あらすじ
幻のデビュー作! サスペンス×ミステリー。私がジャックです――殺人者の〈存在理由〉とは? 末期癌を宣告された医師・岬雄貴は、酒浸りの日々を送っていた。ある日、不良から暴行を受けた岬は、復讐を果たすが、現場には一枚のトランプが――。そのカードは、連続殺人鬼「切り裂きジャック」のものと同じだった。その後、ジャックと岬の奇妙な関係が始まり……。最注目作家、幻のデビュー作! 2年連続本屋大賞ノミネート、知念実希人の魅力が凝縮!(『誰がための刃 レゾンデートル』改題・改稿)
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Posted by ブクログ
坂本光男
三十年前に女子高生を殺している。何者かによって首を切られる。
岬雄貴
外科医。青陵医大。剣道部。胃が痛く真琴に内視鏡検査を依頼した。末期の胃癌が発見される。コンビニで赤髪の男に暴行され、生きる目的ができた。
柴田真琴
内視鏡医。青陵医大。剣道部。雄貴とは大学時代から六年間付き合っていた。
南波沙耶
十八歳。二万円で佐川のモデルをする。家で同然に東京に出てきて、デパートの食品売り場でのバイトの昼休みに恵美と出会う。シンガーソングライターを目指している。11月18日に誕生日を迎え十九歳となる。
佐川陽介
エロ投稿雑誌の写真しか撮れないカメラマン。埼玉の山林で射殺体で発見された。
上松恵美
二十三歳。二万円で佐川のモデルをする。二、三週間五万円で佐川からペンダントを預かるが、沙耶に預かってもらう。何者かによって殺される。
松田公三
刑事。
石川良太
若い刑事。
ジャック
気障な殺人鬼。連続通り魔事件の犯人。ジャックに命を奪われた被害者たちの唯一の共通点は、全員がなんらかの犯罪に関与していた。殺人現場にRと赤く記されたクラブのジャックを残す。
中学校の体育教師
ジャックの被害者。四十二歳。顧問を務める柔道部の練習中に疲労で座り込んでいる部員を無理やり立たせ、何度も畳にたたきつけた。被害者の部員は低酸素脳症により昏睡状態になった。
益田勉
赤髪大男。コンビニで慰謝料として金を払わずタバコを奪う。雄貴に殺される。
真鍋文也
銀髪の男。赤髪の男の連れ。ジャックに殺される。
皆本信彦
三十三歳。歌舞伎町で麻薬を売りさばくディーラーの元締めで、自らも主に未成年、歌舞伎町で夜遊びをしている中高生を相手に商売をしている。雄貴に殺される。
越谷に住む六十代の男
二十年ほど前より、個人で知的障害のある子供向けの学習塾を経営していた。その生徒に対する性的暴行容疑で逮捕されたが執行猶予となる。雄貴に殺される。
鎌田貞夫
四十二歳。たちの悪い闇金のトップ。雄貴に殺される。
宇佐見正人
筋緊張性頭痛。記者。半年前から『ジャック』と呼ばれる連続殺人犯の記事を専門に書いている。
女子中高生に客を取らせていた売春クラブの元締め
少女たちの多くは覚醒剤を打たれ、監禁状態で売春を許会陽されていた。暴力団の幹部。ジャックに殺される。
明美
出会い喫茶『ストロベリークラブ』にいた少女。佐川に依頼され、興梠とホテルに行った。
興梠圭介
夏頃に首を吊って自殺した。移植コーディネーター。
瀬川遼子
高校の部活を終え、帰宅する途中で坂本に襲われ首を絞められ死亡。剣道部。
佐藤
瀬川遼子が通っていた高校の現在の教頭。30年前の事件時、国語の新米教師だった。
瀬川純平
遼子の兄。剣道部。
吉田政子
遼子と一番仲が良かった。剣道部。
楠木真一
沙耶を襲っているときに雄貴に右腕を切られた。佐川が取引直前で価格を釣り上げたため射殺した。楠木組の若頭。
田中
松田の二歳年下の刑事。松田が捜査一課の中でももっとも嫌っている男。
川原丈太郎
剣道部の遼子のひとつ上の先輩。剣道の全日本選手権に出場するほどの達人。三十年前に泥酔して帰宅した父を階段から突き落とし殺害した。
楠木優子
青陵医科大学付属病院のICUに入っている。十九歳。血液・腫瘍内科。CML急性転化。bedl。重症の白血病患者。楠木真一の腹ちがいの妹。
上野由紀子
楠木優子と型が合ったドナー。妊娠により骨髄移植の最終同意ができなかった。
川崎
楠木の運転手。スキンヘッド。ボクサー崩れのけんか屋でしかなかったが、楠木はくみに入れて自分の腹心にした。
宮内
金髪の男。
今野
田中とペアを組んでいる刑事。
Posted by ブクログ
末期癌を宣告された医師・岬雄貴。公に罪を償わせることがない悪人を処刑する切り裂きジャック。2人が交わる時に事件は加速する。
過去の罪人私刑でタガが外れた川原の正義。死を目前に悪人が残り自分が死ぬという現実を受け止めきれなかった岬の気持ちから、紗耶という少女を介して真人間に戻る岬。スリリングな展開と恋愛模様も挟みつつスピーディーに読める。
Posted by ブクログ
30代という若さで末期癌を患った外科医の岬雄貴は、自棄になってチンピラを殺してしまう。そして連続殺人犯ジャックにその能力を見出され、悪人を裁くための相棒として殺人を重ねていくことになる。その道中でヤクザから助けた少女と暮らしていくことになり、その少女がヤクザに狙われる背景とジャックの正体という謎に立ち向かっていく。
知念さんのデビュー作ながら、無駄がなく完成度の高い医療×ミステリ・サスペンス。続く作品においても描写される医療、警察、ヤクザ関連の話がデビュー作においてもふんだんに盛り込まれていた。また終末医療や少年犯罪、裁かれない悪人、時効といった、難しくないけど感情的には難しい話について登場人物それぞれが考えるようなシーンもあり、これも続く作品に受け継がれているような気がする。