のキリスト教史を通して丁寧に解説された本だ。
しばしばクリスチャンに「敬虔な」という枕詞が使われるが、もちろんクリスチャンは全員敬虔ではない。キリスト教圏の国の人が皆敬虔であるはずがない。そういうことを、宗教について深く考えたことがない人は気づかないのかなあと思う。
「信じる」ことだけが宗教なのか。「キリスト教」ではなく「キリスト道」だったら日本でもキリスト教はもっと受け入れられていたのか。マザーテレサのいう「神の不在」は、深い。
私個人的にはモヤモヤがスッキリして腑に落ちた本。しかし宗教という言葉が持つ胡散臭さは、その言葉が別の言葉に変わらない限りは変えられないのだろうか。