【感想・ネタバレ】ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

旧約聖書の研究書。各篇で語られている「神」の像から、どのように人々の中の「神像」が変化していき、「人」と「神」の関係が変わっていったかを考察する。一つ一つの論は分かりやすく、そこに描かれる「神」の姿も納得がいった。旧約聖書は、こういう風にも読めるのだなあと納得した。ただ、旧約聖書の各篇は必ずしも古いものから順に並べられているわけではない(たとえば、「創世記」の成立は後に続く「出エジプト記」などより新しい)という論も読んだことがあるので、その辺との兼ね合いはどうなっているのかなあと思った。

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2014年01月07日

Posted by ブクログ

旧約聖書は、事実?フィクション? という議論があったりするのだけれど、そんなことは一切気にせず、歴史の事実をトレースした寓話として、そこからユダヤ教がどんな生い立ちを経て来たのかを教えてくれる本。研究者が書いた本だけあって、中途半端なオカルト的なところはない。諸説あるものもニュートラルに扱ってくれるから、説得力のある論に思える。進化の過程を事細かに説明するなんて複雑になりそうだが、神の性格を角度を変えて見ていくことで、流れを作って教えてくれる。その成り立ちを考えることなど無かったが、ユダヤ教は最初からユダヤ教ではなかったのだ。原初のユダヤ教を、小さな規模の家畜飼育を生業にした部族が生み出し、エジプトやギリシャ、ペルシャなど古代の歴史との関係で変化、変遷してきたという。ユダヤ教の成立をこのように、ある種明快に説明されればされるほど、その運命的な不思議さを考えてしまう。同時にその魅力も増すのである。 

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2019年03月23日

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