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Posted by ブクログ
天狗などのあやかしが「ばけもの」と文字だけだとなかなかどストレートで遠慮なしに呼ばれていて(普通なら「化け物」と呼ばれたらネガティブな展開しか想像できない)しかも、普通の人間たちと共存している日本というその設定からして、まずびっくりしました。
現代日本なのに非科学的な存在を受け入れちゃったかという。
だから、ばけものと恋も結婚もできちゃったりする。
お試し夫婦から始まった、カラスのばけもの(正確にはちょっと違うけど)で「結婚適齢期」な青年と、結婚を考えていた相手と破局して傷心中の人間の女性の不器用な恋愛ものではありますが、和紙に関わるトリビア的あれこれも楽しくて、すいすいと読めました。
ちょっとミステリ風で謎解き要素もありましたし。
特に終盤の怒涛のぶっちゃけ話には度肝を抜かれました。
カラスの元親くんの不憫ぶりに泣けるぞ。
終盤で明らかになる話を踏まえてまた最初から読むと、彼の言動の意味が分かったり、納得できるところも出てきたりするので、二度目の読書も楽しい話でした。