【感想・ネタバレ】B面昭和史 1926-1945のレビュー

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Posted by ブクログ

民草(国民)から見た第二次世界大戦。明らかに人命がかかっているオリンピック開催ですら私達民草は今リアルタイム(2021/06/11)に「なんとなく」止める事もできず、私達日本人は何度でも同じ事をしでかす自信がある。

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2021年06月11日

Posted by ブクログ

A面に位置付けられる『昭和史』を読んだ後に本書を読みました。
A面が昭和史を俯瞰したものであるのに対し、本書は個人の目線から見える昭和史を見事に描いた作品といえるでしょう。
例えるならば、A面で昭和史の地図を描き、B面ではその地図に基づきストリートビューを描く、そんな関係かと思います。

例のごとく軽妙な半藤節によって、昭和の激動の時代を庶民がいかに生きたかを臨場感をもって追体験できます。

終戦直前の昭和19、20年は、B面的話題が乏しくなり、その点について批判もあるようですが、私はむしろ、そのようにB面に戦争が侵食していく過程、すなわち庶民の生活が戦争一色に染められていく過程が本書のとても重要なポイントだと思っています。

新聞やラジオから聞こえてくる遠い国での戦争が、いつの間にかすぐそこに、家の中まで来ている。そして、当たり前だった娯楽もなくなり、人間が人間でなくなる世界になっていく。その過程が実にリアルに描かれており、改めて戦争というものの恐ろしさを感じさせます。

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2020年11月02日

Posted by ブクログ

ライブラリー版655頁は、さすがに読み応えたっぷりだった。
政治・経済・外交=A面を中心とした昭和史は数あれど、著者のいう民草(たみくさ)の日常生活=B面を主題とし、通史的に書かれるのは、貴重な試みだろう。
1926年から1945年までを対象にしており、著者の体験を交えて、和やかに穏やかに続いている庶民史が綴られている。とはいえ、時代ゆえ迫り来る戦争についても語らざるを得ない。
昭和5年に生まれ、物こころついた時からすでに「非常時」の中にいたという、歴史探偵を自称する著者は、その経験から、日本人がみんな戦争への集団催眠にかかっていたというほかないと、述べる。
軍部や政府の情報操作による巧みな扇動にうまうまと乗せられたというより、国民の中にそれを受け入れる素地があったとも。すなわち、近代日本になっていらい負けたことがなく、無敵日本という自己過信や好戦的と変わった国民の心情が。
国民とは、真の情報に接することのできないあわれな存在であり、いつの時代であってもこんなはずではなかったと、気づいたときには遅すぎる。それが歴史の恐ろしさというのではないかと、著者は警告する。
さらにあとがきで、著者は強調する。
「国力が弱まり社会が混沌としてくると、人びとはは強い英雄(独裁者)を希求するようになる。また、人びとの政治的無関心が高まると、それに乗じてつぎつぎに法が整備されることで権力の抑圧も強まり、そこにある種の危機が襲ってくるともう後戻りはできなくなる。あるいはまた、同じ勇ましいフレーズを繰り返し聞かされることで思考が停止し、強いものに従うことが一種の幸福感となる。そして同調する仲間が生まれ、自分たちと異なる考えを持つものを軽蔑し、それを攻撃することが罪と思われなくなる」
戦争を経験した著者の、まさに今の日本を見据えた直言ではないだろうか。

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2022年03月25日

Posted by ブクログ

 昭3年、不景気のどん底。昭4年、就職難。昭5年、失業者32万人。どこか令和に似てる世相が。政治家は確かに情けないけど、国民も地に足をつけて、自分に恥じない仕事や生き方をしなければと思うこの頃です。半藤一利「B面昭和史 1926ー1945」、655頁、2016.2刊行、2019.2文庫。クラウゼヴィッツの言: 戦争は突如として勃発するものではない。昭和6年の満州事変から昭和20年の敗戦、悲惨な戦争を二度と起こしたり、参加したりしないように!

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2023年12月26日

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