【感想・ネタバレ】箱根の山に挑んだ鉄路 『天下の険』を越えた技のレビュー

あらすじ

日本を代表する大温泉地であり、また、明治以降早くから高級別荘地として開け、首都・東京の奥座敷として発展してきた「箱根」。その麓に位置する箱根湯本と山間の強羅間8.9kmを結ぶ標高差445mの鉄道が箱根登山鉄道だ。本書は、その誕生の経緯、そして粘着方式の鉄道では日本第1位、世界でも第2位の急勾配を克服した技術に焦点を当てながら、箱根の知られざる一面に迫る。

青田 孝(あおたたかし)
1947年東京生まれ。日本大学生産工学部機械工学科で鉄道車両工学を学ぶ。卒業研究として1年間、旧国鉄の鉄道技術研究所に通う。70年、毎日新聞社入社。成田支局で航空機関連を取材。以後、メディア関連を担当する編集委員などを歴任後、03年退社、フリーランスとして執筆活動を続けている。自称「3歳からの鉄道ファン」で、現在は「海外乗りテツ」として30の国と地域の鉄道乗車経験を持つ。主著に『ゼロ戦から夢の超特急』(交通新聞社)がある。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

こういう、地味なノンフィクションは、どんな分野のものも結構面白い。ちゃんと覚えてはいないけど、確かこれ、ものすごい雪の日に強羅駅で買ったんだったと思う。

0
2012年10月18日

Posted by ブクログ

鉄の世界を垣間見たような気がする。
「交通新聞社新書」なるレーベルの本を初めて買った。
まず、巻末の既刊図書の広告に目が釘付けになった。
鉄道の時計というミクロなテーマで一冊本が書けるとは!

さて、本書では、箱根ににどうやって鉄道を通したのか、車体にはどんな技術が使われているのかが詳細に述べられていた。

技術的な部分での解説は十分理解できているか心もとないけれど・・・
今夏、初めて箱根を訪れ、「アプト式」なる言葉をそこで見た。
それがどのような技術がわかって、まあ、よかったな、と思う。

箱根の交通網、訪れてみて、便利とは思われなかったが・・・
元箱根方面と登山鉄道沿線が鉄道で結ばれていたら、と思うことは多々あった。
大正年間には、小田原電気鉄道の箱根横断路線構想(芦ノ湖をぐるっと回る路線や、御殿場、三島へそれぞれ抜ける路線がある!)があったという。
小田原電鉄の本社火災、関東大震災、電車転覆事故が重なって、幻の大計画となってしまったらしいが・・・。
本当に残念だ。

最後の一章は、小田急ロマンスカーの車体の開発史に充てられている。
バブル崩壊以後、観光ではなく日常の乗り物となっていく時代のニーズと、乗るときめき、見るときめきを合致させようという道程だということのようだ。
わたしなど、ロマンスカーに憧れを抱いていたから・・・まさに小田急の広告戦略にはまっていたということだろうな。

0
2012年10月04日

Posted by ブクログ

 鉄道には二種類ある。
 山を越えるか、山を登るかだ。
(その二種類ザックリ過ぎる...)

 日本で唯一山を登る鉄道は、箱根登山鉄道だ。
 箱根湯本、強羅間8.9kmで標高445mを登る。
 この急こう配の鉄道路線はいかにして計画されたのか。

 明治の日本、東海道に列車を通すのに箱根が難所となった。
 箱根を酒匂川で大きく迂回する御殿場線がかつて東海道線として機能した。
 しかし、小田原まで列車が来ることがなくなってしまう。
 さらには江戸時代の宿場として栄えた箱根宿・小田原宿、湯治場として栄えた箱根七湯が廃れてしまう。
 馬車鉄道、そして初期の電化鉄道へ。

 2019年の台風19号の影響で休業中の箱根登山鉄道。
 箱根の天嶮に挑み続ける姿を見せてほしい。

0
2020年04月04日

「趣味・実用」ランキング