あらすじ
議論にも、スポーツと同様にルールがある。本書を読めば、国会中継、テレビ討論、ニュース番組を見る目が一変。友人との会話も、会社の会議も、自由自在にコントロールできる。噛み合わない不毛な議論にオサラバを! ロングセラーの旧版に新たな図版・事例を付して、大幅な加筆を施した決定版。
◆「議論」を知ると、いいことが、こんなにある!
1 世界の出来事すべてに対して、自分の見方が変化する。
2 「自分自身のものの捉え方」を知るチャンスが得られる。
3 議論の「内容」と「構造」が別物であることを理解できる。
4 議論の場のやりとりを整理し、まとめる視座が得られる。
5 質・程度・内容に合わせた「議論レベル」を選択できる。etc.
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Posted by ブクログ
トゥールミンモデルを知ることのできる1冊。小学校の時に知りたかった。。。論理的に考えることをずっと難しく考えていたが、この構造をきちんと押さえておけば、応用が効く。warrantの概念大事。ほんと出会えて良かった一冊。
後半はじっくり読むの大変だったので流し読み。
議論スキルなど、頭に入れたい内容がまだあるので、再読の予定。
Posted by ブクログ
▪️序章
1)日常のやりとりからよりフォーマルな議論へ
・裁判官の会話と今日のお昼決めの会話。論証の形式は一緒だけれど、根拠から主張への飛躍の大きさ、隠された根拠の推定が困難という2つの違いがある。
・フォーマルな議論とは、根拠の適切性、根拠から主張への飛躍が大きくないこと、隠れた根拠の明示が必要に応じて要求されるもの。
▪️入門編
1) ルールとは何か
・自分の発言が論証の形をとっていることが基本ルール。主張があり、それを導くための根拠があり、さらに隠れている根拠が提示されれば最高。
また、根拠の適切性、根拠からどのようにしてある特定の主張が導かれたのかの導出の妥当性についても吟味することもルール。
2) トゥールミンの議論モデル
・隠れた根拠のことを、論拠と呼んでいる
▪️初級編
1)主張・根拠・論拠をもう少し考えてみよう
・誰かからの反論を十分に許すだけの論証構造をあらかじめ用意してから主張することが重要。以下のような下準備が必要。
1. 自分の主張は根拠とともに提示されているか
2.根拠は主張を支持するに適切か、信頼性はあるか、すなわち実証可能か
3.根拠から主張への飛躍は適切か
4.論拠は明示されているか
5.必要に応じて論拠を提示できるか
・飛躍を伴わない意見は主張ではない
前提から結論へのジャンプの幅が小さいと、その論証は生産力を失う。他方、あまりに大きいと、説得力を失う。そのバランスをとりながら、小さなジャンプを重ねて距離をかせがなくてはならない。それが、論証である。
・主張は正当か?
子供を育てるのに甘やかしてはいけない。
育てるとは?甘やかすとは?主張に含まれる言葉の定義からスタートする必要がある。
・単純論証、結合論証、合流論証
複数の論証間の関係を検討することも大切
2) 前提/根拠としての事実、考えを使い分ける
・経験的事実…ロンドンはよくあめがふる
・考え…推測はおそらく事実と思われるが確実ではない、実証されれば事実へ昇格する。意見は、裏付けのない態度表明。
3) 演繹と帰納
・前提が正しい場合でも、そこから導かれる結論が必ずしも正しいとは言い切れない論証を帰納的論証と言う
・前提が正しければ導かれる結論が必ず正しくなる論証を演繹的論証と言う
4) 裏付け、限定後、反証
・論拠についてはそれを支持する裏付けを明記する…英国席で生まれた人の国籍に関する法律によぬねそのように定められているから
・論拠のたしからしさの程度を示す限定語(たぶん、おそらく※日本語だと差はないが英語にはある)をつける
・論拠の効力に対する保留条件としての反証を提示する…彼の両親がともに外国人だったり、彼自身がアメリカに帰化したのではない限りは
▪️中級編
1)論拠がわかれば議論がわかる
・論拠が明示されない理由は3つ
論拠が必要であることを知らない場合、論拠について知っていても内省的に意識できない場合、意図的に表に出さない場合
2) 論拠が経験的事実に意味づけをする
・本人が罪を自白したという経験的事実。論拠1 本人が話す内容は信ぴょう性あり→主張1 彼は犯罪人である。論拠2 本人が話す内容は強制されたもの→主張2 彼は無実である
▪️実践編
▪️終章
1) 議論のレベル
・レベル1日常の議論。論拠を提示する必要がない議論。
・レベル2公の場での議論。根拠および隠れた根拠としての論拠の中身を明示する必要がある。社内会議、取引先との会議プレゼン、国会議員の質疑応答など。
・レベル3科学的議論。論拠をはじめに提示する必要がある。
Posted by ブクログ
議論とは「主張/結論、なぜなら、前提/根拠+論拠(暗黙の仮定)」、「前提/根拠+論拠(暗黙の仮定)、だから、主張/結論」という論証の形を取るコミュニケーションのこと。
よい議論とは、この根拠が適切で根拠から主張への飛躍が小さく、論拠(暗黙の仮定=隠れた根拠)への説明もできるもの。
日常会話はさておき、仕事では意義のある議論をしたいと思って読んでみたらためになった。議論の定義を知ることができた。
Posted by ブクログ
議論の基本が書いているので、議論とは何かを知るのにはとても良い本だと思った。読むだけで議論が上手くなるわけではない。しかし、議論を型を知ることができるので、会議での議論が間違っているかを判断できるようになる。どんな根拠に基づいているか?論拠はなんなのか?どこまでがひとまとまりの根拠かを見極められるようになる。
Posted by ブクログ
目からうろこの感がした。議論がいくつかの論証からなり、「論証」は「主張(結論)」が最初に提示され、それを支える「根拠(データ、事実)」、さらに根拠に近いが常にはあまり意識しない「論拠(隠れた根拠、暗黙の仮定)」から構成されるという。しかし日本人は議論の訓練に慣れていない。国会での質疑ですら体をなしていない。▼論拠の説明も面白かった。同じ根拠から出発しても異なった論拠を有すると異なった主張・結論に達する。論拠とは常識に近いもので、各人の有する論拠は異なっていることが多い。論拠の違っている人を議論で説得するためには、相手に論拠をどう認めてもらうかが重要だが、難しいと感じた。▼読後はスッキリした感じだったが、新聞の社説を読むと、何が主張で、何が根拠で、何が論拠なのかよく分からない。やはり日本人の主張が曖昧なのだろうか。また以前学校で習った作文における「起承転結」、「序破急」との関係はあるのだろうか。疑問は残る。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ論理思考系の本。
議論や主張というものを構造化して答えてくれる良書だが、
一般人はここまで意識していないことも多い(だろう)。
だから、ちょっと取っつきにくいし、分かりにくい。
(著者は練習問題などを取り入れて、
できるだけ分かりやすく説明しようと
試みてくれてはいます。)
こんなこと言ってるから、
日本人の議論は分かりにくいんだろうなと反省…。