【感想・ネタバレ】キングレオの回想のレビュー

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Posted by ブクログ

前回よりキャラに寄った感じかな。新キャラの有が結構いいキャラだった。相変わらずキレキレの獅子丸…と思ったが、小さいながらミスをし引退を決意。それを知った論語が脱走。獅子丸と共に樹海にスカイダイブし行方不明に、というライヘンバッハの再演。本家に沿うのなら帰還すると思うが…というかこのままでは消化不良感が… そして獅子丸も大河もお互いへの感情が重すぎる。「双鴉橋」のキングレオ二次創作作家の「完全に解釈一致です。そして公式の圧の強さ、感動しました!」に笑ってしまった。まったくだよ!

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2022年01月16日

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ホームズになぞらえているシリーズなので、これがライヘンバッハなんだろう。そのうちひょっこり帰還するんだろう。

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2019年12月29日

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ネタバレ

 キングㇾオという通称を持つ日本探偵公社所属の名探偵,天親獅子丸の活躍を描く短編集の第2段
 ルヴォワールシリーズのパラレルワールドのような世界観であり,ルヴォワールシリーズとシンクロする登場人物が出てくる。城坂論語はモリアーティの位置で,犯罪コンサルタント。天親獅子丸のライバルという別格の存在位置
 公社の理事には龍樹山風の名前がある。ルヴォワールシリーズでは既に死んでいたので名前しか出ていないが,キングㇾオシリーズではいい味を出している。そのほか,鳥辺野有,天親雹平,税所密香,天親寅彦といった名前が登場。いずれもルヴォワールシリーズとシンクロさせる人物として描かれてる。
 個々の短編のデキとしては,相変わらずシャーロック・ホームズものパロディとしての完成度は低め。ミステリとしての完成度もそれほどでもなく,キングレオや天津大河と各回のゲスト的な存在との絡みを楽しむキャラクター小説と化している。それでもそれなりに面白く感じたのは文体が肌に合うというところと,この世界観が嫌いではないからだろう。おまけの★4で。
〇 大宮の醜聞
 ボヘミアの醜聞のパロディ。税所密香がアイリーナ・アドラー的な存在として描かれる。とはいえ,税所は大河の元恋人で世界中のセレブを誘惑した存在として描かれているので,アイリーナ・アドラーのパロディ的な存在とはかなり異なる。また,税所密香が,城坂論語にとってのルージュの存在位置であるプリミエールとなっている。こういう部分でルヴォワールシリーズとシンクロさせてくる。
 税所密香は,ある高名な人物から寵愛を受けた袖にする。何か外部に流出させてはいけないものを貰っていたのだとすれば取り返す必要がある。天親雹平(このシリーズでは獅子丸の弟という設定)から依頼を受け,獅子丸と大河は雹平の捜査に効力する。
 転身雹平は,ルヴォワールシリーズとは趣が大分異なり,宮内庁に勤める公務員という設定
 密香は獅子丸と大河の前に現れる。勝手な振舞いをし,獅子丸や大河との子どもを作りたいとまで言い出す始末。その姿を見て大河は,密香がどこかが悪く,心を占拠し続けることを目的として行動しているのではないかと見抜く。獅子丸は主治医の我鷹尊の連絡先を密香に教える。大河は密香をプリミエールという悪役でキングレオ譚に登場させるという。
 ミステリ的な要素は,ほぼなし。ただし,ルヴォワールシリーズにおける城坂論語にとってのルージュに当たる存在としてプリミエール=税所密香が登場する。税所密香は,かなりインパクトのある存在として描かれる。読後感はそれほど悪くない。キャラクター小説として楽しむべき作品。★3で。

〇 双鴉橋
 鳥野辺有が登場。挫折した小説家として登場し,公社スクリプトライターとして採用試験に臨む。採用試験のテーマは双鴉橋で起こった自殺事件の動機。ドローンを利用した偽装自殺の真相のプロットを説明すること
 試験に臨むのは鳥野辺有のほか3人。1人目は子門暁。デビュー10年目の人気ミステリ作家。2人目は山田月之丞。プロのゴーストライターでブラックジャックのような存在らしい。3人目は神野美心。HIMIKO★神成という名前でキングレオの二次創作をしている。
 試験では,まず,子門が双鴉橋を倒叙物として書くというアイデアを出し8点を得る。神野は大河が容疑者となる事件として仕上げるとして8点。山田はホワイダニットとして仕上げる。夫の心に残ろうと思って死んだというプロットで9点。
 これに対し有はプロットも出さずに獅子丸がどういう人物かを説明して9.5点を取る。
 しかし,大河は偽装殺人の立会人としてキングレオを利用しようとしたなら,犯人に死なれた時点で瑕になるとして,その部分を改変するという。これが10点。そうして全員を落としてしまう。
 残念回で有は獅子丸に真相と思う推理を伝える。その推理は,残る夫のために,嫉妬にかられた醜い女だったと思わせることで,自分のことを忘れるだろうと考えて自殺をしたという推理。この経緯を経て,有は獅子丸の助手になった。
 双鴉橋の真相についてスクリプトライターを選ぶ試験という形で推理合戦をするというプロットは面白い。真相はそこそこ。とはいえ,ミステリとしてそれなりの完成度。オチも予想を上回る。大河の性格がだんだんと暴走していくのが少し気になるが。おまけの★4で。

