【感想・ネタバレ】十返舎一九 あすなろ道中事件帖 : 2 銀色の猫のレビュー

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Posted by ブクログ

「木村忠啓」の長篇時代小説『十返舎一九 あすなろ道中事件帖(2) 銀色の猫』を読みました。

『十返舎一九 あすなろ道中事件帖(1) 悪女のゆめ』に続き、「木村忠啓」作品に続き時代小説です。

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戯作者として一本立ちしたいと奮闘努力する「重田貞一(のちの十返舎一九)」のもとへ奇妙な依頼が舞い込んだ。
大店の番頭が可愛がっていた猫を捜してほしいという。
時に毛並みが銀色に輝くという珍しい猫を、岡っ引の「岩徳」と町じゅう廻って捜し始めた「貞一」だったが、やがてこの依頼には何か裏があると気づく…。
気骨ある若き主人公の姿と江戸の勧善懲悪が小気味よい、好評シリーズ第2弾!
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「十返舎一九 あすなろ道中事件帖」シリーズの2作目にあたる作品… 2018年(平成30年)に刊行された作品です。

 ■第一章 依頼
 ■第二章 影
 ■第三章 捜し猫
 ■第四章 それぞれの願い
 ■終章 《みの屋》にて


『東海道中膝栗毛』の著者「重田貞一(のちの十返舎一九)」が、戯作者を目指していた若かりし頃を描いた物語、、、

小間物屋の「いりがね屋」の番頭を勤める「勝助」からの依頼により、飼っていた三毛猫の「しろ」を探すことになった「貞一」と「岩徳」… 十手を預かる身に相応しいか首を傾げる事案だったが、その裏には、盗賊の「夜狐の銀二」、「風祭の長十郎」等による「いりがね屋」襲撃の計画があった。

まだデビューもしていないが戯作だけで食っていくとの夢を捨てきれない「貞一」を、仇と狙う「鵺文」こと「大枡屋文左衛門」の暗躍、そして「いりがね屋」襲撃計画の捕り物、「岩徳」と「お峰」、南北奉行を始めとした面々、「蔦屋重三郎」や戯作者「唐来三和」たちも交えて、重層的に物語は展開… 前作よりは面白くなってきた感じがしましたね。

「お峰」が岡っ引きの真似事をしながら積極的に事件の真相を推理する姿は、彼女の成長が感じられましたね… こういうところはシリーズ物の良いところですよね、、、

「鵺文」との対決や、「蔦屋重三郎」が「貞一」を厚遇する理由等、続篇への期待や興味を感じさせるエンディング… 1作目よりもクオリティが高くなってきた感じするし、機会があれば、続篇も読んでみたいですね。

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2023年05月02日

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