あらすじ
モンモウ病に罹患し外国をさすらっていた桐人(きりひと)は、かつての恩師・竜ヶ浦(りゅうがうら)教授の裏切りを知った! 急ぎ帰国した桐人は、いまや野望をとげ、日本医師会会長の座を手に入れた竜ヶ浦に復讐を誓う! 竜ヶ浦の陰謀の証拠とモンモウ病の正体を発表した桐人の運命は……!? 医学会の権力闘争と人間の尊厳を描いた感動のヒューマン・ドラマ、堂々の完結編! <手塚治虫漫画全集収録巻数>MT33『きりひと讃歌』第3巻収録 MT34『きりひと讃歌』第4巻収録 <初出掲載>『きりひと讃歌』 1970年4月10日号~1971年12月25日号 ビッグコミック連載
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
下巻。
桐人の復讐はひとまず達成された。が、顔が変わるわけでもなく、モンモウ病患者の外見を背負いながら、自分を必要としてくれる人たちのいる場所へ帰っていく…。
権力の亡者の竜ヶ浦教授とは正反対に、出てくる女の人がみんな善人というのも面白い。桐人を差別せず献身的に看病したたづ、ヤケを起こした桐人をなだめ支える人間天プラ芸で身を立てる麗花、同じモンモウ病患者で修道女のヘレン、桐人を本当に愛しアラブの難民キャンプで共に生きる決意をするいずみ…。
奇病の原因がその土地の水に含まれる微量の結晶体ということになっているが、ちょっと腑に落ちなかった。結晶体って何だろう?と。
調べてみたら、初版では「放射性障害」「核物質」となっていたものが、版を重ねるうちに「微量の結晶体の蓄積によってもたらされる内分泌障害」に書きかえられたそうだ。
放射能関連の言葉が14箇所も削除されているそうだから、何となく察しがつく。
そういうのも念頭に置いて読んでみるのも面白いかもしれない。出版界にも竜ヶ浦教授みたいのがいるんだな、と。
Posted by ブクログ
今までに読んだ手塚治虫さんの作品の中で一番印象に残っています。一番好きかも。結末は思っていたほど悪いものではなかったので安心しました。
一抹の虚しさのようなものが胸に残ります。名作。
Posted by ブクログ
あれ、思っていた結末と違いますねぇ。
違うマンガとまざっているのかな?
わたしの以前読んだ記憶だと、竜ヶ浦先生は、「それでも、わしは、自分の見立てを信じる」みたいなことをいって、自分の選んだ治療法を死んでいったみたいな記憶があるのですが。
全然、違うな。なんだ、この記憶は?
手塚 治虫のマンガだとは思うのですが。