〇 六つの土下座蔵
 鳥野辺有がキングレオの助手として挑む事件。京都の町に残される謎の土下座像(高山彦九郎像)。有は本件の6つのナポレオン像を超えるために捜査をすべきだと焚き付け,キングレオに仕事をさせることに成功する。
 土下座像の作成は動画としてアップされていた。そのことに気付いたキングレオは自身が捜査している動画を作り,キングレオチャンネルとして動画を投稿する。
 キングレオは次の土下座像設置場所を祇園と見抜き,犯行を阻止する。
 黒幕はまたしても城坂論語。論語はキングレオの推移里の秘密を知るためにこのような騒動を計画した。
 キングレオは有に自分の推理の秘密を騙る。実際は直観で真相を見抜き,そのことを後付けで言語化しているだけであると。
 それなりに面白いミステリとして仕上がっているが,キングㇾオの推理の秘密が明かされたという点に意味がある一篇。シリーズを起承転結にするならここが転だろう。キングレオが近い将来失敗することを予想させる一篇である。★3で。

〇 タチバナの種5つ
 検察庁から謎の種5つが届く。鳥野辺有と北上イオが調査を始めるが,種を送ったのは検察官の天親寅彦だと分かる。タチバナの種5つの意味は獅子丸や寅彦たちが少年の頃に遭遇した事件の象徴。寅彦はキングレオに引導を渡し,引退させるという。
 キングレオ対寅彦の対決は国吉家の事件。金持ちの相続争いで兄を殺害したとしてキングレオは妹を逮捕。しかし,報告書と実際の死には1時間の誤差があった。実際は遺言書の書き換えがされていた。キングレオは遺言書は妹に有利な形に書き換えられていると考え,あえて遺言書には触れなかった。死者の犯罪を見逃すために。しかし,遺言書には一切の財産を相続させないという言葉が加えられていた。
 犯人は違っていなかったので,キングレオと寅彦の対決はキングレオの負けではなかった。しかし,遺言書の内容が推理=直観と違っていたことでキングレオは引退決意する。
 短編としてはそれなりに面白い。書き換えられた湯尾遺言書の内容がキングレオの推理と正反対だったことはインパクトがある。とはいえ,傑作と感じるほどでもない。★3で。

〇 最後の事件
 キングレオが引退を決意。獅子丸が表に出ないことで新作映画のプロモーションなどに影響が生じている。1か月間,ネットの麻雀ゲームをしていた獅子丸は謙虚な気持ちになり大河を悲しませたくないという理由でプロモーション活動を行う。
 陽虎からキングレオの引退を知った城坂論語は療養施設から脱走する。大規模なハッキング事件で仮装通貨を集め,飛行船オークトレール号での試写会の場でキングㇾオの前に現れる。論語はキングレオの孤独を救うために脱走をしてキングレオの前に現れたという。そして,キングレオに追ってくるように言った上で,パラシュートを使ってオークトレール号から飛び降りる。キングレオは,自分に「救わせてほしい」といった論語を死ぬ前後悔させると言って,論語を追ってオークトレール号から飛び降りる。その後,3か月経っても二人は姿を現さない。
 まさに最後の事件。シャーロック・ホームズとモリアーティがライヘンバッハの滝に飛びおりたように,論語とキングレオはオークトレール号から飛び降りる。とはいえ,高いところから一緒に飛び降りるという部分以外はパロディになっておらず,相変わらずパロディとしての完成度はそれほど高くない。ミステリとしての完成度も,それほどでもなく,キャラクター小説として楽しむべき作品だろう。いずれ,空き家の冒険のパロディで戻ってくると思われるが…。東京の十常寺という名前など,次の作品・シリーズへの伏線も少し用意されている。
 評価としては★3。サスペンス感のあるキャラクター小説としてはギリギリ及第点だろう。

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2019年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

論語くんはまあホームズに対するモリアーティ教授もしくはアイリーンだということで赦す(←ナニサマ笑)として……助手は……助手は……変更が必要なのか?!今頃、私と一緒に、あの二次創作してる女性が怒ってないか?!笑。
ということで、★一個マイナスしました……笑。キングレオの大河リスペクトは随所に見られ、それで私は生き延びた……。帰還を待ちます。

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2019年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結果的に正典になぞらえることができる事件もあれば、わざと寄せて探偵にやる気を出させてたりしてる。ライヘンバッハまでこういう風に使うとは面白いなー。

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2022年01月16日

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