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Posted by ブクログ 2020年02月15日
アルファ碁が人類最高峰の頭脳を赤子をひねるかのうようにして圧勝してから一気に社会的に広まった「人工知能(AI)脅威論」の後に出版された本書。
その時点までのAIを冷静に眺めた上で、無用に恐れることはないが、軽視は決してしないという姿勢を前半にじっくり説明されている。その上で波頭さんは、それでも仕事...続きを読むのほとんどはAIに置き換えられ、そのシステムを所有する資本家による富の独占は拍車がかかるとする。
そこでベーシックインカム(BI)が登場するのだが、BI反対派の論点を統計を使ってひとつひとつ論破していく流れが小気味良い。
鳩山元総理が理事長をする東アジア共同体研究所の理事をされているとのことだが、こういうVisionを示せる人が政治にどんどん影響力を持ってほしいと思った。
Posted by ブクログ 2018年05月05日
AIとBIはいかに人間を変えるのか 波頭亮 幻冬舎
人工知能とベーシックインカムの併用で
社会に何が起こり人間の暮らしをどう変えるか
優秀な人工知能とロボットが第三次産業革命
と言うよりも第一次意識革命とも言えるだろう事件が
人間の視野を広げ次元の変化をもたらすというお話である
AIブームの歴...続きを読む史から始まり
哲学的な意味や
理解できないことへの不安や
成長の過程としての通過点であることや
A I に強みと弱み長所と短所に付いてや
労働という生きるための手段である経済性から
解放された人間が戸惑いながらも
そもそもの目的に目覚めて何をやりだすかに付いて語る
又社会的な価値観も大きな変化を迎えることで
不安に陥りながらも大きな自由自在性を得ることで
お互いの多様性を認め合う対等観を
手に入れるだろうことにも気付くはずだ
A I とB I の発展の過程を愉しみ
全ての人間がそれぞれの方法で
自らの人生を自ら選び
遊びという冒険に駆り立て
真理の追求や美の探検や表現活動に
全力を上げて挑戦するだろう
Posted by ブクログ 2018年03月21日
良い悪いは別として
自分が働く
人を働かせる
資産を働かせる
という形で歴史は進んできたと思います。
この次にきっとAIに働かせるという時代が来ると思います。
ただそれを企業論理にだけ任せて法人税とかが変わらないと
AIに仕事を奪われる
という現実だけが残ります。
1つの方向として
AI時代にふ...続きを読むさわしい人材育成
AI時代にふさわしい所得分配
が国に求められると思います。
知的労働価値の暴落
感情労働価値の向上
つまり「AIが人間を全てにおいて超える」という「シンギュラリティ」が起こるという仮定を本書も取っていません。
しかし確実に知的労働の大半がAIに取って変わられるシナリオを描いています。
逆にいうと感情労働かAIを超える知的労働にしか活路は無いということです。
今の教育の延長線上にはジリ貧しか待っていません。
おそらくAIが仕事を奪う時代の方がBIより早く実現すると思います。
働かなくても食べても良い時代は遅れてやってくると思います。
となるとその時点でBIを検討し始めるのか?
