【感想・ネタバレ】愛が嫌いのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

埼玉、少年期に過ごした昭和のマンション、元荒川、出版社勤務、男性、ゆううつ。
条件を共有した三つの"かれ"は、もしかしたら同一人物でないのかもしれません。そのぐらい自己同一性を失ってしまったという暗喩なのかも。
かれが語る言葉は、ぶつ切りになった時間の中を漂うように虚ろで幼く感じました。身体は新陳代謝されるのに、思考や感覚や記憶が代謝されないとは限らないよね?と問われた気がします。
過去と現在と未来、昨日と今日と明日。
実家と自宅と会社、家族と友人と恋人。
ペルソナを使い分ける社会性のほうが、もしかすると不健全だなあと思います。記憶や関係性や、誰かに同化してしまえたら楽なのに・・・そんな自我のゆらぎを捉えた連作でした。

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2022年01月18日

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