【感想・ネタバレ】ニチョウ 東京地検特捜部特別分室のレビュー

落合洋司

東京地検特捜部の解体を狙う法務省に抗い、最高検察庁検事総長の伊東は直轄組織〈ニチョウ〉を設立した。その統括者の立花が手にしたのは、現職検事の関与をほのめかす怪しげな投書だった！ 法務省や国会議員の圧力のもと、山下がたどり着いた真実とは？

[ブクログ · ★★★★☆]

埋もれた事件を掘り起こす東京地検特捜部特別分室の立花真一郎が活躍する物語だが、検察の中の人の動きが詳細に記載されており、楽しめた．群馬の金融業者が殺害された事件で、犯人の自供で事は終わり、芦田安男は徳島で服役中．ただ事件現場に現役検事がいたという証言もあり、立花らは調査を開始．芦田を調べる中で次第に供述に綻びがでてくる．通信社のファイルにあったメモから、事件の全貌が明らかになる過程は、非常に面白かった．山吹美里の存在もユニークだった．