生活保護制度が破綻してからでは遅いようにも思います。
生保のエキスパートを目指す僕としても未来は明るくないと思います。
今の延長線上にある法人税では失業者の生活は賄えないでしょう。
今の所得格差は極限まで広がっていくと思います。
買う人がいなければ経済は回らないのでどこかの時点で最低限の福祉が守られるのかもしれません。
それが必要に迫られたBIなのか。
AIが生み出した富をBIで再分配する。
なんにせよ今やらなあかんことが多いと思います。
子供らに明るい未来を用意するためにも。
Posted by ブクログ 2020年09月10日
波頭亮さんを初めて拝見したのはNewsPicksだった。
その頭の切れ味の良さもさることながら
「物語」をテーマをされる。
そんなところに今までの経済を語る人達との
差を感じて一気にファンになってしまった。
その思考を垣間見たくて
読んだ本書もワクワクさせてくれる。
細かい所では疑問がたくさんあ...続きを読むるのだけれど
後書きにある一文がまさに人間らしくて
とても素敵でした。
以下引用
「この後書きの冒頭に”かねてより、BIが実現するといいなと思っていた”と書いた。……「働かざる者食うべからず」の規範を覆し、「働かなくても、食ってよし」の世の中が実現すると痛快でいいなぁという思いからである。」
Posted by ブクログ 2019年12月13日
AIの発展した未来、BIに対する疑問、それぞれで自分なりに漠然と考えていたことについて、また読みすすめるうちに湧く疑問について、ちょうど良いタイミングで答えてくれる構成だった。
- クリエイティブ系、マネジメント系、ホスピタリティ系
- 働かなくても良くなった社会で、人間はどう生きれば豊かな人生を...続きを読む送ることができるのか
Posted by ブクログ 2019年07月10日
ベーシックインカムとは、生活保護の拡大版くらいの認識でいた。
人工知能により、仕事を奪われた人たちの生活補償なのかと。
負担率60%、資産への課税。
「持てる者が、なんの対策も取らずにそれだけの富の再分配を受け入れるのか?」という疑問。
「生きるために」ではなく、「自己実現のために」働く。
AI...続きを読むと張り合うのではなく、AIを活用して生産性を上げる。
人が得意とする分野、仕事にシフトしていく。
どこまで実現するのか疑問の残るところはあるが(とくにBI)、今後の世の中の流れを知る上では興味深い1冊。
Posted by ブクログ 2019年06月19日
AI技術は近年急速に進歩し、応用分野を徐々に広げてきている。
研究・実験から実用のステージに移っており、かつて機械化の進歩がブルーカラーの肉体労働をリプレイスしてきたように、AIがホワイトカラーの知的労働を大幅に奪うのは明らかだ。
都合よく言い換えると、人間の代わりにより早くより正確に仕事をしてくれ...続きを読むるということ。
つまり、生きるために人間がする仕事量が減る(究極はゼロ)のは必然。
まだまだ実現は先の話だが、その時の収入源は何? の答えがBI(Basic Income)だ。
現在の社会保障は年金や失業保険や生活保護などだが、これらに替わるのがBIだ。
BIに関しては今まで真面目に考えたことがなかったが、導入の効果や問題点が分かりやすく述べられていて役に立った。
AIについては人間と比べて圧倒的に劣る欠点も明確に述べられており、恐れることはないという安心感も与えてくれた。
本書はBIの実現を望んでいる著者が、AI技術の進歩による社会生活の変化と絡めて近未来にどう適応していくかを推敲したもの。
「働かざる者食うべからず」の時代から「働かなくても食って良し」の時代に向かっている。
生きるために働くのではなく、生きるための労働以外の活動を行うために生きる社会になる。
そんな社会が30年~50年後に来る可能性が現実的に今見えてきている。
その時、「食うための心配をしなくて良い収入」と「日常の活動に支障がない健康状態」の人間が陥りがちな「何をすれば良いのか分からなくて不幸」が問題になる。
現代の資本主義の存在感が大きな時代は「金を稼ぐ能力」を身につけるためにあらゆる努力をする。
AIとBIがもたらす「働かなくてもいい時代」になると、「金を稼ぐ能力」から「やりたいことを見出す能力」が必要になる。
と、こんな社会も頭の片隅に入れておいた方がいいよ!ということでしょうか。
Posted by ブクログ 2018年12月11日
