あらすじ
子どもたちを真のデジタルネイティブである「クリエイティブ・シンカー」(創造的思考力・発想力を身に付けた人)に育てるにはどうしたらよいのか――。
そのために、大人たちはどのように振る舞えばよいのか――。
プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」の開発者が世に問う、人生100年時代の新しい教育論。
世界が、子供だけでなくすべての人にとっての創造的な思考と学びの大切さについて理解し始めるにつれ、メディアラボにおけるミッチの役割とライフロング・キンダーガーテン・グループの取り組みは、ますます重要になっています
(中略)
ミッチが掲げる4つのPの原則(Projects, Passion, Peers, Play)は、メディアラボの大学院生の教育プログラムはもとより、世界中で数百万の子供たちが利用しているプログラミング環境(言語でありコミュニティでもある)スクラッチ(Scratch)の基盤となる考え方です。
(中略)
私の願いは、この本が「急速に変貌する世界で生き残るためのコンパス」としての役割を果たすことです。
――日本語版序文より
この本は、子供、学び、創造性を気にかける人たち、子供たちのために玩具やアクティビティを選ぼうとしている保護者たち、生徒が学ぶ新しい方法を探している教育者たち、新しい教育体制を取り込もうとしている学校管理者たち、子供のための新しい製品やアクティビティを生み出そうとしている開発者たち、あるいは単純に子供、学び、そして創造性に興味を持つ人たちに向けて書かれています。
――第1章 創造的な学びより
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Posted by ブクログ
Scratchを開発したMITメディアラボの著者が、どんな想いでそれを創ったのかが綴られている本。
私が日頃子育てをする上で思っていることを書き表してくれた、この本に感謝します。スクラッチをやったことがないので、所々分かりにくい箇所がありますが、子供に創造力を持ち続けて欲しい親であれば読む価値はあると思います。
プログラミングを学ぶことは、コーディング自体を学ぶことに非ず!プログラミングというデジタルツールを通して、以下を学ぶのが大事なのだ。このことを子供に言い続けていきたい。
1.失敗してもいい(そもそも失敗なんてない)。思いついたらどんどんトライすべし。
2.仲間とともに共有し、自由に遊べ。
3.そして、たまに振り返ろう。
(どうやって思いついた? 一番驚いたことは?それで何をしたかった?)
Posted by ブクログ
これは決してscratchやプログラミングの本ではなく、創造的な学びについての本。
ティンカリング、という言葉を初めて知ったけれど、LEGOや物語を作りながらどんどん改造していくところは、息子はティンカラーなのかなと。
もしそうだとすると(もちろんそうでなくても)子供に対して、私たち親が、息子の創造的な学びをどう伸ばしたりサポートできるか、日々の対応や環境選びなど、充分なリサーチの必要を痛感した。
あと、子供だけではなく、私自身も、職場の同僚や部下たちも、ケーススタディにない場面に遭遇したときに解決できる策を見出すための方向性、考え方のヒントとして、得られるものが多い本だった。
Posted by ブクログ
子どもの、ひいては人間がつくり生み出すものであるには、仲間と共に、自らの好奇心のままに想像力を持って学び手を動かすことが必要で、要はレゴSUGEEEってこと。
面白いし子育て、教育にめっちゃ参考になるとは思ったけど、とりあえず2年後くらいに読み直したい。今はまだリアルに迫ってこないな。
Posted by ブクログ
大人がまじめに、子供が学ぶ時の方法を観察して、子供が楽しみながら学習する様を大人が学び、その子供たちに楽しく学べる場を大人が提供して、子供たちの創造性を育むことに取り組んでいる。
本書は、日本でも教育カリキュラムに取り入れられるプログラミング学習について、興味を持ったことと、子供たちにプログラミングを教えている現場の現状を知りたくて手に取った。
MITメディアラボの研究チームが、創造的な学び体験をサポートするためのオンライン講座を提供している。Learning Creative Learning. LCLというプログラム。
ブラジルやイタリアでも創造的な学び方が浸透しているようだ。
本書では、表題にあるLifelong Kindergarten 生涯幼稚園=創造的な学びの場を広く社会に浸透させたい強い情念つを持った人たちの活動の一端に触れることができ、創造的な学びの場を作り出す原則、4つのPを紹介され子供たちの体験談に触れることができる。
新しい知識を身に着けるということは、自らの理解を深め他人にも説明ができるようになっていること。その方法は、机に座って教科書とノートをもって教師から学ぶことがすべてではない。自ら進んで「問」を見つけて、課題と認識し、その課題解決に向けて考えて、いろんなことをやってみる。そして、時には失敗を繰り返し、最適な「解」に向けた取り組みを繰り返す。幼稚園に通う子供が、日々の遊びから学びを得ているように。本書では、プログラミングはスクラッチという言語を使っている。
多くの気づきを得ることができた本。
Posted by ブクログ
Cultivating Creativity through 4P(Projects,Passion,Peers and Play)に集約される。例によって具体例で埋めるパターン。既存の学校制度に親和させる形式での導入は難しい。やるなら大学か?大学も意外に学生が忙しい(勉学という意味以外でも)。遊び心と十分な時間,取り組める空間と仲間,Planning<Tinkering,・・・。
ポートフォリオの考え方は参考になった。数値化できないものをの原則。心理学者や教育学者,哲学者の「遊び」に関する箴言もなかなか。
PISAの誤訳にクスリとさせられた。