【感想・ネタバレ】陪審法廷のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

陪審員制度について、深く
考えさせられる作品だった。
物語の展開が早くあっという間にひきこまれてしまい、読み出したらとまらない。

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2012年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

牧田研一はジュニアハイスクールの卒業式の翌日、ダンスパーティーの夜に隣人のクレイトンを射殺する。
グアテマラから必死にアメリカを目指し、養女となってようやく安寧の日々を手に入れたパネラを守るために。
養父であるクレイトンは、妻に隠れてパメラに3年間も性的虐待を続けてきた。
養父を殺害しようと決意しているパメラに代わり、研一はクレイトンに向けて銃を放ったのだ。
法廷での検察側と弁護側の攻防。
緊張感にあふれ、一進一退のまま最終弁論を迎える。
すべては12人の陪審員の判断に委ねられ、いよいよ評決の話し合いが開始された。
面倒なことは少しでも早く済ませて日常の生活に戻りたい者。
15歳の少年の人生を左右する責任があることをまったく自覚しない者。
所詮他人事でしかない者。
殺害したことは事実なのだから有罪が妥当だと単純に考える者。
陪審員たちの話し合いはなかなかまとまらない。
評決への道筋をつけたのはひとりの陪審員の発言だった。
彼女は訴える。
陪審制度は何故あるのかと。
法にのっとり、事実だけを検証し、有罪か無罪かを決めるだけであれば陪審員は必要ない。
事件に関わるすべてのデータを判例に照らし合わせてコンピューターが決めればいいと。
法の専門家でもない市民が陪審員として評決の場に呼ばれるのは、機械では測ることの出来ない「情」をくみ取れということではないのかと。
他人に起きた不幸を自分に置き換えてみる。
もしも自分だったら。
もしも自分の娘だったら。
もしも自分の妻だったら。
評議の場で交わされる会話のすべてが、リアリティのあるものに感じられた。
殺害という最悪の選択をした研一とパメラ。
贖罪の気持ちを忘れずに、強く生きて、出来れば良い未来を作り出してくれると信じたい気持ちになった。

実際にアメリカで起こった「性的虐待を受けているガールフレンドのために、彼女の父親を殺害した少年」の事件がベースになっているらしい。
その事件では、加害者の少年は終身刑の判決が下されている。

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2017年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アメリカで養父にレイプされ続けた移民少女を救うため、養父を殺害した日本人少年の裁判。「Cの福音」「巨流再生」などをイメージするとちょっと違う。

「裁判員制度」が導入される時はいろいろな議論を巻き起こしたが、そこが日本、導入されてしまえば無条件で従い、修正議論もおこらずマスコミも忘れたかのように何も言わない。この作品は導入以前で当時のテーマとしてはホットだが、「なぜ、法律知識のない一般市民に陪審員として判断を求めるのか」を「情」で結論づけるだけでなく、事件に興味を持たない陪審員が徐々に関心を示し、最語にはひとつの結論に辿り着くのは”楡らしくない”視点。御用本みたいになっている。楡ならば逆の結論の巻き起こす混乱・怒り・悲しみなんかを描いて欲しかった。

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2012年05月12日

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