あらすじ
東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれた、朝鮮語がわからないまま、過ごした朝鮮学校での日々。居場所を見つけられず、二つの言語の間で必死に生きるなか、あの日、テポドンが発射される。第59回群像新人文学賞受賞作。第155回芥川賞候補作。
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Posted by ブクログ
目を逸らしてはならない。今ここで進んでいる歴史は大人たちの責任だろうか。それは否定しない。でも、子供だからなにもできないなんてことがあるだろうか。私たちは誰もが革命家の卵だ。自分以外の星が輝いてくれるから、影も必要?そんなことはない。自分の非力さに、抗う相手の大きさに、怯みたくない。間違っても、受け入れればいい。なにもしない自分で胸を張って生きられるか。
私たちの出すこたえや考えは二択ではできていない。敵の敵は味方だろうか。本当に同じ立場にあるのだろうか。世界はもっと複雑にできている。理解できないから、誰かにとって都合のいいものであって欲しいから、そんなふうに単純化したせいで、より複雑になっている。大事なものが見えなくなっている。核心から逃げれば逃げるほど、本当に向かい合おうと決意したときに、その距離に後悔するだろう。
Posted by ブクログ
だけど、もしかしたら、ステファニーの言う通りだったのかもしれない。
空が落ちてくるなら、あの時、私は空を受け入れるべきだったのかもしれない──。
第59回群像新人文学賞受賞、第155回芥川龍之介賞候補、第33回織田作之助賞受賞、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
日本の公立校にいても、朝鮮学校にいても、アメリカ留学しても、どこにも自分の居場所が見つからない。そんな在日朝鮮人3世の少女『パク・ジニ』が、自身のアイデンティティを求め戦い、パズルのように1ピースずつ紡いでいく、孤独な革命の物語。
抗うことで得られる自由、向き合うことの大切さ、そして受け入れることで巡り会える安らぎ。
平和な国、日本。
それは我々マジョリティにとっての都合のいい切り取り方なのかもしれないと感じました。
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東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれた、朝鮮語がわからないまま、過ごした朝鮮学校での日々。居場所を見つけられず、二つの言語の間で必死に生きるなか、あの日、テポドンが発射される。