あらすじ
『この世界の片隅に』のこうの史代が贈る、ほのぼのシュールな動物4コマ漫画! うさぎの家族と街の動物たちの日常を、鳥獣戯画へのオマージュを込め、ユーモアたっぷりに描く。また作中で使った漫画の記号表現「漫符」一つずつに解説が付されるユニークな仕掛けも。
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漫画の符丁を解説する絵として鳥獣人物戯画を下絵とし、それをここまで躍動感とユーモアに富んだ作品に仕上げるこうのさんには脱帽である。中でも主役のウサギのみみや、カエルのあおい、サルのきい子にちょっとした小物(耳のリボン、学生帽、スカート)を描き加えるだけでキャラクターを成立させている。もちろん、漫符の解説も判りやすいし、意識せずに(各漫符を)そういう風に読んでいたことへの気付きにもなった。
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鳥獣戯画のウサギやカエルと共に漫画特有の表現をゆる〜く俯瞰する漫画です。普段当たり前に見られる表現もこうやって一冊になると面白いですね。こうの史代さんならではの温かいタッチとのほほんとしたキャラがよくマッチしています。面白かった。
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もっと鳥獣戯画に寄せてるのかな、と予想してましたが、どちらかというと昭和の四コマですかね?
シュールになりすぎてないので、読みやすかったです。鳥獣戯画で四コママンガで漫符の解説・作例、って、既にかなりシュールですけども…
また、自分の表現手段について自覚的である、という意味で、インテリの仕事だな、と思いました。
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鳥獣戯画調に描かれたほのぼの動物4コマが、そのまま「漫符(漫画特有の表現記号)」の用例集になっているという素敵なご本です。
私は幼少期から漫画に親しんで育ったタイプなんですけど、漫符ってこんなにあったんだ(本書で取り上げられているものだけでも100種類以上)とびっくりすると共に、自分がその全ての意味を概ね正確に把握できていることも何だか不思議な感じ。
ずっと昔から(それこそ「鳥獣人物戯画」の時代から)大勢の人々と同じものを共有しているのだ……と思うと、本当に感慨深いなあ。
漫符事典として優れているだけでなく、お調子者のみみちゃんやクールなあおい君、頑張り屋のきい子ちゃんたちが織り成す日常がめちゃめちゃ楽しい!
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漫画の世界のお約束、それが〝漫符〟
どんな場面で
どういう意図で使われるのか
あの鳥獣戯画の動物たちに
実践してもらっちゃいました。
こりゃ、かわいい( ^∀^)
たった4コマの間に
うまく説明してくれるもんだなぁ。
子供の頃から漫画を読んでいると
自然にこの約束ごとを
身につけていくもんですが
著者のお母様のように
漫画を読みつけない人へは
教科書がわりになるのかもしれません。
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『この世界の片隅に』のこうの史代さんによる、いわば「マンガ表現の図鑑」。鳥獣戯画的な古式ゆかしい絵柄のマンガで実例を示しつつ、マンガの表現に使われる数々の記号が解説されまていきます。普段何となく見ている「漫符」。こんなに数多くのマンガ独特の表現法を、ほぼ何の疑問もなく理解して受け入れてるんだなぁと思うと、改めて驚きです。
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こうの史代は「この世界の片隅に」等の一般的なイメージもあるけれども、かなり実験的な面もあって、本書はどちらかというと実験的な面が強調されていると思う。でも、ユーモアは相変わらずで、鳥獣戯画に登場する動物たちをかたどった登場人物(動物)たちがだんだんと愛おしくなる。しかし「この世界の片隅に」が映画化されて大変な話題になった後の作品としてこれを出すのも、なかなか骨があるなとは思う。
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前から読みたくてしょうがなかった一冊。
漫画独特の表現のお約束をテーマにした四コマ漫画で、キャラはすべて鳥獣戯画から出ている。
…と書くと、自分でも面白くない本のようなんだけど、思わずくすりと笑ってしまう面白さ。
