あらすじ
毎日が真剣勝負のジブリ戦記! 公開延期、スタッフの取り合い、我慢比べ、膨れ上がる予算、クーデター計画、引退宣言……。
『ナウシカ』 高畑プロデューサー曰く「間に合わないものは仕方がない」
『ラピュタ』 「もう監督はやらない」からの再出発
『トトロ』 はじめは原作脚本・宮崎、監督・高畑だった
『火垂るの墓』 未完成のままの公開
『紅の豚』『ぽんぽこ』 「俺が豚をやったんだから、高畑さんは狸だ」
『もののけ姫』 「エボシ御前は殺すべきじゃないですか」
『山田君』 「おもしろすぎるエピソードは外しましょう」
『千と千尋』 壁一面のイメージボードを捨てた日
ジブリの名作はこうして作られた! 『風の谷のナウシカ』から『となりの山田くん』、『風立ちぬ』まで。二人の天才を最も間近で支え続けたプロデューサーがついに語ったジブリ19作品の内幕。誰よりも互いを認め合った二人の生々しい激闘、強烈過ぎる個性、創作の秘密が惜しみなく明かされる。
最初で最後 高畑、宮崎、鈴木の特別鼎談収録
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ジブリのプロデューサー鈴木さんが語る、作品のことと二人の天才のこと。
宮崎駿さんは、いつまでも少年みたいな人、高畑勲さんは、人当たりのいい人、というのが読む前のイメージでした。
宮崎さんに関しては、それは大いに当たっていると思います。しかし、思っていた以上にすごい方でした。
自分が思い描いて来た作品も、ぽいっと手放すことができる。
人のよさはよさとして認めることができる。
いつまでも飽くなき探究心をもっている。
建築の才もある。
ジブリ全体のことを考えている。
そして、作品に対する強すぎるほどの想いがある。
宮崎さんに毎日あれこれ言われたら、そりゃあ大変かもなあ…。
そして、高畑さんは宮崎さんでも困ってしまうような頑固者(と一言では言えない方でした)。
働くのがきらい。
まずは否定から入る。
革新的な方法をどんどん取り入れる。
どちらの天才とも私はうまくやっていけないでしょうが、とりわけ高畑さんの方が難しそうです。
お二人の人となりだけでなく、作品の裏話も知ることができて本当に面白かったです。
映画をつくるってことは、とても大変なこともよくわかりました。
こちらは早く新作を、と思ってしまうけれど、いやいや、これだけ手が込んでいるのならば、それは簡単にはいかないよね、と思います。
「君たちはどう生きるか」は2022年公開予定とのこと。(現状を考えると、まだ先になるかな)楽しみです。
キキのリボンは自分を守ってくれる確かなものをもっていない思春期の象徴。
シータもドーラも、宮崎さんのお母さん。ポニョのおトキさんも、その延長線上にいる。
「あなた、来て」が「あなた、生きて」に。