あらすじ
食べ物を何ももたないウサギは炎にとび込み、自らの肉を布施に捧げた。このウサギこそ釈尊の前世の姿であった――。古代インドの仏教徒が口づてに伝えた説話集ジャータカ。輪廻転生思想のもと、国王、バラモン、商人、そして動物から神まで、さまざまな生を描く物語は、今昔物語集や歌舞伎をつうじて日本でも親しまれてきた。詩と散文によって彩られ、利他と自己犠牲の理想を描きあげた説話文学集のエッセンスを一冊にまとめる。
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Posted by ブクログ
本書はブッダ滅後2、300年頃に原型が出来上がったとされるジャータカのおすすめ入門書です。
ジャータカとはブッダの前世の物語のことで、利他や自己犠牲が説かれた素朴な物語です。そしてその代表的なお話が法隆寺の玉虫厨子にも描かれている「捨身飼虎」です。飢えた母虎を救うために自らの身体を与えたという有名な物語です。こちらももちろん本書に収録されています。
有名な物語以外にも興味深い説話がどんどん出てきますので、ジャータカの雰囲気を感じる上でもこの本はとてもおすすめです。また、こうした仏教説話から大乗仏教の流れが始まってくるという意味でもジャータカを学ぶ意義は大きいと思います。