あらすじ
ウイルスはわれわれ生物の創造主!?
ウイルスと聞くと「病気の原因」と思いがちだが、病気を引き起こすウイルスはほんのわずか。ほとんどは無害だ。われわれの身のまわりにはそんな知られざるウイルスがいっぱいいる。細菌と混同されがちだが、ウイルスは生物ではなく、「生物と物質のすきま的存在」とされる。だが遺伝子をもち増殖していく。極小サイズで基本形は正二十面体。毒にも薬にもなる。
そんな不思議なウイルスの基礎知識から、2003年に発見された「巨大ウイルス」がひらく新しい生物進化の可能性まで、巨大ウイルス研究の第一人者が一般向けに楽しく面白く語る。ヒトゲノムの半分以上はウイルス由来だ。「ウイルスはわれわれ生物の創造主なのか? われわれはウイルスが増えるための存在なのか?」――読み終わったとき、世界の見方が変わるかも!? 楽しいウイルスのカラー口絵つき!
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Posted by ブクログ
非常に分かりやすく書かれている。
①ウイルスは細菌の1/10から1/100
②2003年巨大ウイルス発見1)ウイルスが生物の創造主2)生物はウイルスを増やす存在
③ウイルスは24時間で100万倍増える
④生物の定義1)細胞2)代謝3)自己複製4)巨大ウイルス
⑤ウイルスの基本形 カプシド 二十面体 バクテリオファージ
1)吸着2)侵入3)脱穀4)合成5)熟成6)放出
⑥ジェンナー パスツール ワクチン
⑦レトロウイルス RNA →DNA に変えて増やすすごいやつ
⑧バクテリア アーキア アメーバ P 133
⑨セントラルドグマ: DNA 転写 RNA 翻訳アミノ酸
⑩ウイルスの起源1)細胞がリボソーム捨てる 2)細胞からプラスミド分離
⑪ミミウイルスは rRNA を持っている翻訳遺伝子あり
⑫真核生物は巨大ウイルスと遺伝子やり取り
⑬人の胎盤シンシチンはウイルス遺伝子
⑭ウイルスは種をまたぐ遺伝子の運び屋
⑮全生物と巨大ウイルスの祖先は DNA レプリコン
⑯まとめ
巨大ウイルスの祖先が真核生物の祖先に感染→細胞核
Posted by ブクログ
好き、自分が言いたかったことを言葉にしてくれた。
コロナ流行で再版されてたが、それ関係は全くないし、コロナに関連しては何も役には立たないと思う。
後半は著者の論説を説明するためのものになっていたが、それに至るまでも説明は丁寧で、面白かった。
難しい言葉も多く、その場では理解したつもりでもやはり覚えきれず、何度も読み直した、ただ後からキーワードを確認する際には若干読みにくさあり。
Posted by ブクログ
本来、ウイルスは宿主を殺したりはしない。例えばインフルエンザウイルスは、もともとは水鳥の腸内にいるウイルス。水鳥の中にいる限り病気を引き起こすこともなく静かに引き継がれるだけ。ところが、何らかのきっかけで、本来の宿主でないヒトの中に入ってしまったため、インフルエンザを追い出そうとするヒトが高熱を出し、場合によっては死に至ってしまうというもの。エボラウイルスも本来の宿主は蝙蝠。蝙蝠はエボラに感染しても何ら問題ないのに、ヒトに感染してしまうと血管や臓器を破壊し破滅的な結果をもたらしてしまう。武漢から流行したコロナウイルスの感染は当然といえばあまりに当然の帰結。何とも遣る瀬無い。
他方、ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ。本書では、この事実を丁寧に紐解く。ウイルスは人類にとって必要不可欠な存在でもあるのだ。