【感想・ネタバレ】小やぎのかんむりのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

お嬢様学校白桐に通っている夏芽は、父親の横暴から逃れるためお寺で行われているサマースティに申し込んだ。行ってみるとなんと参加者は夏芽一人だった。
そこへ母親に置き去りにされた5才の雷太と、お寺の草刈りの助っ人、3匹の山羊をつれた高校生の葉介が加わる。
お寺の手伝いをしながら規則正しい生活をし、幼い子の相手をすることによって夏芽は自分の問題を整理し、初めて他人に相談することができるようになる。
山羊が帰り、夏休みが終わり、力強い味方を得て夏芽は自分の生活に戻ってゆく。

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2017年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同業者が何人か「良かった」と言っていて読み始めた。

表紙のイラストの可愛さに反して、テーマは重たい。
夏芽は言葉で父に支配され、そのことに反感を持ち、そんな自分が汚らわしいと自分を責める。
雷太は父に暴力を振るわれ、バカと言われ、自分はダメな子と思っている。

そんな二人がお寺で出会う。
夏芽は親から逃げるように参加したサマーキャンプ。
雷太は母親から突然預けられ。

しかし、傷ついた二人に対し、お寺の人たちは穏やかで優しかった。
ひょんなことから飼うことになった3匹のヤギとその世話役の葉介も加わったお寺の夏。
夏芽はだんだん摂食障害の症状も収まり、雷太は子どもらしく伸び伸び過ごすように。
しかし、そう簡単には二人の傷は治らない。

仕事を弟子に任せて遊び歩いている一見どうしようもない住職が、夏芽に言う言葉
「親子は、ただの縁。それ以上でも、それ以下でもない」
親子関係がうまくいかない人達には、この言葉に救われるだろうなと思った。

夏芽には友達がいる、逃げられる場所がある、待っていてくれる人がいる。
それだけで、自立するまで力強く生きていけるのではないだろうか。

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2017年06月26日

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