あらすじ
大阪と聞いて何を思いうかべるだろうか? 芸人顔負けのおばちゃん、アンチ巨人の熱狂的阪神ファン、“金もうけとど根性”の商売人……しかしそれらは東京のメディアが誇張し、大阪側も話を盛ってひろがった、つくられた大阪的イメージだ。「おもろいおばはん」の登場は予算のない在阪テレビ局が素人出演番組を安く量産した結果だし、阪神戦のテレビ中継がまだない一九六〇年代、甲子園球場は対巨人戦以外ガラガラだった。ドケチな印象はテレビドラマが植えつけたもので、「がめつい」は本来、大阪言葉ではなかった。多面的な視点から、紋切型の大阪像をくつがえす。
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Posted by ブクログ
<目次>
第1章 大阪人はおもしろい?
第2章 阪神ファンがふえた訳
第3章 エロい街だとはやされて
第4章 美しい人は阪急神戸線の沿線に
第5章 音楽の都
第6章 「食いだおれ」と言われても
第7章 アメリカの影
第8章 歴史のなかの大阪像
第9章 大阪と大阪弁の物語
<内容>
産経新聞大阪版夕刊の連載を加筆してまとめたもの。第1~3章は、若干大阪人のひがみかな、とも読める。第5~8章は知らない話が多かった。まあ、8章の「弥生土器」や「古墳時代」の名称の是非はあまり気にならないが、「大阪」大坂」の違いについては、最近知ったことだがあまり区別する必要はなさそうだ。第9章の大阪弁については、現在の大阪弁は厳密に言えば「河内弁」(特に今東光の仕業らしい)に近いという話は面白かった。