あらすじ
生き物の観察を趣味としている、生物部の怪人とあだ名される晃は、モテ男・康春を観察し、ノートに記録していた。
イケメンで成績優秀、スポーツ万能そして副会長という自分とは真逆の人間に興味をもったからだ。
観察者は観察対象に対して適正距離を保つことをモットーとしている晃だったが、あることをきっかけに康春から声をかけられてしまい……!?
感情タグBEST3
良い感じに期待を裏切られました
面白いタイトルだったので、コミカルな感じを予想して読んだのですが、かっこいい二人の話で感動しちゃいました!
伊崎くんは堂々としてかっこよくて、菅原くんは一途で好きな人のために頑張れるかっこいい人。
こんなに切なくて悩みを乗り越えて行く二人を見ることができるお話とは思わず、大満足の一冊になりました☆
受けの寄生虫ヲタ君が、一人の人間としてとても魅力的でした。
攻めの友達や学校の生徒たちも、同性愛に何の引っ掛かりも感じない理想郷の優しい世界の住人ではなく、ほどほどにリアリティーのある思考や態度だったのが物語的に良かったです。
大好きです!
感動しました!2人それぞれの考え方とか、相手のどんなところが好きなのかとかがしっかり描かれていて面白かったです。私は二人でないとだめな理由がしっくりくるカプが好きなのでこの二人は本当に好きです。素敵な漫画を描いてくれてありがとうございます!
匿名
奥深い話をコミカルに仕立てている感じですね。
コメディかと思いきや至極真面目な作品です。
でも重々しくないのは絵のタッチとキャラの立て方なのでしょうか。
読みやすくて読みごたえのある、おもしろい作品でした。
Posted by ブクログ
寄生虫や虫が大好きで生き物の観察を趣味にしている晃は自覚のある陰キャ。
晃がモテ男の康春を観察していることから始まる。
観察していることが康春にバレてつきまとわれるんですが、この康春の晃に対する察知能力?がすごい。
「自分と同じなんじゃないか」
とはなかなか気づかないと思う。しかも接点も無く話したこともないような相手で。
康春がオープンにカミングアウトしていることによって、人の目が違ってくるのも考えさせられた。
例のことで人に何か言われるたびに康春が返す答がすとんと心に落ちる。
だからといって無理して付き合うこともないし、受け入れたり理解を得るというのが難しいこともわかっている。
晃の「このまま」でいられるものはほとんど無い、「伝えない」という選択はできるけど、それはどこにも向かわずに「死んで」しまうんだと、わかっているけどそれは哀しいし淋しいと思った。
衝撃だったのが「無遠慮な凝視」。
感情を伴う視線は善し悪し含めてあるけれど、憧れとか好意ではなく、存在を無視されるのでもなく、興味があって見るわけではなく、ただ「凝視されること」
怖かった。
なぜそんなに注視するのかわからない。
カミングアウトや告白によって人の目がこんなにも変わるものなのか。
同性愛者だとしても、それがどうして他人に言い訳したり反発しなくてはいけないのか。
人が誰を好きだろうと性癖が受け入れないだろうが、何も関係ないだろうに。
それに対する先生の言葉も良かった。
したいことをしたいように。
たとえ人と違うとしても、人と違うことや物に興味があるとしても関係ない。
ただ、あるがままを受け入れる。もしくは普通に接していればいい。
大切な人のことならなおのこと、理解したいと思う。
表紙やタイトルから受ける印象と違い、この作品はコメディですが、深く考えさせられる作品でした。