ベーシックインカム制度に興味があり本書を手に取った。本書では、AI(人工知能)とBI(ベーシックインカム)についての総括的な説明がなされ、またそれらが社会にもたらす破壊的変化について述べられている。働き方改革の議論が盛んに行われている昨今、BI制度を耳にすることが多くなった。本書を読んで、簡易的にで...続きを読むはあるがBI導入における懸念点と克服法、またBIが社会にもたらす利益について知ることができ、とても満足している。著者が大事なポイントとしてあげた「働かざる者食うべからず」の概念をいかに崩していくかとの議論は興味深く、私としては仮にAIとBIが社会の軸になった際に人間がそれに適応できるかどうかに関しては未だに一抹の不安を感じている。しかし、経済格差を減少させ、ひいては人間の尊厳を護り得るBIに将来性を見い出すことができた。これからは今にも増してBIが実現する未来を見据えた生活をしていきたい。
Posted by ブクログ 2018年11月06日
能力が高く社会的に成功しているエリートというものはAIやBIに対して好意的な態度を示す場合が多いような気がする。
AIに対しては、その将来的なリスクについて検討していたが、BIに対してはその利点およびデメリットとして挙げられる点に対する反論に多くの紙面が割り振られていた。メリットの分析、デメリットの...続きを読む分析両方は説得力があるものが多かったが、財源の確保についてはあまり実効性のある提案にまでは踏み込んでいなかったのが少し物足りなかった。
ただ、全体としては非常によくまとまった良著であると思う。AIに関しては、得意分野がある一方でヒューリスティックな判断や身体性を伴った行動、共感などの能力の欠如が弱点であると分かったし、BIに関しては数々の社会実験の成果がおおむね良好であった点について学べたのは大きかった。個人的には最低限度の生活が保障されても働き続ける意思があることから、BI導入によるフリーライダー問題はあまり生じないように感じる。是非ともBIが実現して欲しいと思う。
Posted by ブクログ 2018年10月07日
AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book) 幻冬舎
予てから注目していたBIだが、AIの普及によってその有用性が高まることを説いており、非常に腹落ちした。全体を通して論旨がわかりやすく、AI、BIに馴染みのない方にもわかりやすいと思う。
AIの技術的な壁よりも、既得権益層...続きを読むの反発により、AIとBIの普及に時間がかかると思うが、方向性としは納得感がある。もしかしたら、人類史上の中でも有数の大きなパラダイムシフトの入口に今いるのかもしれない、そんなことを感じさせられてワクワクした。
人工知能AIの進化により、遠くない未来に人は食うための労働から解放される。AIの所有者に集中する富を再配分するための仕組みとしてベーシックインカムBI(全国民への一律給付)が大変有効だ。BIは制度が単純かつ恣意性がないことが特徴だが、ここで重要なのは、「働かざる者食うべからず」から「働かざる者食ってよし」への規範の変化だ。必要な生活財が全てAIで賄えるようになった時、働くことの意義は変わり、やりたいことを通して、貢献意識、自尊の念を得るために人は働くようになる。
◯AI 人工知能
・シンボルグラウンディング問題: 言葉と概念を結び付けられない。
・フレーム問題: 数ある情報から目的に関連した情報に絞り込んで考察することは難しい
・ディープラーニング: 膨大なデータから、学習する手法。シンボルグラウンディング問題を解消。
・解が一つに定まらなかったり、正解がない場合に見解を示す、ということは難しい
・人が気付きにくい相関関係の判断は得意だが、因果関係の判断は苦手。人によって最適解が異なる時こそ人の出番。
◯BI ベーシックインカム
・全ての国民に対して、生活を賄えるだけの一定額を無条件で給付する制度
・長所
1. シンプルで理解しやすく運用コストも小さい
2. 恣意性と裁量が入らない。生活保護は制度が複雑で対照的。
3. 働くインセンティブが失われない
4. 個人の尊厳を傷つけない
5. 将来に対する不安を抱える必要が無いため、消費が活発化
6. セーフティーネットとして機能するため、解雇しやすくなる。
・懸念
1. フリーライダー問題: 働かない人を増やす。社会実験ではむしろ逆の結果が出ている。就労の動機と社会の関わり方が良き方向に変化する。
2. 財源問題。生活保護とほぼ同じ1人8万円とすると、1.27億人で122兆円必要。年金から半分、もう半分は国民負担をフィンランドに違い60%(42.2 now)まで上げれば捻出可能。消費税を15%にして、半分の32兆円、資産税1%を企業と家計に課せば補える。
・障壁
1. 官僚の抵抗、仕事を減らされる。
2. 働かざる者食うべからずの社会通念
・日本で導入すべき理由
格差が世界的に大きい。
ジニ係数が高く、相対的貧困率の割合もOECD平均よりかなり高い。格差は富める人も不幸にする。高齢化により現役世代の負担が増加しており、社会保障制度が社会構造に合っていない。、
◯AI+BIの世界
・AIが生産活動のほとんどを担うようになると、AIの所有者に富が集中してしまう。他の人は失業。こうなると経済も回らなくなる。そこで再配分が必要なためBIが有効。人の役割は消費。
