【感想・ネタバレ】技術大国幻想の終わり これが日本の生きる道のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

新聞の書評欄にあり、「日本の技術は世界トップレベル」に疑問を呈しているところに興味があったので。

以下、気になった内容抜粋
・残念ながら日本の制度は、まだまだ遅れている部分があります。・・・完璧な状態が与えられることを与条件と考えて文句をいうことにエネルギーを注ぐよりも、遅れている部分や悪い部分の解決に力を注ぐほうがより建設的です。
・…目の前で起こっている事実を科学的に説明できる言葉を持っていることです…しかしすべての職人がこうした真のベテランではありません。実際の職人の仕事には、日本人でなくても三年くらいまじめに修業すればできるようになるという仕事が少なくありません。だから「日本の職人がスゴイ」と板ズレに持ちあげるのは、ギャウにものづくりに対する誤解を増長させるだけのような気がします。
・そもそも「品質が良い」というのはどういうことでしょうか。一番大切なのは、品質とは、あくまで消費者の要求に応えているかどうかで決まってくるということです。
・…品質の良さなどは、今でも日本の技術のアドバンテージです…過剰なまでの品質チェックを含め、形を整えることばかりを考えているという特徴に現れています。もちろん品質チェック自体はするべきものですが、その過剰さが高価格につながって競争力を落としているとするとやはり問題でしょう。
・先行組と後発組にはやはり歴然とした差があるのです。この差は非常に小さなものの用に見えますが、ほんとうの意味で後発組が先行組のレベルにまで追いつくには多くの努力と時間が必要です。それはつまり、先行組が自らの優位性を認識して、その部分でえいえいと泥y串続けていれば、技術レベルの差が埋まるような自体はなかなか訪れないことを意味します。
・GDPが一万ドルをコスト、二輪車から今度は四輪車、すなわち自動車が求められるようになるようです。ちなみに二万ドルを越してくると、物質的に必要な物がある程度行き渡った社会になり、人々の考え方が変化してきます。
・人の考えや行動には階層性があります。この階層の上位にあるのは、考えるのは大変だけれど本当にやらなければならないことです。一方、階層の下位にあるのは、あまり深く考えずにやることができる決まりきったことです。
・どのような方向に進むにせよ、結果を出し続けるためには、常に進化し続けることが求められています。
・技術にせよ、社会の仕組みにせよ、最初は何も整備されていないうちは試行錯誤しながら自分たちで作っていきます。しかしそれがうまく行ってマニュアルが整備されるようになり成熟化が進むと、自分たちの頭では考えないけれど、うまくいく方法をなぞることで、効率的な運用ができるようになります。それがさらに進むと、誰かが決めたんだからその通りにやろうということになります。そうなるとなんのためにやるのか、という肝心な部分が抜け落ち、その結果、だれも考える人がいなくなる・・・・。やっている当人たちは大真面目ですが、実際は主体性も責任感もない思考停止状態でことは進んでいきます。

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2016年05月05日

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