あらすじ
渋谷十三番街の廃教会で運が良ければ会えるというその料理人の作る料理はこの上なく美味だが食べた者は死ぬという。証拠も残らぬ禁断の料理を作る最後の晩餐料理人シドウ。この男の正体は…?
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Posted by ブクログ
この世に、料理を題材とした漫画は数々、多くあれども、ここまで人間の本質、しかも、根幹にある闇に迫りすぎてしまっている料理漫画はそうそう無いだろう
ともかく、人が死なない回が一つとしてない
元来、料理とは他の生物から奪った命の上に成り立つもの
生きる為に食うのが、それである
高価かつ稀少な食材をゲットする為に命を懸ける、失われゆく伝統の技術を会得する為に人生を投げ打つ
しかし、この漫画の中では「死んでも食いたい」なんて、在り来たりの表現が洒落にならない
食ったら、待っているのは死しかないのだから。それが、シドウを前にした時の、唯一にして絶対的なルールなのだから
それでも、「食いたい」と願ってしまう、食ってしまうのは人間が持つ、生への執着すら超えた自己満足欲か・・・・・・
・・・・・・とは言え、人間、誰にでもあるはずだ、死ぬ間際に美味い物を食いたい、そんな欲が
美食の前では、人間、被っている『顔』など、容易に剥がされる
また、作中に登場する料理が色物などではなく、実際に「美味いんだろうな」と読み手にも伝わってくるモノであるのも、ポイントが高い
エグい本編とは一転して、コミカルなオマケ漫画も推し要因
これは怖いもの見たさって意味で、次巻が楽しみである
さて、私に相応しい最後の晩餐は何だろうか、と考えながら、今一度、読み返そうか