表現への意識が研ぎ澄まされるから、なのかも。
主人公格の、リボンをつけたうさみみちゃんが、いかにもオンナノコ的なきゃらじゃないところもいい。
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4コマ漫画×『鳥獣戯画』のキャラクターのゆるく愉快な日常を通して学ぶ“漫符”図鑑。
ひらめきの時、うきうきの時、怯えた時、ショックを受けた時……漫画やイラストのなかで使われている記号を「漫符」と呼ぶんですね。4コマ一つにつき一漫符。4コマには鳥獣戯画お馴染みのうさぎや蛙といった動物キャラクターが表情豊かに描かれ、4コマらしくしっかり最後のコマで“オチ”ています。4コマのストーリー自体もほっこりするばかりで十分楽しいのですが、過去類のない「漫符図鑑」として眺めても充実の情報量です。
今となっては意識せずに漫符の意図を汲み、イラストやストーリーを楽しんでいる。そんな自分自身が不思議でなりません。(自転車に一度乗れたら転べない、と近しいものを感じます。…伝わります?笑)
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漫画の中で使われる「漫符」と呼ばれるものの解説を含めた4コマ漫画集です。
例えば、「汗」を表現する(^^; のようなもの。
それぞれの「漫符」の意味や(複数の意味をもつ漫符もありました)使い方を、鳥獣戯画のキャラクターにのせて(ウサギ、カエル、サル、など)紹介しています。
漫画を読むことが苦手な人の中には、コマワリの順序がわからない、ということに加えて、これらの漫符の意味(約束事)がわからない、という原因もあると聞きます。
『この世界の片隅に』の作者がやさしいタッチで描く漫画は、(その内容には若干の「古臭さ」のようなものがあるにせよ)ほっこりと癒しを提供してくれました。
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「この世界の片隅に」の作者の最新作。みみちゃんと動物たちのほのぼの漫画。こうの史代さんの漫画をもっと読みたいと思った。鳥獣戯画風の絵を見て絵がうまいなあとも。最初、題名を見たとき「ギガ」ってギガバイトのことだよなと思い不思議に思っていたがよく読んでみると「鳥獣戯画」の「戯画」ってわかって(なんて頭悪いんだよおまえ!)落ち込んでしまった。。。こうの先生すみません。。。
Posted by ブクログ
漫符の効果や機能や表現することを、はっきり言語化すること。
それを鳥獣戯画のキャラパロで四コマ漫画にすること。しかも巧みに。
これは歴史的偉業だ、と肩肘張って言いふらしたい気持ちにもなるし、
こっそり自分だけの本棚に紛れ込ませておきたい気持ちにもなるし。
遡ってこうのさんの漫画を思い出したりもした。「こののに」はもちろんだけど、「長い道」や「ぴっぴら帳」や「さんさん録」などを。
「ぼおるぺん古事記」に続いて筆記具の実験でもある。
Posted by ブクログ
漫符の図譜、楽しい。そして、著者の絵の丁寧さが際立つ。特に目新しさはなく、当たり前にそうやって読んでいたものが、改めて言われるとなるほど、って感じ。
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多くの漫符が、4コマ漫画で紹介されるのがユニークで面白いなと思った。認識している漫符もあれば、「認識していなかったけど、確かに描かれていたような気もする....!」というものもあって、読み物としても楽しかった。それを「鳥獣人物戯画」で....!
他の漫画作品を今後読むときも、楽しみ方の幅が広がりそう。
Posted by ブクログ
作者のとぼけた感じの持ち味が、鳥獣戯画の素朴な雰囲気ととても合っている。「戯画」ですね。
漫符も改めて説明されると、なるほどと気づかされることもあったりする。とはいえ、本来は、文字がなくても分かるように表現した絵が漫画な訳で、それを言葉で説明してしまうのは、野暮ですなあ。
もちろん、これを切っ掛けに漫画を読む人が増えれば良い世は思う。
でも正直、漫画を読めないというのは、意味が分からない。
これだけ視覚的に説明してくれているのに・・・。
自ら思考することを放棄しているとしか思えないなあ。
Posted by ブクログ
普通に面白かったです!
漫符の紹介がメインとはいえ、
鳥獣戯画を漫画化すると
どうしてこんなに面白いでしょうか?笑笑
娯楽としても漫画の読み方を知る機会としても、
なんであれ最後まで面白く読めます!