・16世紀の宗教革命以降、経済活動が認められるようになった。
・働かざる者食うべからずの規範は私有財産の尊重に裏打ちされて納得感を持って受け入れられてきた。
・生きるために働く必要がなくなった時、人は働かなくなるのか?否
・労働から解放され、やりたいことをやり楽しみや満足、自尊の念を得、学問、芸術、他者への貢献をする活動に向かう。
・かつてギリシャでは、奴隷が労働を行う中、市民が現代まで続く学問と芸術のルーツを生み出した。
・生き抜くための条件は、やりたいことを自ら持つこと。
・「退屈の不幸」:哲学者も悩むテーマで、何をしても良い状態は何をすれば良いか迷わせること。
・やりたいことを見つけるために必要なのは、経験と修練。やってみて、ある程度上達して初めてわかる。
・人は、身体的にも、感情的にも、肉体的にも持てる能力をフルに発揮することが快いと感じるメカニズムを持つ。
・新しいステージでは、やりたいことをやり、楽しみ、貢献意識、自尊の念を得ることが人生の意義になる。
Posted by ブクログ 2018年07月14日
AIとBIに関する歴史と考察が構造的に書かれており、素人にもとても理解しやすい。
未来の描写もかなり筋が良い、リアリティのあるものだと思いました。
Posted by ブクログ 2018年07月13日
22世紀の夢見るわたしは
授業をさぼって 街へとくリ出す
25世紀を逃れたあなたの
携帯番号 こっそり教えて
四角カクカク革命前夜の
長いあいあい 合間のロマンス
Posted by ブクログ 2018年07月12日
AIとBIによって社会がどのように変化していくのか。
人類にとって「新しいステージ」の社会の特徴
1.AIを活用することで実現できる圧倒的な生産性向上によって、産業革命以上のインパクトで経済的算出量が拡大する。
2.民主主義が名実ともに完成されて社会である。
3.AIとBIによって人間が生きるために...続きを読む働くことから解放されて生きるための労働以外の活動を行うために生きる社会になるということ。
Posted by ブクログ 2018年06月20日
AI時代到来による未来予測はいろんな場面で目にするけど、この本が一番深い考察をしていると思う。
自分自身もそうだし、子ども達に対してもどんな準備をしていく必要があるか、しっかり考えて行動しないといけない。
Posted by ブクログ 2018年06月02日
AIとBI、すなわち人工知能とベーシックインカム。ダジャレなタイトルですが、こらからの近未来社会についてなかなか考えられた内容でした。人工知能とベーシックインカムについてそれぞれ知りたい人にも役立つ内容だし、それぞれについてある程度知識がある人にもその関連性について、そして、これからの社会について考...続きを読むえる良い機会を提供てくれていると思います。未来の予測については客観的な内容というより、著者の希望的観測だとか本書を作るためのこじつけも強い気もしますが、AIを活用し、高い税金とベーシックインカムの導入された社会を生きている間に体験してみたい気がします。
Posted by ブクログ 2020年10月04日
50年後、”幸せ”ですか?
AIに仕事を任せ、BIに収入を支えられ、自らの存在意義を何とするか。
やりたいことを見つけられないのなら、ただ息をして100年過ごす、肉の塊になる。
Posted by ブクログ 2020年03月08日
第1章がAIの発達。第2章がBIに関する説明。第3章がAIとBIの融合について。お金持ちにも一律に供給する代わりに、お金持ちに対する税金をupさせることがポイント。小規模実験では、余暇は自己啓発に当てられるらしい。興味深い考察ではあった。
Posted by ブクログ 2018年10月13日
AIによる知的労働価値暴落と感情労働価値向上の時代、BIによる働かなくても食ってよしという規範が、格差や貧困という構造問題に対する解決策として、資本主義と民主主義を救う処方箋となる。
最初、ゴロ合わせ的なBIってナニ?と思いましたが、本文を読むとなるほど、AIとBIはセットであるべきだなぁと納得し...続きを読むました。
Posted by ブクログ 2018年04月25日
後半何度も重複して同じ内容が…BIに関しては著者も書いている通り意図的に書き落としている点があり、それがこの施策の実現可能性がいかに低いか難しいかを表していると思う。移行する段階で官僚や公務員が抵抗することは目に見えているしここまでガラッと生き方を他国に先んじて変えようとする国民性でもない気がする。...続きを読むでも僕はこの施策を支持したいしやがてゆっくりとでも世界はその方向に進むのだと思うので出来るだけ早く実現して欲しい。趣味に没頭して生きることが出来たらそれだけで幸せではないか。